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 インフルエンザウィルスは湿度の高い夏はどこで何をしているのでしょうか?
 湿度が50%以上だとウィルスは空中浮遊できなくて、死滅するというのを
訊いたことがありますが、一部のウィルスはどこかで潜んでいるのでしょうか。
それとも湿度が低くなる頃に新たにどこかで生まれて、発生するのでしょうか?
それともヒトの体内に潜んでいるのでしょうか?でもそれなら湿度は無関係?

A 回答 (3件)

 獣医師でウイルスに専門知識を有しています。



 まず基本ですが、インフルエンザに限らず「ウイルス」は、"生きた細胞の中"でなければ増殖することはできず、また増殖以外の"生命活動"をしない微生物です。
 その構造は端的に言うと、「遺伝子が入ったタンパク質の殻」に過ぎません。そのタンパク質の殻は細胞膜のように物質を出し入れするための生理的活性があるわけでもない正真正銘の「ただの殻」ですし、その殻の中には遺伝子が入っているだけで、その遺伝子から情報を読み取り、翻訳して蛋白質を合成する器官は持っていません。
 なので、細胞内に入って、細胞に自分の遺伝子を読ませ、細胞に「殻」などを生産してもらわなければ増殖することができない、というわけです。

 なので、インフルエンザだけでなく、どんなウイルスも「空中」で生き延びることができるものは存在しません。
 細胞の外でのウイルスは単なる物質としての振る舞いしかしませんから、時間と共に「壊れる」一方です。
 ただ、その「タンパク質の殻」の構造によって、環境中であっという間に壊れてしまうウイルスや、非常に長い時間耐えるウイルスがいるだけの話です。どちらも「環境中では死滅する(壊れる)一方」ということには変わりなく、その速度が違うということです。
 インフルエンザはどちらかというと「壊れる速度が速いウイルス」に入ります。「壊れる速度が遅いウイルス」の代表はノロウイルスでしょう。

 また、どんなウイルスも基本的に乾燥条件には弱いです。つまり死滅速度が速くなります。また熱にも弱いです。
 インフルエンザウイルスが「湿度が低い環境を好む」と言われているのは(きちんと調べた報告はあまりなく根拠が以外に脆弱なのですが)、ウイルスの死滅速度の問題ではなく、湿度が低い方が咳やくしゃみなどで飛ぶ"飛沫"が長距離まで飛び、また空中に浮遊する時間も長いため、感染に有利、ということのように思えます。
 また、ヒト側でも乾燥すると咽喉頭や気管支の粘膜が傷みやすい=粘膜免疫がうまく働かずウイルスが感染しやすくなる、といった面もあるでしょう。
 感染が成立してしまえば、ヒトは恒温動物ですので環境中の温度や湿度はまったく無関係です。

 とりあえず、インフルエンザに限らずウイルスは、「生きた細胞内でしか増殖できない」ということと、「増殖以外の"生命活動"をしない」ということだけ基本として覚えておいて下さい。

 ちなみに「夏の間ウイルスはどこにいるか」ですが、「乾燥低温である冬季にインフルエンザが流行する」のは温帯及び寒帯での話です。熱帯地域ではインフルエンザは1年中発生しています。(この点からしても"インフルエンザウイルスは低温低湿度環境を好み・・"は怪しげになるのですが)
 なのでインフルエンザウイルスは、夏の間は熱帯地方などで流行を維持しているのでしょう。それが季節と共に北上あるいは南下して両半球に拡大していくと。毎年のワクチン株の選定も、早い季節に低緯度地帯から分離されたウイルスの解析によることが多いですし。

 もちろん日本でも夏の間はウイルスがいないかといえばそうでもなく、ヒトの間を小規模な流行を維持しているでしょう。夏のインフルエンザも皆無というわけではありませんから。

 また、ヒトのインフルエンザはヒトだけに感染し、ヒトの間でのみ流行しています。
 他にインフルエンザに罹る動物は鳥、豚、馬などがいますが、それぞれの動物種ではそれぞれ別のインフルエンザウイルスが流行しています。
 つまり、インフルエンザウイルスの自然宿主は元々はカモなどの水禽類なのですが、その自然宿主から豚やヒト、馬などに伝搬して、現在では「ヒトインフルエンザ」の自然宿主はヒトであり、豚、馬についてもそれぞれの動物が自然宿主になっている、という状況です。

 現在アジアで起きている「鳥インフルエンザのヒトへの感染」だけはまた別で、これは「鳥のウイルスにヒトが感染した」ので、ヒトはこの場合"終宿主"という言い方になります。これでヒト→ヒト感染が起きて新型インフルエンザが発生、ということになれば「ヒトが自然宿主になった」ということなんですけどね。

 それはともかく、現在のヒト、豚、馬、鳥のインフルエンザウイルスは、互いに動物種を越えて感染することはありません。豚は鳥型、ヒト型両方のウイルスに感染しやすいのと、現在鳥→ヒトの感染が起きていることは例外です。(その豚ですら、豚独自のインフルエンザウイルスを持っている)
 それぞれの動物種にそれぞれのウイルスが流行しているわけですから、「中間宿主」なるものはありません。
 もしそんなものがあれば、インフルエンザウイルスは遺伝子組み換えを容易に起こすウイルスですから、毎年のように「新型インフルエンザ」が発生してその度に世界で数百万人~数千万人が亡くなる事態になっていることでしょう。
 「中間宿主」仮説が成立する可能性があるのは豚だけですが(他の動物種との間ではそもそも感染がまず成立しない)、もしそんなことが起きれば豚固有のインフルエンザウイルスと組み替えを起こしてすぐ判ってしまうでしょうし、そもそもその組み替えウイルスができたらそのまま新型インフルエンザになってしまう可能性が高いです。
 ということで「中間宿主」はありません。
 ま、今後そういうことが起きる可能性はありますが(新型インフルエンザ関連で)、少なくともヒトの季節性インフルエンザの流行に関して、ヒト以外の動物種が関与していると言うことはありません。
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この回答へのお礼

百科事典のような大変詳しい回答をどうもありがとうございました。
よく理解できました上に、さらなる突っ込んだ知識まで得ることが出来ました。
まことにありがとうございました。
 山村の山奥に住んでいる人は感染の確率が少ないわけですね。

お礼日時:2009/02/09 09:21

他の動物を中間宿主として、潜伏していることも考えられます、それが鳥だったり、豚だったりすることが有ります、菌の中には必ずしも症状が

出るとは限らない細菌も居ます
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冬の気候はウイルスにとって活動しやすい環境であるんですね。



インフルエンザウイルスだと、北半球が夏の時は
南半球(冬)で流行してるらしいですよ。世界中、伝染して新種に生長するわけです。
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