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自分が使用しているレーザの加工サイズ(スポット)径を計算式から算出したいと考えています.以前同様の質問に対し,mickjey2さんが丁寧に回答してくださったにも関わらず,自分の知識の無さから未だに解決していない次第です.式としては、
(1)スポット径w=4λd/πw0
         λ:波長
          d:対物レンズの焦点距離
         w0:レンズに入射するビーム径
(2)スポット径w=w0*{1+(λd/πw0^2)^2}^1/2
の2つがあることは分かったのですが,どちらを使用して良いのか分からないのです.実際に波長1064nm,焦点距離30.5mm,入射ビーム径1.5mmで計算したのですが,スポット径にかなりの違いが見られました.
それぞれの式はどのような条件の際に用いるものなのかどなたか教えてください.宜しくお願いします.
(どちらかがガウスビームの式なのでしょうか?)
最後にもう一つ,私の使用するレーザユニットはM^2~1.5と表記されています.ガウスビームとみなす事が出来るでしょうか?
         

A 回答 (4件)

ではすぐに計算できる形でご提供しましょう。


使用する式は加工用途のYAGレーザですからガウシャンビームの式の発展版を使います。(詳しくは大御所お二方の書かれた "Output Beam Propagation and Beam Quality from a Multimode Stable-Cavity Laser", Anthony E.Siegman, Fellow IEEE, and Steven W.Townsend, IEEE Jurnal of uantum Electronics, Vol.29, No.4, April 1993 でも参照下さい。)

平行な、半径r、BQFactorがM2、ビームを焦点距離fのレンズに入射したとき、ビームウエスト半径r0は、

r0 ^2 = { r^2 * f^2 / Zr^2 } / { 1 + (f/Zr)^2 }

ここで、 Zr = π * r^2 * n / {M2 * λ}

M2 : M^2 の値
λ : 波長
 n : 屈折率(空気中ならばほとんど1)

全部MKSA単位で計算すればOKです。
M2が1からはずれてくると段々と上式と実際のスポットには食い違いが生じてきますのでご注意下さい。(詳しくは論文を読んで下さい)

この回答への補足

毎度光学系の質問をする度に,丁寧に回答してくださり誠に感謝しております.早速この式を用いさせていただきます.また,文献も紹介してもらえ本当に助かります.
ただ,折角なのでさらにお聞きしたいのですが,私が見つけた2つの式は,何だったのでしょうか?それぞれ使用条件が異なるのだとは思うのですが,イマイチ分かりません.
もし宜しければ,そちらについても教えて頂けたらと考えます.すみません

補足日時:2003/06/20 10:18
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ビームウェストというのは、ビームが一番細くなっているところです。

人間でも腰の上をウエストといいますよね。
そこでのビームサイズをビームウェストサイズというわけです。
単にビームサイズは場所を特定していませんよね。

>(2)なんで分子にM2をかけるとYAGレーザの伝播式になるんですか??
一番簡単なのはTEM00といういわゆる「ガウシャンビーム」です。
これはきれいにガウス関数のプロファイルをしています。

ところがレーザはマルチモードで必ずしもビームがガウス関数にはならなくて、高次の項が出てきます。
そのような場合では、ガウスビームの式をそのまま使うことは出来ません。
そこで、複数モードの場合についてビームサイズの式を色々立ててみると、実は元の式に係数が掛かっている形で表すと良いことがわかったわけです。
そこで、その係数M2を使うわけですね。

詳しくは私の示した文献とそこで引用されている文献を読んで下さい。
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この回答へのお礼

度々の回答誠に感謝致します.
ビームウェストはそういう事だったんですね!良く分かりました.YAGレーザの伝播式に関しても,だいだい掴めてきたと思います.さらには文献調べてみて勉強します.本当に有難う御座いました.

お礼日時:2003/06/24 11:51

よく見ると(2)の式ですが、これはまるっきり違う式ですね。

(失礼)
ガウスビームに関係していますが、
ビームウエストサイズをw0として、ビームウェストの位置からの距離dにおけるビームサイズがwになるという意味です。
つまり、ウエストサイズが与えられているときのビームサイズの変化を表します。

ちなみに (λd/πw0^2)を(λd*M2/πw0^2)と書き換えるとお持ちのYAGレーザの伝搬式を表せます。

この回答への補足

親切に回答してくださり全然嬉しいです.こちらこそ聞いてばかりでスミマセン!!
そう言っておきながらなのですが,もう1回だけ質問させてください.(2)は確かにビームサイズの変化を示していますね!よりわかりました.有難うございます.質問は2つなのですが,
(1)ビームウェストとビームサイズって一緒の意味じゃないんですか??
(2)なんで分子にM2をかけるとYAGレーザの伝播式になるんですか??
本当にすみませんが宜しく願います.

補足日時:2003/06/21 05:12
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>(1)スポット径w=4λd/πw0


これは、たとえば望遠鏡の分解能など、理想的なレンズの理論的分解能を示すときに使われます。
回折限界とも言われています。
簡単には W = 1.22 λd/w0 で、
w0をレンズの有効径、焦点距離がdのときには、レンズに収差がない理想的レンズであっても、光自身の回折現象からこの式以上の分解能を持つことが出来ないと言うことを意味しています。
この式は、円形開口のフランフォーファ回折像をフレネル=キルヒホッフ回折式で求めると出てきます。
レーザでも、ガウシャン分布でなく、一様な強度分布でレンズに光を入射した場合はこの式に従います。

(2)の式は少しおかしいです。
まずλ→0の極限では回折の効果で広がることがないので、スポットサイズは0になるべきです。私の式だと極限をとるときちんと0になりますね?
でも(2)の式だとw=w0で0にならないのでこれはおかしいのです。
単純なガウシャンビームの式(私の示した式でM2 = 1, n = 1 としたとき)が出発点になっているようですが、それを多分テーラー展開して近似しているのかもしれません。(検算していませんが)
使用条件は限定されている可能性がありますね。

M2=1.0の時の計算であれば、「光エレクトロニクスの基礎」(Amnon Yariv)が丸善から出ていて、詳しく計算方法が書かれています。
この本は光関係に携わる人は大抵持っているバイブルなので一つ購入しておくと良いと思いますよ。

では。
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この回答へのお礼

補足にもかかわらず,御早い返答に感謝致します.
(1)の式は回折限界を知るためのものだったんですね!正直回折限界についても良く聞く言葉だけど知らなくて,困っていたんですが,理論的分解能を示すんですか~~~
わかりやすく説明してくだっさってホント感謝感謝です.
「光エレクトロニクスの基礎」を僕もバイブルとして購入検討してみようと思います.ありがとうございました.

お礼日時:2003/06/21 05:11

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