プロが教える店舗&オフィスのセキュリティ対策術

たびたびすいません。

表題の通り、BET比表面積はいわゆる単分子層での比表面積だと思うのですが、それ以外つまりは高相対圧(40~90%等)での細孔容積の算定式についてです。
ある書籍の中で、細孔容積をVadsとすると、
(Pa×Vads×Vm)/R×T という式で表されるとあります。
変形すると、Vads=(RT)/Pa・Vm でしょうか。
Pa:大気圧
T:絶対温度
Vm:吸着質のモル容積 とあります。

例えば、RH50%までの吸着における細孔容積は、その時のVmを代入して、Vads(細孔容積)を求める形でよいのでしょうか?
とりあえずは形式的でも構いません。またモル容積の値は、吸着量ではないのでしょうか?50gから53gに増加したのならVm=3gというような。

BET範囲以外は多分子吸着のため、厳密には多層部分は補正しなければならないとは思うのですが、まずは上記式の意味を教えていただきたく思います。
ちなみに、自動測定器で測られるBET範囲以外の細孔容積というのは補正はされてるものなのでしょうか?
諸々よろしければ御教示お願いいたします。

A 回答 (2件)

(Pa×Vads×Vm)/R×T


の意味は次のようなことです。Paが大気圧、Vadsは吸着量を気体(時代)の体積として与えた量ですから、
n=Pa(大気圧)Vads/RT...(1)
は、大気圧の気体が吸着した時の気体の”モル数”です。Vadsを普通は標準状態での気体容積として計算しますからT=273をつかいます。そのモル数nにVm、つまりその気体の液体での1molあたり容積をかけていますから、吸着したガスの液体としての容積になります。これを細孔の容積としているのです。これは気体の吸着による細孔分布解析で普通に使われる考え方です。

> 例えば、RH50%までの吸着における細孔容積は、その時のVmを
> 代入して、Vads(細孔容積)を求める形でよいのでしょうか?

Vadsは気体の体積として考えた気体吸着量です。細孔容積ではありません。質問者さんの質問は、「RH50%の時の吸着量がVadsのとき、そのVadsをモル数に計算しなおして、それにその吸着ガスの液体でのモル体積をかければRH50%での細孔容積と考えてよいか、」という質問になります。これは下に書くようにそう単純ではありません。そして

>50gから53gに増加したのならVm=3gというような。

ではなくて、(普通は細孔分布計算は脱離過程の値を使うので)「脱離気体の量を液体換算したとき、53 cc/gから50 cc/gになったらそのRH変化に対応する細孔容積は3 cc/gか」です。
気体吸着が全て細孔分布に由来するならそれでよい事になります。実際初期の細孔分布解析にはそうした考え方もありました。(Andersonの方法)
しかし現在は多分殆ど使われません。
ガスは、固体表面で毛細管凝縮している他に多分子層吸着しているものがあると考え、あるステップ(気体の平衡圧をPiからPi+1に下げる)での気体の脱離量は、毛細管凝縮したものが蒸発して、管の壁に多分子層吸着が残るのに対応する量と、すでに表面で吸着層吸着になっていた層の厚さが薄くなるのに対応する量との合計と考えるのです。計算は普通はBJH法でやりますが、細孔は円筒モデルになっています。その計算の中では面積は円筒の側壁面積で計算して行きます。ある脱離ステップでの対応する細孔容積半径をri, ri~ri+Δrの細孔容積をΔVi、ri~ri+Δrの側壁面積をΔAiとし、半径riの細孔の合計長さをLiとすれば
ΔAi=2πriLi...(2)
ΔV=πri^2Li...(3)
ですから、
ΔVi/ΔAi=ri/2
即ち
ΔAi=2ΔVi/ri...(4)
がその脱離ステップで出てくるあらたな表面積です。BJH法にはパラメータがあり、ΔAiの合計値ΣΔAiもそのパラメータに依存します。別途BET法で表面積を評価し、ΣΔAiがBETに一番近いパラメータを採用します。

>BET範囲以外は多分子吸着のため、厳密には多層部分は補正しなけれ
>ばならないとは思うのですが、

上に簡単に述べたように、細孔分布計算では多分子層吸着は計算にいれられています。層の厚さと相対圧の関係は下のHalsey式などがもちいられます。
t(Å)=4.3(5/ln(Po/P))^(1/3)...(5)

>ちなみに、自動測定器で測られるBET範囲以外の細孔容積というのは
> 補正はされてるものなのでしょうか?

むしろ細孔容積の計算に使う吸着等温線の範囲はBETに対応する部分より相対圧が大きい部分です。
式をいちいち書くと大変長くなります。BJH計算法を本で読まれてきちんとFollowされた方がよいと思います。
    • good
    • 0
この回答へのお礼

いつも丁寧な回答をほんとうに感謝します。
ちなみに実験では、セメント硬化体における水蒸気吸着のためケルビン式より、RH30での吸着細孔はぎりぎりミクロ孔(RH40以上はメソ細孔)のため、比表面積及び細孔容積は脱着ではなく吸着を用いています。
そこで、貴殿の回答の中の
>n=Pa(大気圧)Vads/RT...(1)
は、大気圧の気体が吸着した時の気体の”モル数”です。Vadsを普通は標準状態での気体容積として計算しますからT=273をつかいます。そのモル数nにVm、つまりその気体の液体での1molあたり容積をかけていますから、吸着したガスの液体としての容積になります。これを細孔の容積としているのです。

ですが、これでいきますと、Pa、Vads、R、Tと全て定数になると思われるのですが、形式的でも構わないのですが、この細孔容積を求める式等で、RHを変化させたときの各々の細孔容積はどのように求めればよいのでしょうか?何度も申し訳ないですが、御教示の方是非お願いいたします。

お礼日時:2009/10/17 11:13

あのお.その式,意味ないと思うんですが.


それって状態方程式そのものじゃないですか.
細孔に吸着した気体がすべて気化したらどれだけの体積になるか,って式じゃないんですか?
モル容積ってのは,ある物質が1molあったときにどれだけの体積を占めるか,って値ですけど.
    • good
    • 0
この回答へのお礼

いつもほんとうにありがとうございます。

お礼日時:2009/10/17 11:18

お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!