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SARSウイルスは飛沫が乾燥しても生きていると報道では言っていますが、本来、ウイルスとは新陳代謝も淡白質生産もしませんし、自ら子孫を作ることができない、非生物な筈です。本来生きているといえないものが、死ぬというのはどうなったときのことを言うのですか。

あと飛沫核だけになったウイルスの死因?はなんですか。

A 回答 (4件)

こんにちは。

>活性を失わない~は、本来水がある状態でのたんぱく質等の立体構造で活性があるんです。
だから水がなくなると当然立体構造は変化し、活性を持たない状態になります。
この単純な乾燥による変性は一時的なもので、また水に入れると元に戻ります。これは立体構造は一時的に変形しますが、基本的な骨組みを作っている水分子まで出ちゃうわけじゃないからです。
先の2番目のURLだったかな、可逆的変性といいます。
たとえばウィルスを結晶にして取り出すことができますが、この状態では活性は持ちません。しかし水に溶ける?と再び活性を持ちます。
アルコールなどによる脱水は乾燥よりはるかに強いのでこの立体構造の骨組みとなる部分の水もとってしまい、そこまで崩れてしまうと元に戻らないということのようです。

ついでに、今日のニュースでは塩素系の消毒薬で不活化できることが確認されましたね。
あとは治療薬が見つかればもう怖い存在ではなくなるでしょう。
医学史上、まれにみる早い対処だといえますね。
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こんばんは。

何やら相当学術的な精密な回答をお望みのようですね。専門家ではないので判る範囲でお答えします。順番が前後しますが。

>ウイルスのエンペローブやカプソメアは糖質ではなかったでしょうか。

である場合もあるし、糖タンパク、あるいは酵素である場合もあります。
http://www.rui.jp/message/04/21/55_8787.html

>タンパク質と核酸がどのように変化するのでしょうか。確かにタンパク質は熱により硬化しますが自然環境中ではそのような高温にはならないと思います。

タンパク質や核酸を変性させるのは熱だけではありません。
熱によると考えられる場合は主に加熱消毒、滅菌による場合だろうと思われます。
この場合、どの部分がどの様に変化したという研究を知りませんので、具体的な化学変化を表す事はできません。ただ、タンパク質単体での構造変化は水素結合、疎水結合といったあまり強くない結合の崩壊で、立体構造が不可逆的に破壊される事などが明らかになってるようです。
http://a-yo.ch.a.u-tokyo.ac.jp/1999/reikai2/ikeu …

>実際、環境中においてウイルスの飛沫核がどのような変化をするかお教えいただけないでしょうか。

判る範囲で。
まず乾燥します。その最、飛抹核は純粋なウィルス水溶液ではないので蒸発残さでコーティングされると考えられます。
次に空中の酸素による酸化、紫外線による核酸等の変性が考えられます。
どの段階でどの位ウィルスが死ぬかというのは判りませんが、最近、SARSウィルスにおいて、ウィルスけんだく液を乾燥させた実験が報道されました。

http://news.goo.ne.jp/news/kyodo/shakai/20030505 …

>また、SARSに関して言えばアルコールで消毒できるといっておりますが、次亜塩素酸ナトリウムとかポピドンヨードなどのハロゲンを含むものなら何となく効き目があると思いますけれども、生命活動を行っていないウイルスに酸化作用や還元作用をあまり行わないような薬剤でも効き目があるのでしょうか。

このあたりは、多分有効であろうと思われますが確認の追試が進んでいないだけではないでしょうか。
さっきのURLによればかなり進んできたようですが。
WHO等が発表し現場で使わせるには確実な効果が求められるので追試は必須でしょう。

>あまりアルコールのような薬剤の作用が良く分かりませんので、その辺もお願いします。

アルコールの作用機序は脱水による水素結合破壊、脂質成分の溶出です。

この回答への補足

すみません。お礼をしてから新たな疑問が湧いてきました。タンパク質が水素結合など非共有結合によっていて、加水分解しやすいことは理解できました。しかし逆に飛沫のエアゾール中には水分がありますし、生物体内中も水分が多い筈です。これでは逆に水分中の水酸基によってウイルスは加水分解されてしまいます。

