No.5ベストアンサー
- 回答日時:
常用対数と自然対数は定数倍の違いでしかありませんから,
以下自然対数を Ln と書いて
(小文字のエルにすると数字のイチと区別しづらくなるので)
(1) Ln(coth(x))
の積分を求めることにします.
(2) (1) = Ln(1+e^(-2x)) - Ln(1-e^(-2x))
ですから,Ln(1+y) の Taylor 展開
(3) Ln(1+y) = Σ{n=1 →∞} (-1)^(n+1) (y^n/n)
と組み合わせて
(4) (2) = 2 Σ{n=0 →∞} e^{-2(2n+1)x}/(2n+1)
になり,x についてゼロから∞まで項別積分して
(5) ∫Ln(coth(x)) dx = Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2
が得られます.
Euler 和
(6) Σ{m=1 →∞} 1/m^2 = π^2/6
を思い出すと,
(7) Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2 = Σ{m=1 →∞} (1/m^2) - Σ{m=1 →∞} 1/(2m)^2
= (1-1/4) Σ{m=1 →∞} (1/m^2) = π^2/8
がわかります.
本当は項別積分には一様収束のチェックが必要ですが,さぼりました.
最後に常用対数と自然対数の変換因子を忘れないようにしてください.
懇切丁寧な、ご回答をいただきありがとうございます。
やっと自分の中で回答の糸口が見えてきました。
しかし、少し理解できない部分がありますので、以下に分かった部分の確認と質問をさせて頂きました。
お忙しいところ恐縮ですが、ご回答いただければ幸いです。
(1)について
log(x)=Ln(x)/Ln(10) となることから、Ln(10)を省いて Ln(coth(x)) について考えるという理解ですが、よろしいでしょうか。
(2)について、以下の計算で合っているでしょうか。
(1) = Ln( cosh(x) / sinh(x) ) = Ln( (e^x+e^(-x) ) / ( e^x-e^(-x) ) )
= Ln( (1+e^(-2x) ) / (1-e^(-2x) ) = Ln( 1+e^(-2x) ) - Ln( 1-e^(-2x) )
(3)について、y=e^(-2x)とし、Taylor 展開
Ln(1+y) = Σ{n=1 →∞} (-1)^(n+1) (y^n/n) = y-y^2/2+y^3/3-y^4/4+y^5/5-・・・ と
Ln(1-y) = Σ{n=1 →∞} (-1)^(2n+1) (y^n/n) = -y-y^2/2-y^3/3-y^4/4-y^5/5-・・・ より
Ln(1+y)-Ln(1-y) = 2 (-y^2/2-y^4/4-y^6/6-・・・) = 2Σ{n=0 →∞} (y^(2n+1))/(2n+1)
の計算方法で合ってますでしょうか。
(4)について
y=e^(-2x)を(3)に代入すると
(2) = 2 Σ{n=0 →∞} e^{-2(2n+1)x}/(2n+1)になる。(ご回答頂いた通りです。)
(5)について
Ln(coth(x)) = 2 Σ{n=0 →∞} e^{-2(2n+1)x}/(2n+1) ですよね?
そこで、なぜ ∫Ln(coth(x)) dx = Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2 と導き出せるかが分かりません。
ご教示いただきたくお願いいたします。
(6)について
Euler 和については、まったく知りませんでした。この公式の導き方についてですが、
以下のURLを見つけました。URLのとおりの導出方法は、かなり手が凝っており、更に少々難解です。
この方法以外にもご存知でしたらご教示いただきたくお願いいたします。
http://www2.ocn.ne.jp/~mizuryu/kadai3/kadai197a. …
(7)について
m と n の関係が良く分かりません。なぜ
Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2 = Σ{m=1 →∞} (1/m^2) - Σ{m=1 →∞} 1/(2m)^2
と分けられるのでしょうか。導出方法をご教示いただきたくお願いいたします。
以上、小生の理解不足で申し訳ありませんが、ご教示いただきたくお願いいたします。
No.7
- 回答日時:
siegmund です.
No.6 への補足を拝見しました.
mathstudy さんの書かれたとおりで正しいです.
