下の回路に関して質問です。
(1)
______
| |
| |↓I6
| |
| R1
| |
| |←Vd
| |
| |____
| | |↓I5 _____
| LED1 R5 | |
| | | R4 |
V12 | ̄ ̄ ̄ ̄ | |
| |←Va | |
| | Vb Vc | |
|←GN | ←Ib ↓ ↓ | |
| Q1――――――――R2―――――| V5
| | | ←I4 |
| |――R3―― |←GN
| | |
| I1↓| |
| | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
←I2 I3→
(2)
______
| |
| |↓I6
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| R1
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| |←Vd
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| |____
| | |↓I5 _____
| LED1 R5 | |
| | | R4 |
V12 | ̄ ̄ ̄ ̄ | |
| |←Va | |
| | Vb Vc | |
|←GN | ←Ib ↓ ↓ | |
| Q1――――――――R2―――――| V5
| | | ←I4 | |
| |――R3―― | |←GN
| | | |
| I1↓| | |
| | | |
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
←I2 I3→
(1)、(2)の時のVa,Vb,Vc,Vd,Ib,I1,I2,I3,I4,I5,I6の求め方を教えて下さい。
勉強したいので、計算方法も教えてほしいです。
Vは電圧、Iは電流です。電圧は図のGNに対する電圧値で教えて下さい。
どうかよろしくお願いします。
細かい条件は下に書きます。
<条件>
V12:DC12V(電池等の定電圧電源で内部抵抗は0Ωです)
V5:DC5V(電池等の定電圧電源で内部抵抗は0Ωです)
R1:1KΩ
R2:2KΩ
R3:3KΩ
R4:4KΩ
R5:5KΩ
LED1:Vf=2V
Q1:Vce(sat)=0.3V←NPN接合のトランジスタ
Vbe=0.6V
hfe=200倍
コレクタ遮断電流=0A
Vb側がベース、Va側がコレクタです。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
> 勉強したいので、計算方法も教えてほしいです。
この回路の計算は結構大変なので、今回はベース側だけを説明します。
kaniti さんの質問にある2つの回路は、可変抵抗でLEDの明るさを変える回路を、2つの状態に分けて描いたものじゃないでしょうか。そのような回路の場合、下図のように、可変抵抗 R の接点位置を x ( 0≦ x ≦ 1) として、1つの回路で表現できます。
← i6 - i5
i6 ┌─ R5 ─┐ i6
Vc Vb Va ← │ │ Vd ←
┌─ (1-x)*R ─┬─── R2 ───┬───┐ ┌────┴─ LED -┴── R1 ─┐
│ i4 → │ i4 - i3 → │ ib→ │ │ ← i5 │
│ │ │ ▼ ↓hfe*ib │
V5 i3↓ x*R i4 - i3 - ib↓ R3 │ │ V12
│ │ │ └───┤ │
│ │ │ │↓i1 = ( hfe + 1 )*ib │
└──────┴────────┴───────┴──────────────-┘
一般に回路図は、信号が左から右に流れるように、つまり入力側が左側に、出力側が右側になるように描きます。回路網の計算には「キルヒホッフの法則」というのを使います。この法則は第一法則と第二法則があって
(第一法則) 節点に流れる電流(流れ込む電流を正、流れ出す電流を負)の和はゼロ
(第二法則) 閉回路に沿った起電力の総和と電圧降下の総和は等しい
というものです。節点とは配線が合流・分岐している点です(回路図の┴、┴、┤の部分)。
キルヒホッフの第一法則は、節点に流れ込む電流を足し合わせたものと、節点から流れ出る電流を足し合わせたものは等しい(電流は節点の前後で増えたり減ったりしない)ということです。上の回路図に描かれている電流値は、この法則が成り立つようにしてあります。例えば、可変抵抗の一方の抵抗 (1-x)*R に流れる電流を i4、可変抵抗のもう一方の抵抗 x*R に流れる電流を i3 としたとき、可変抵抗の可動接点に相当する節点 Vc を考えれば、ここに流れ込む電流は i4、ここから流れ出す電流は i3 と i4 - i3 です。流れ出す電流を足し合わせると、i3 + i4 - i3 = i4 ですので、キルヒホッフの第一法則が成り立っています。他の節点もこの法則を考慮して電流値が書かれています。kaniti さんの回路図にはグランドラインに流れる電流値(i2. i3)が書かれていますが、これは普通考えません(グランドラインのインピーダンスを考えるときは考慮しますが)。上の回路で x*R に流れる電流を i3 とします。
トランジスタのベースのところに描かれている ▼ はダイオードです(トランジスタのベース-エミッタ間はダイオードです)。このダイオードに流れる電流がベース電流 ib になります。コレクタには、このベース電流を hfe 倍した電流が流れます。エミッタに流れる電流 i1 は、ベース電流とコレクタ電流を足し合わせたものなので、i1 = ( hfe + 1 )*ib になります。一方、コレクタ電流 hfe*ib と抵抗 R1 に流れる電流 I6 は同じ( i6 = hfe*ib ) です。