なぜウイルスは活性を失わないのでしょう。化学の知識が乏しくて分かりませんのでお願いします。

補足日時:2003/05/06 07:41
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この回答へのお礼

詳しい回答本当にありがとうございます。多くのなぞが一気に解けました。かぎは水素結合だったのですね。

私は、ウイルスは生命活動を行っていないのだから飛沫核だけになっても生活型細菌より乾燥に強い。→空気感染する。→同時多数感染により人々に対する感染が免疫獲得より速く、感染側に平衡が傾く。→大アウトブレイクする筈だ。と演繹的には考えていたのですが、実際のウイルス感染症でもこのような空気感染はあまり観測されていないという矛盾を感じていました。

インフルエンザが高湿度中では感染力を失うことについても納得できました。

やはり空気感染する能力では芽胞形成細菌より劣るわけですね。乾燥時の生存性もかなりウイルスの方が劣っています。小さい分、乾燥しやすいし、紫外線にも弱いのでしょう。芽胞の莢膜よりエンベローブやカプシドの方が脆弱だということも納得できます。

あとアルコールに水酸基があることをすっかり失念してました。

いずれにせよ一気に謎が氷解です。室内実験で2日だそうですから、屋外では数時間で不活性化しそうですね。これなら大アウトブレイクは無理でしょう。(乾燥の夜間だと有りうるか?)

お礼日時:2003/05/06 07:08

こんにちは。


確かにおっしゃる通りです。で、答えもNo1さんのおっしゃる通りなのですが、>死ぬ、という表現自体がそもそも間違っています。
正しくは、「不活化」です。
マスコミが勝手に作り上げた用語ですね。

ちょっと話がはずれますが某テレビでやっていた「ドロドロ血」「ベトベト血」なんて用語もありません。

本題に戻りまして、不活化の原因は、化学変化です。
タンパク質と核酸の塊ですから、pHや温度、あるいは脱水でも変質してしまいます。
酸素で酸化されてしまう部分もあります。
紫外線でDNAが変性するのは有名ですね。
これらが相乗効果で「死因?」となります。

ちなみに、ウィルスによってはこの「なきがら」となったウィルス、不活化ウィルスといいますが、これを注射すると、このウィルスに対して免疫ができ、なおかつ発病しないという利点が使える場合があります。
これを死菌ワクチンといいます。この場合は「死」と言いますが、これはそもそも細菌について使われてた用語をウィルスに転用したものだからです。

多分、今回もこの研究は当然やられているでしょう。
実用化が待ち遠しいですね。

この回答への補足

タンパク質と核酸がどのように変化するのでしょうか。確かにタンパク質は熱により硬化しますが自然環境中ではそのような高温にはならないと思います。

実際、環境中においてウイルスの飛沫核がどのような変化をするかお教えいただけないでしょうか。

また、SARSに関して言えばアルコールで消毒できるといっておりますが、次亜塩素酸ナトリウムとかポピドンヨードなどのハロゲンを含むものなら何となく効き目があると思いますけれども、生命活動を行っていないウイルスに酸化作用や還元作用をあまり行わないような薬剤でも効き目があるのでしょうか。あまりアルコールのような薬剤の作用が良く分かりませんので、その辺もお願いします。

あと記憶があまり確かではないのですが、ウイルスのエンペローブやカプソメアは糖質ではなかったでしょうか。ウイルスの大きさからするとタンパク質はちょっとでか過ぎるのではないかと思います。

補足日時:2003/05/05 20:29
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再度宿主に取り付いたとき、増殖能力を有しているのが生きているウイルス、増殖能力を有していないのが死んでいるウイルスだと思います。



ウイルスの死因は何らかの変質でしょう。

余談ですがC型肝炎ウイルスの治療ではウイルスを殺す薬とウイルスの増殖能力を奪う薬の両方が使用されることがあります。

この回答への補足

抗ウイルス剤では脱穀阻害薬というのがありますが、これが増殖能力を奪うということなのでしょうか。そこらへんが良くわかりません。結局殺すとはどういうことなのでしょうか。作用機序についてお願いします。

補足日時:2003/05/05 20:24
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