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近年歴史小説のブームもあるのかと思いますが、以前は全くちがったジャンルで活躍されていたのに、歴史小説を書くようになる作家の方が多数いらっしゃいます。
北方謙三、逢坂剛、佐伯泰英、宮部みゆき、服部真澄、川田 弥一郎、内田康雄、平岩弓枝(彼女は昔から書いてはいたけど)などなど、

この中には特異な分野をもっていて、それが好きだったのに時代劇小説に転向されて残念な方もいます。
松本清張さんも推理小説と共に時代小説を多数書いていましたが、それにしてもここ近年時代小説に挑戦する人気作家の多さは驚きます

そこで質問なのですが
1.何故最近、多くの作家が時代劇小説を書くようになったのでしょうか?
2.時代劇小説は時代考証や風俗、歴史考証が大変なのに、そんなに簡単に書けるものなのでしょうか?
3.様々な分野の小説を書く作家で、藤沢周平、司馬遼太郎、山本周五郎なみの評価を後世得れるとしたら誰でしょうか?

A 回答 (2件)

1.何故最近、多くの作家が時代劇小説を書くようになったのでしょうか?


1)歴史・時代小説は読者層が最も大きなジャンルで商業性が高く編集者も狙っている。
2)最近、メディア・ミックス(TV・映画・漫画・アニメ・TVゲーム)によって、ファミリー小説やスーパーチャンバラものなど、なにもその時代考証などの専門性や素養が問われない、急速に新しい歴史小説(もどき)に対する若い世代層の浸透と拡大が著しくなった。
3)有力作家の物故が相次ぎ、大きな穴があいている。
 吉村昭、村上元三、久世光彦、杉浦日向子、佐竹申伍、南条範夫、白石一郎、新宮正春、水上勉、戸川幸夫、都筑道夫、戸部新十郎、谷恒生、黒岩重吾、笹沢佐保、山田風太郎などなど。

2.時代劇小説は時代考証や風俗、歴史考証が大変なのに、そんなに簡単に書けるものなのでしょうか?
 長谷川伸が肝煎りの時代小説の勉強会「新鷹会」の及ぼした影響力には甚大なものがあったのでしょう。http://www.geocities.jp/shinyoukai2000/sakkatach …
しかし、今や1.の2)で触れたように、TVアニメや漫画、それにゲーム機の産んだネオ時代劇や、時代劇風ファミリー劇や昼メロ調の江戸世相小説などとして、いわゆる高齢化しつつある時代小説ファンとは別の若い世代の関心が高まっているのではないでしょうか。
 明治も中期以降になって政策的に使われだした「お父さん」が文中から飛び出てくるなど、およそ時代考証のレベル以前で、そもそも日本語の時代性が無批判にチャンポンにされた「江戸期恋愛小説」に驚かされたものでした。

3.様々な分野の小説を書く作家で、藤沢周平、司馬遼太郎、山本周五郎なみの評価を後世得れるとしたら誰でしょうか?
 時代歴史作家として思いをめぐらしてみて、今後絶対出てこないと断定できるとしたら、少なくとも森鴎外、幸田露伴、中里介山、白井喬二、国枝史郎、長谷川伸、井伏鱒二、井上靖、子母沢寛、五味康祐、山田風太郎あたりが浮かんできます。
 現役で気に掛かるとしたら、佐江衆一、北方謙三、東郷隆、酒見賢一、杉本章子、森雅裕、和巻耿介、牧秀彦、逢坂剛、花村満月あたりでしょうか。
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この回答へのお礼

ご自身の視点や考察を加え回答いただきありがとうございます。
お蔭様で、現在の文壇や作家のおかれている状況、最近の時代小説ブームの要因なども知る事ができました。

ご推薦頂いた作家の方の小説も読んでみたいと思います。

お礼日時:2007/03/19 10:10

幾つか疑問があるので、それを先に述べます。


まず、質問者さんは、近年、とか、最近、などとおっしゃっていますが、それは、ここ、二、三年の話なんでしょうか。それとも十年位のスパンで見ての話ですか。北方謙三などは十年以上前から時代物は書いていますし、宮部みゆきも、ここ、二、三年で時代物を書き始めた訳ではないです。
私の目から見て、他ジャンルから時代小説へ参入する作家が多数いるようには感じません。むしろ、圧倒的多数の作家が時代物を書いていないんじゃないでしょうか。

さて、以上のことを踏まえて質問者さんの質問に私の「推測」を回答として書きます。
質問1 ただ単に時代物が好きだから、書きたかったから、という人。あるいは今までのジャンルでは書けなくなって来た。つまり、才能の枯渇という人。あるいは今までのジャンルでは食えなくなってきた。つまり、経済的事情の人。もう一つは担当編集者に、その素質あり、と見抜かれて書くように唆された人。
質問2 相当、大変だと思います。少なくとも「簡単に」書けるようなものではないでしょう。しかし、ここにも編集者という影の存在がいます。彼らは複数の作家を担当するなかで培ってきた、時代物の書き方、というものを持っているはずです。作家個人で出来ることなど高が知れています(かなりの努力をしているでしょうが)。映画に例えれば、編集者はプロデューサー、監督は作家です。プロデューサーは作家のためにありとあらゆる努力をし、持てる力を注ぎ込みます。これは大手出版社ほど、歴史、経験、ノウハウ、など多くの有形無形の力を持っているでしょう。作家の背後には、たくさんのバックアッパーが控えていると思われます。
質問3 いないでしょう。そもそも、当代を代表する時代物作家、というのが存在しません。いますか?それに国民的時代物作家というものが必要とされる時代ではない、と思います。 

以上です。私はただの本好き、読書好きなので今まで述べた事はあくまで「推測」です。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。とても参考になりました。

特異の分野をもっていた作家、たとえば国際犯罪を書いていた服部真澄さん、医学ミステリーの川田さん、スペインものの佐伯さん、など近年は時代物に走ってしまうケースが多くて、ここ何年かはその特異分野での新作が出てなくて残念に思っています。

時代小説が人気を博しているこのご時世、人気作家の方たちにも「時代物をかけなきゃ作家じゃない」というような風潮があるのと、出版社の意向なのかもしれません。
作家の方も大変ですね。

お礼日時:2007/03/17 22:00

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