親殺傷事件の量刑

Ｎｏ．２です。

＞無期懲役だと12.3年位で出てこれるときいたのですが・・
早ければそのくらいで仮釈放になることもあるでしょうが、１５年から２０年ってところでしょうか。勿論、３０年くらいまで延びるケースもありますし、それまでに老齢のためか獄中で死亡してしまうケースも少なくありません。

無期懲役と一言に言ってもいろいろ種類があり、有期懲役か無期懲役で悩んだ挙句に無期懲役の場合は、早い段階で仮釈放になるケースもありますが、死刑か無期懲役で悩んで無期懲役になった場合は、まず仮釈放は認められず、実質的な終身刑扱いとなるケースが多いでしょう。

無期懲役をくらっても少なくとも十数年は覚悟しないといけない状態で、仮釈放になってもほとんど浦島太郎状態、引き取り手もいない状態で、出所してものたれ死ぬか、強盗でもやらかすのが目に見えている場合などは、受刑者あるいは刑務所のほうで仮釈放をしないようにするということも多々あるみたいです。したがって、無期懲役で十数年で出てくるというのは、ごく少ないケースなのかも知れません。

さらに無期懲役は満期が存在しないため、仮釈放の条件が遵守されない場合はいつでも刑務所に戻されます。そうした意味で、無期懲役の受けた人が本当の意味で自由になることはないのかも知れません。

※これは数年ほど前に元検察官の方から聞いた話なので、ある程度の信憑性があるかと思いますが、出来ましたら専門家の補足・修正を望みます。

過去の判例等から日本の刑事実務には量刑相場なるものが存在して、「この場合にはこのくらいだろう」というのが、裁判官、検察官、弁護士等の暗黙の了解になっています。

したがって、よほどのことがない限り、公判開始時点で出来レースになっていると思ってください。

しかし、殺人はその「よほどのこと」です。殺人の法定刑は最高は死刑、最低で５年、酌量減軽やらなにやらで減軽されれば執行猶予もつきます。人を殺すというのは、最大の人権侵害ゆえに厳罰をもってあたるというのが理想なんでしょうけど、人を殺すというのはいつの世でもやむにやまれぬ事情があったりするものです。

保険金目当てとか、犯罪の口封じとか自分勝手な場合だと、一人殺しても無期懲役や死刑もありえます。逆に、自分あるいは自分の子供などが日々虐待を受けていて、なかば正当防衛的に殺してしまったという場合には執行猶予がつく例もあります。憲法違反で有名になった尊属殺人の事例なんかは典型だと思います。特に、最近は永山基準が崩れつつあるので、従来の量刑相場がかなり変化しているように見受けられます。

したがって、今後の裁判の動向を見守るしかないといったところです。無期懲役とまではいかないでしょうけど、有期懲役上限の２０年（他の罪状等で併合加重されれば３０年）ぎりぎりまでくるのか、４～５年で済むのか、今の段階ではなんともいえません。

　旧友の事ですので、さぞご心配かと思いますが、現在では量刑は判断できません。

　何故なら、量刑の判断はご存知のように裁判官ですが、その裁判官でさえ、今後の審理の中で判断することですから。
　当然審理の中では、旧友の事件当時の心理状態とか、刑事責任能力とか、家庭環境や事件に至る背景等を、検察と弁護士とが事件の真相を求めて論争します。
　それらを公平に判断するのが裁判官であり、量刑に反映させるのも裁判官です。