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「ドイツはライン川の海運で世界との貿易が出来る」と言うのは事実ですか?
ライン川がなかったら、GNP世界第3位の経済力はあり得なかったと言えるほどなのでしょうか?

A 回答 (2件)

 私も、「地理」あるいは「経済学」のカテゴリーのほうがよいかとは思いますが、ライン川沿いに1年間すんでいた経験もありますので、ちょっと口出しをいたします。



 ライン川とその支流ぞいには、いくつもの工業地帯があり、それらは水の供給と輸送の両面でライン川と深く関わっています。今日のような高付加価値中心の産業構造が確立する以前は、重厚長大型産業も多数川沿いに立地しており、それらは当然かさばるわりには運賃負担力が低いので、河川輸送に強く依存していました。鉄鋼や化学は、機械・自動車と並んで第二次大戦後の西ドイツ経済で戦前にひきつづき重要な役割を果たしていましたから、現在はともかく、これまでの(西)ドイツ経済のかなりの部分をライン川(とその支流)が支えてきたといえるのは確かでしょう。また、高付加価値産業の育成においても、それらに不可欠な水と電力の面で、川は重要です。なぜ電力かというと、火力発電所の燃料や、原発の冷却水がいずれも川から供給されるからです。
 したがって、私は仮定の議論にそれほど価値を見いだしませんが、ライン川の存在意義を強調するレトリックとしてなら、「ライン川がなかったら、GNP世界第3位の経済力はあり得なかった」ということは不可能ではないかもしれません。

 とはいえ、旧西ドイツ側だけをとってみても、ハンブルク、ブレーメン、ハノーファーといった比較的海に近い大都市はライン川流域ではありません。内陸のミュンヘンもまたしかりです(運河を介してミュンヘン-ライン川-北海という輸送ルートはありえます)。これらの都市も(西)ドイツ経済の成長に大きな役割を果たしてきたのは確かですから、ライン川だけが支えてきたわけではありません。従って、「ドイツはライン川の海運で世界との貿易が出来る」というのは、「誤解を招きやすい表現だ」とはいえると思います。水運に限定しても、ライン川以外(たとえばドナウ川、北海、バルト海)で世界と貿易している部分も少なくないのですから。

 以上、参考になれば幸いです。
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 まず最初に申し上げたいことは、このご質問でしたら「学問&教育」の「地理」のカテの方が相応しいのでは.....ということです。

このカテではどうしても旅行者の目で見たかなり感覚的な内容のご回答に終始してしまいそうですから。

 「ドイツはライン川を経た海運で世界との貿易が出来る」と言うのは事実と言ってもいいでしょう。国土の割には海に接する部分の少ないドイツという国にあって、国際河川のライン川が果たす役割はかなり大きいと思われますから。

 ちなみに「ドイツ」で検索してみますと、経済の項にこんなことが書かれています。「ドイツは世界有数の先進工業国であるとともに貿易大国。GDPの規模では米、日に次いで世界第3位であり、欧州内では第1位。国際貿易量は米に次いで世界第2位。主な貿易相手国はフランス(10.3%)、米(8.8%)、英(8.3%)、イタリア(7.1%)。 主要産業:自動車、機械、電子工学、化学、環境技術、精密機械、光学、医療技術、バイオ・遺伝子工学、ナノテクノロジー、航空・宇宙産業、物流 」

 これからの資料から推測できることは、まず最初に、4っの主要貿易相手国だけで貿易量の約35%を占めているということ。さらに17.4%は国境を接し陸路でも可能ということ。そして、主要産業はいずれも荷物としてかさばらない高付加価値品であること。そしてそれらは他国で高い評価を得ていて価格的には売り手市場であるだけに幾分かの競争力ががある....ということ。

 こうして見ると、たしかにライン川の存在は無視できないにしても、アウトバーンや鉄道も高度に発達し、そして国際的なハブ空港を持つドイツにあっては「ライン川がなかったら、GNP世界第3位の経済力はあり得なかった」とまでは言い切れないように思います。
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