修論等の論文の公表について教えてください。
(1)修論などを、学会誌などに載せれるようにするには、優秀な論文である以外に、どういったことが必要なのでしょうか?(例えば、英文で書いたほうが良いとか、学会誌ならその所属する学会に入っていなければならないなど)
(2)学会誌以外に論文を世に出す(オーバーですが)方法は、ないのでしょうか?
先生が「修論なんてどうせ書いても余程優秀な論文でなければ、寒い書庫の片隅にほりっ放しにされるだけのこと。」と言うので、寂しく感じました。それが当前のことなのでしょうが・・・
No.2ベストアンサー
- 回答日時:
研究成果の公表は、内容次第です。
まず、自分の能力を高めること。具体的には、多くの論文を読めば、『これは良い論文』というのが分かってきます。分かってくれば、掲載の審査にバスするかどうかが判断できます。
そして、論文を読んだ後、「ここに問題点がある」と指摘でき、「私なら、このように改良する」と主張できるようになること。ここまでいけば、論文がパスするかどうか判断できます。
論文関係の雑誌(学会誌と商業誌)、すなわち学術誌のレベルは様々です。学術誌にもランクがあるので、これも論文をたくさん読むと、分かってきます。レベルの高い学会にパスしなければ、レベルを下げるのは、普通にやっていることです。
文系なら、最後はその大学の紀要というのに載せます。紀要は、学術誌として扱いますが、あまり高くは評価されません。
(2)学会誌以外に論文を世に出す(オーバーですが)方法は、ないのでしょうか?
さて、修士論文ですが、学術誌にパスするかどうかは、理系では半々くらいという印象があります。
修士の論文については、指導教員との共著ですので、院生が独自で発表すると、著作権問題が浮上します。全てをやった、と主張しても、指導教員の指導無くしては、論文にならないからです(そうでなければ、院に進学する必要は無い)。
指導教員が『パスする』と判断すれば、学会誌などに投稿すると想います。
修士論文は無理ですが(著作権)、HPに載せるというのは、公表の一つの方法でしょう。
研究者が、何故しないかと言うと、HPでの発表は、研究成果・研究業績として認められません。研究成果を論文にするのは、論文は研究業績として、教員採用の審査の対象になります。「全く同じことをHP書いてある」と主張しても、いつでも書き換えられるので、無効というのが現状です。 HPに書いてしまうと、公表済みということで、少し矛盾していますが、審査の対象外になります。そこで、論文として発表してから、HPに載せるという順番になります。別に研究業績にしなくて良く、著作権の問題をクリアできるのなら、HPもありでしょう。
>寒い書庫の片隅にほりっ放しにされるだけのこと
学会の雑誌に掲載されても、大して・・・。理系では、インパクトファクターというのがあって、引用回数を示しています。引用されるからには、読まれているはずですが。
また、論文には別刷り請求、というのもあります。これは英語で書いた論文より、日本語で書いた方が多い場合もあります。英語の雑誌は、図書館で読めるが、日本語のものは無いからでしょう。
DNAのことも、ブラックホールも、知らなくても日本人は長生きできます。研究は、その分野の興味のある人だけの世界でしょう。それでも、研究するのは何故、と考えて研究室にいるのですが・・・。
とても丁寧で親切に教えてくださりありがとうございます。
(1)多くの論文を読みないさいと、指導教官も同じことを言ってました。それは何故かということが、回答者様が全ておっしゃってくださったように思います。論文を書くにあたっての進め方や要領をわかりやすく説明してくださり感謝します。
学術誌にもランクというものがあるのですね。恥ずかしながらそういったことも、初めて知った次第です。文系なので、紀要について教えて頂いて良かったです。
(2)修士の論文は、指導教員との共著なので、独自で発表すると、著作権問題も出てくるとは、全くと言って無知でした・・・。
指導員がパスすると思ってくれたとしても、私の指導員は来年春からまた本職(始めから大学在職期間が数年と決まっている教授)の仕事に戻る為、望めそうにもありません。本当に残念です。
HPに掲載するのに、そういったことが背景にあるのですね。勉強になります。
今更ながらも、論文を書くことと、公表の方法について、私の考えはとても浅はかだとうことを痛感しました。