蛇足ですが,「x=π とおくと」のところで x=0 とおくと
0 = π^2/3 + 4 Σ{n=1→∞} (-1)^n (1/n^2)
になり,回答No.6の最後のように偶奇をうまく分離すれば
所要の結果を求めることもできます.
まあ,わかってしまえば(あるいは,x^2 のフーリエ展開というヒントがあれば),
「x^2 のフーリエ変換だから x^2 cos(nx) を積分するので,部分積分が2回必要.
一回部分積分すると 1/n が出るから,2回部分積分して 1/n^2 が出るのは見えるでしょ」
になりますが,ヒントのない状態で思いつくのはなかなか大変です.
なお,オイラーが最初に求めたときは sin(x) の無限乗積展開を用いましたが,それは
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%90%E3%83%BC% …
に出ていました.
また,英文ですが
http://mathworld.wolfram.com/RiemannZetaFunction …
の(22)式以下にはここで述べた x^2 のフーリエ展開と sin(x) の無限乗積展開以外の求め方が1つ載っています.
「π^2/6 オイラー」で検索するといろいろな記事が見つかります.
記事が見つかります.
ご回答いただきありがとうございます。
教えてもらった方法で解けてほっとしています。
また、2つの解き方をご教示いただきありがとうございます。
オイラーの求め方の発想には驚きました。sin(x)の因数分解なんて思いもよりませんでした。
こちらの方は、理解できましたが、2番目の方は、小生には少し難解でした。
必要に応じて、新たに質問を立てようと思います。
懇切丁寧なご指導、ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
siegmund です.
> (1)について
OKです.
> (2)について、以下の計算で合っているでしょうか。
合っています.
> (3)について、y=e^(-2x)とし、Taylor 展開...
合っています.
> (5)について
本文に書きましたように,
Ln(coth(x)) = 2 Σ{n=0 →∞} e^{-2(2n+1)x}/(2n+1)
の両辺を0から∞まで積分しています.
右辺は項別に積分します.
積分は要するに ∫{0→∞} e^(-ax) dx = (1/a) です.a=2(2n+1) になっています.
∫Ln(coth(x)) dx は丁寧に∫{0→∞} Ln(coth(x)) dx と書くべきでしたかね.
> (6)について
大数学者オイラーがかなり苦労して求めたものなので
(たしかオイラーの先生のベルヌーイの遺題だったと思います),
そんなに簡単ではありません.
mathstudy さんが書かれたHPの方法はいわゆるパーセバルの等式を使う方法ですが,
x^2 のフーリエ変換を使う方法もあります.
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa4003551.html
http://oshiete1.goo.ne.jp/qa1854210.html?ans_cou …
をご覧下さい.
> (7)について
Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2 は正の奇数について2乗の逆数を加えているわけです.
これは,自然数全部について2乗の逆数を加えたものから,
正の偶数について2乗の逆数を加えたものを引いたものに他なりません.
それを式で書いたのが
Σ{n=0 →∞} 1/(2n+1)^2 = Σ{m=1 →∞} (1/m^2) - Σ{m=1 →∞} 1/(2m)^2
です.
こういう話でわからなくなったら,はじめの方の項を具体的に書いてみる手間を惜しまないことです.
4,5項書いてみれば一発でわかるでしょう.