【ベース側の電流・電圧の計算】
この回路はベース側とコレクタ側が分かれている(コレクタ側の状態がベース側に影響しない)ので、最初にベース側の計算をします。
まず、キルヒホッフの第二法則をベース側の回路に当てはめます。例えば上の回路の(1-x)*R → x*R という経路に沿った電圧降下は、左側の電圧(V5)に等しいということです。抵抗の電圧降下は、抵抗*電流 ですから、これを式で書くと
V5 = (1-x)*R*i4 + x*R*i3 --- (1)
となります。同じように、R3の右側の閉回路で、Vc のところを、電圧 Vc の電圧源と考えれば
Vc = R2*( i4 - i3 ) + R3*( i4 - i3 - ib )
となります。この式を i3 と i4 でまとめれば
Vc = ( R2 + R3 )*i4 - ( R2 + R3 )*i3 - R3*ib --- (2)
という関係になります。
さてここで、節点 Vb の右側の部分ですが、ここは抵抗でなくダイオードになっています。ダイオードは抵抗と違って、電圧と電流が比例関係になく、ダイオードに流れる電流 ib と電圧 Vb の関係は
ib = a*{ exp( b*Vb ) - 1 }
という関係式で表わされます(a と b は定数)。しかし実際には、ib が変化しても Vb はあまり変わらないので、 ▼ を電圧源とみなして、Vb を一定電圧(0.6~0.7V) として計算します。
次に、Vc と Vb に関する式を立てます。Vc は、V5 から (1-x)*R の電圧降下分を差し引いた電圧なので
Vc = V5 - (1-x)*R*i4 --- (3)
で表わされます。一方、Vb は、Vc から R2の電圧降下を差し引いたものなので
Vb = Vc - R2*( i4 - i3 ) --- (4)
となります。
このようにして求めた式(1)-(4) から ib や Vc、i3、i4 が計算できます。計算過程は省略しますが
ib = [ x*R3*V5 - { R2 + R3 + x*( 1 - x )*R }*V2 ]/[ R3*{ R2 + x*( 1 - x )*R } ] --- (5)
Vc = x*{ ( 1 - x )*R*Vb + R1*V5 }/{ R2 + x*( 1 - x )*R }
i3 = { ( 1 - x)*R3*V2 + R2*V5 }/[ R*{ R2 + x*( 1 - x )*R } ]
i4 = { x*R2*V2 - ( x*R + R2 )*V5 }/[ R*{ R2 + x*( 1 - x )*R } ]
となります(電圧の単位は V、電流は A、抵抗の単位はΩを使います)。R2 = 2kΩ、R3 = 3kΩ、R4 = R = 4kΩ、Vb(Vbe) = 0.6V とした場合、ベース電流 ib は、可変抵抗の位置によって以下のように変わります。
x ib [mA]
0 -0.5
0.27 0
0.3 0.117
0.4 0.273
0.5 0.433
0.6 0.611
0.7 0.821
0.8 1.088
0.9 1.453
1.0 2.000
x < 0.27 で ib < 0 となるのは、Vbを一定値 (0.6V) としたことによる計算誤差で、実際にはベース電流が負になることはなく、x = 0.27 で ib = 0 となり、x をそれより小さくしても ib = 0 のままです(正確にはわずかなコレクタ遮断電流が流れるので ib < 0 となりますが)。このように、可変抵抗を回すと( x を増やすと)ベース電流が増加し、最大 2mA となることが分かります。トランジスタの電流増幅率( hfe )を 200 とすれば、この回路の場合、コレクタ電流は最大 400mA 程度になってしまいます。小信号用のトランジスタ(2SC1815など)の最大コレクタ電流は 150mA なので、これは流しすぎです(LEDにも相当電流が流れます)。ベース電流の最大値をこの1/10の 0.2mA に抑えるには、例えば R2 = 10 kΩに変更します。そうするとベース電流の最大値( x = 1 のとき)は 0.24 mA になります。他の抵抗を変えてもそのようにできますが、実際に式(5)でいろいろ計算してみてください。なお、今の計算では Vb = 0.6V としましたが、実際には ib によって V2 の値が少し変わります。資料 [1] の2SC1815のデータシートの「Ib-Vbe」のグラフを見れば、ib = 0.1mA(100μA)のとき、Vb = 0.68V程度ということが分かります。この値を使っても、この回路の場合、 ib の計算結果はあまり変わりませんが、抵抗値によってはかなり変わることがあるので、なるべく Vb の変化に対して変わらないような抵抗値を選ぶようにしてください。Vbは温度によって変わるので、Vbの変化に鈍感な回路にするのが良い設計と言えます。なお、市販の一般的な抵抗には R2 = 2kΩ、R3 = 3kΩ といったキリのいい抵抗値はないので、E6系列なら R2 = 2.2kΩ、R3 = 3.3kΩ になるかと思います。
今回はベース側の回路のみの説明でしたが、のちほどコレクタ側の説明もします。できればLEDとトランジスタの型番を教えてもらいないでしょうか( LED の Vf が 2V なので赤色LEDだと思いますが)。
[1] 2SC1815データシート(2ページ目の「IB-VBE」のグラフ) http://www.semicon.toshiba.co.jp/docs/datasheet/ …
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