文章からするとインパクトファクターというのは、どこの大学にもあるのでしょうね。論文が理系のほうにもとても関係するので、これから何度も見る機会があると思います。その時に、インパクトファクターというのが、どういうのか見てみたいと思います。
印刷刷り請求というのは、日本語のほうが多いのですね。何でもかんでも英語で書いてあるほうが良いと思い込んでいるところが、間違いでした。
最後に
>DNAのことも、ブラックホールも、知らなくても日本人は長生きできます。研究は、その分野の興味のある人だけの世界でしょう。それでも、研究するのは何故、と考えて研究室にいるのですが・・・。
私は何故、大学院に入学したのか、最初の頃の新鮮な気持ちをすっかり忘れてしまっていたようです。とても素敵なメッセージをありがとうございます。
こんなにも一つひとつ詳しく丁寧に、そして他にもとても参考になるお話を聞かせてくださるなんて、思ってもいなかったので、とても嬉しかったです。
何もわからず、ただうろたえこれから論文を書こうとしている私にって、とても前向きになれ、威力もでました。
論文につまずきそうになった時には、またこちらを振り返り拝見したいと思います。
ありがとうございました。
No.10
- 回答日時:
ほとんど関係のない話ですが、No. 9 の方の回答を読んで思い出しました。
佐野真著「和田の130キロ台はなぜ打ちにくいか」(講談社現代新書 )
という本がありますが、これにプロ野球ホークス球団在籍の和田毅の早稲田大学卒業論文が全文掲載されています。ただし、卒論を出版するのが目的ではなく、和田の投球を分析しただけではページ数が不足するので、ページ数稼ぎのために掲載したのかも知れません。
大学で卒論の指導をするとき、「和田の論文を超えるレベルでないと受け付けないからな」と脅すには持ってこいです。
山本コータローもそうですが、(卒業論文・修士論文の)執筆者にネームバリューがないと出版社が出版することは考えられません。赤字覚悟なら自費出版は可能です。
本を出版する時、ページ数で金額が変わってくるというのは、聞いたことがあります。しかし、文字数や文字の大きさによっては、ページ数を増減しますよね。
Ano.9様もおっしゃっていた山本コータローの「 誰も知らなかった吉田拓郎 」についてですが、卒論で書いたということに対して、論文は硬いものとばかり思っていたので、とても驚きです。
(私が論文を読んでいる数が少ないせいもありますが・・・)
話が脱線してしまうのですが、高校の時、塾で院生に作文の書き方を教えてもらっていたことがあります。その院生に専門は何かと聞いてみたところ、ある女の子のアイドルグループの研究をしていると言ってました。色んな研究があるのだなと驚いたことを覚えています。
出版するのは、難しいというよりお金が掛かりそうですね。
ありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
出版関係者です。
> 学会誌以外に論文を世に出す方法
いちばん簡単なのは、自分のホームページに載せることです。
これで万人に読んでもらえることになります。
もし印刷物になることをご希望なら、エンターテイメント性を
考えて書いてください。私の知る限り、学生の書いた論文で出版
されたのは、山本コータローが一橋の卒論で書いた吉田拓郎論を
ベースにした「 誰も知らなかった吉田拓郎 」だけですね。
論文に限らず、作品が世に出るには、いくばくかのコストがか
かります。そのコストをなんらかの方法で回収できなければなり
ません。学会誌は出し続けることが学会のレゾンデートルなので、
コストが回収できているという考え方になります。いっぽうで商
業出版物は売れないとお話にならないので、ハードルは何万倍も
高いと覚悟してください。
もしホームページの掲載をするのなら、先の回答者様も教えてくださったのですが、やはり論文誌に掲載した後からのほうが良いように思いました。
>学生の書いた論文で出版されたのは、山本コータローが一橋の卒論で書いた吉田拓郎論をベースにした「 誰も知らなかった吉田拓郎 」だけですね。
「だけ」なら、ほとんど掲載できないのでは^^;
自費出版となるとやはりお金が掛かるようですね。
無名の者の出版物は、大抵売れないことのほうが多いでしょうしね。
アドバイスありがとうございました!