この回答への補足
お待たせして申し訳有りません。
x^2のフーリエ級数展開によるオイラー和の公式を自分なりに導き出してみましたので、
お忙しいところ恐縮ですが、正否または、間違っている部分のご指摘を頂ければ幸いです。
f(x)=x^2 のフーリエ級数は x^2 が偶関数より次式の通り
a_0 = ( 1/(2π) )∫{n=-π→π} x^2 dx = π^2/3
a_1 = ( 1/π )∫{n=-π→π} (x^2) cos(x) dx = -4
a_2 = ( 1/π )∫{n=-π→π} (x^2) cos(2x) dx = 1
a_3 = ( 1/π )∫{n=-π→π} (x^2) cos(3x) dx = -4/9
a_4 = ( 1/π )∫{n=-π→π} (x^2) cos(4x) dx = 1/4
・・・
よって
x^2 = π^2/3 + (-4 cos(x) + cos(2x) - (4/9) cos(3x) + (1/4) cos(4x) -・・・)
⇔
x^2 = π^2/3 + 4 (-cos(x) + (1/2^2) cos(2x) - (1/3^2) cos(3x) + (1/4^2) cos(4x) -・・・)
⇔
x^2 = π^2/3 + 4 Σ{n=1→∞} (-1)^n (1/n^2) con(nx)
ここで x = π とおくと上式は以下の式のようになる。
π^2 = π^2/3 + 4 Σ{n=1→∞} (-1)^n (1/n^2) (-1)^n
⇔
(2π^2)/3 = 4 Σ{n=1→∞} (1/n^2)
⇔
π^2/6 = Σ{n=1→∞} (1/n^2)
早速のご回答ありがとうございます。
懇切丁寧で分かりやすいです。
ただし、(6)のオイラー和についてのみは、小生にとっては難題です。
x^2のフーリエ変換をするのですね。
まず、大学時代の古い記憶と教科書を紐解くことから始めなければなりません。
しかも不得意分野です。。。。。。。。
まずは、自力で解いてみますので、今しばらくお待ちください。
解法のヒントだけでも教えていただければ幸いです。
No.4
- 回答日時:
ANo.1です。
> しかしながら、おそらくcoshとcothを間違われているのではないかと
> 思いますが、いかがでしょう。誤った理解をしていたら申し訳有りません。
すみません。その通りです。
cothでもう一度考え直してみたのですが、良い方法が出てきません。
お力になれず、申し訳ありません。
No.2
- 回答日時:
問題の積分は、両側広義積分
∫[0 から +∞ まで] log( coth(x) ) dx
= lim[a → +0, b → +∞] ∫[a から b まで] { ln( coth(x) ) / ln(10) } dx
です。( ln は e を底とする「自然対数」とします。)
この極限は、a → +0 の側が +∞ へ発散します。
大雑把な話…
x ≒ ±0 のとき、e^x ≒ 1 + x なので、
coth(x) = { e^x + e^(-x) } / { e^x - e^(-x) }
≒ { (1+x) + (1-x) } / { (1+x) - (1-x) }
= 1/x
よって、x ≒ +0 のとき、
ln( coth(x) ) ≒ ln( 1/x ) = -ln(x)
lim[a → +0] ∫[a から b まで] ln(x) dx が発散することは、よく知られています。
確認するのなら、y = ln(x) で変数変換して lim[y →] の極限をとるとよいでしょう。
因みに、b → +∞ の側は…
x ≒ +∞ のとき、ε = e^(-2x) ≒ 0 なので、
coth(x) = { 1 + e^(-2x) } / { 1 - e^(-2x) }
= -1 + 2 / (1 - ε)
≒ -1 + 2 (1 + ε)
= 1 + 2ε
また、h ≒ 0 のとき、{ ln(1 + h) - ln(1) } / h ≒ 1 であることから、
ln( coth(x) ) ≒ ln( 1 + 2ε ) ≒ 2ε = 2 e^(-2x)
lim[b → +∞] ∫[a から b まで] e^(-2x) dx は、収束しますね。
「≒」を使って、テキトーな式変形をしましたが、
ランダウの記号を使えば、ほぼこのままの形で、厳密な議論にできます。
No.1
- 回答日時:
cosh(x) = { e^x + e^(-x) } / 2で、0 < e^(-x)なので、
{ e^(x) } / 2 < cosh(x)です。
よって∫log(e^(x) / 2)dx < ∫log(cosh(x))dxとなります。
∫log(e^(x) / 2)dx = +∞を示せば、
∫log(e^(x) / 2)dx < ∫log(cosh(x))dxより
∫log(cosh(x))dx = +∞となりますよね。
早速のご回答ありがとうございます。
しかしながら、おそらくcoshとcothを間違われているのではないかと
思いますが、いかがでしょう。誤った理解をしていたら申し訳有りません。
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