初版第1刷発行と第1刷発行

会社によって表示は違うようです。

初版でも第1刷発行と書いてある本はあります。
なので、初版と表示しない会社ならば1刷が初版にあたると思います。

いわゆる初版本はその作品が本として最初に刊行された時の「第1刷」だと思います。

同じ作品が後日、全集・愛蔵本・新書・文庫などに姿をかえた場合でも「初版第1刷発行」となっている事がありますので、「初版」の有無だけで判断するのは危険です。
今読んでいる新潮社の単行本は「2007年○月○日発行」だけで「版」も「刷」もありません。まだ増刷されない初版だと思うのですが、増刷された時に「2刷」が付くのかもしれません。
初版でも文学賞受賞や映像化などで、帯やカバーをつけかえる事があるので、初版本でも帯・カバーで評価が異なります。
（資格の本などで、版・刷をカバーに印刷して、在庫本のカバーをつけかえて「2006年版」→「2007年版」に替えて再出荷する所もあるそうです。）

昔は版木とか活版とかで印刷していたので、刷りを重ねると磨耗して線が太くなってつぶれて（銅版で100枚位）、磨耗がひどくなると内容が変わらなくても版木を新しく作りなおしていました。同じ「版」でも「刷」で線の太さや陰影が全然違いますし、「版」が違うと今のコピーと違って手で彫っているので全く同じになる筈もありませんので、「版」と「刷」の違いは重要でした。
今は、磨耗に強いオフセット印刷や「版」がデータになっていたりするので、「版」や「刷」の概念に当てはまらなくなっているのかもしれません。

内容をちょっといじった、とか、版下を作り直したとなると

初版→再版→３版（初版→改訂→２訂）
となります。

同じ版なのだけど、単に刷り足した場合は
１刷→２刷→３刷
となります。

ですから
「再版第１刷」なんてのもアリです。

「１刷」としか書かれていないものは、おそらく「初版」が略されているんじゃないかなとは思うのですが…その辺は自信ありません。