No.8
- 回答日時:
ANo.7で 学会誌に論文がのらなければ、修士課程は修了できないとかいておられますが、それは事実誤認です。
かならず論文を掲載させるという指導方針の大学院は日本のどこかに存在するかも知れませんが。。だいたい論文誌に投稿して掲載が決定するまでに半年~1年かかりますので、2年間しかない修士で論文採録を義務ずけられたらやってられません。研究会とか全国大会でかならず1回は発表させるという風習を持った大学院は珍しくないですね。
あと、理系と文系でも風習が違います。
理系では、学会の査読つき論文誌(学会誌ではありません)に何本か論文が採録されたら、それをまとめて博士論文を書くのが普通です(制度的には、一切論文を論文誌に投稿せずに博士論文をいきなり書いても良い)。
文系では、まず博士論文を書いてそれをあとで自費出版などで公表することが多いようです。
博士号を授与されたら「1年居ないに博士論文を公表しないと授与を取り消しますよ」、ってな文書が渡されます。理系の場合はすでに論文誌に掲載済みですので何もしなくて良いのですが、文系のひとは1年以内に自費出版を含めて何らかの手段で公表しないといけません。これは博士号の話。
論文誌に掲載するまでではなく、決定するまでが、少なくても半年はかかるということですね?!これだけの期間を要するには、掲載する側が掲載しても大丈夫なのか綿密な調査が必要だからなのでしょうかね(しかし、現在問題になっている、ある大学の院生の捏造は、学会の英文誌に既に掲載されてしまった後ということなので、あまり関係ないのかもしれませんが・・・)。
理系と文系には、それ程にも論文に違いがあるのですね。
私は文系ですが、M2になると修論の関係で、理系でも指導を受けることになっているので、勉強になります。(理系は未知の世界なので、まだ4月まで時間はあるのですが、今から不安で怖くてドキドキしています。)
博士課程についても親切に教えてくださり、ありがとうございます。
私には、博士課程が遠いところにありますが、とても気になっていました。
詳しく説明してくださったおかげで、参考になり、また特に論文の掲載の流れがよくわかりました。ありがとうございました。
No.7
- 回答日時:
学会誌に論文がのらなければ、修士課程は修了できないと思います、
ちょっと学会誌というのが今ひとつわからなくなってきたのですが
例えば、どこの学会にも所属していない院生がたまに居ますが、その人たちは、学会に入っていなくても、指導教官の所属する学会に掲載されるのでしょうかね。
ちょっとよくわかりませんが、回答ありがとうございました。
No.6
- 回答日時:
文系と理系でまったく違うのでしょうね。
私は理系ですが、卒論(修論ではない)を少し書き直して国際誌に投稿する予定です。これは私がすごく優秀だからというわけではなく、よくあることです。
文系の場合、なかなか国際誌というのもない場合もありますし、分野によってはすばらしい論文でも大学の論文集にしか載らないという場合もあるようですね。分野によってまったく違うと思います。
よくある事といっても、やはり投稿すること自体、すごいな~と思います。私が学部の頃は、恥ずかしながら、とにかく卒論を書き上げることしか頭になかったですから・・・。
国際誌や分野別によって違うなど、参考になる情報を頂いて助かります。
ありがとうございました。
No.5
- 回答日時:
分野ごとに異なるのかもしれませんが、なんか、逆のような気がします。
私の場合(あるいは私の周りの場合)、修士論文は、研究会の発表資料や論文誌等に掲載された論文を、一つに纏めたモノという位置づけでしたけど。。。。『世に出す』というのはオオゲサですが、修士の二年間の間に発表したモノを一つの論文に纏めなおしたのが修士論文でした。
(理系ではそれが普通だと思いますよ)
もちろん、修士論文自体は寒い書庫の片隅に置いてあるだけだと思います。ちなみに博士論文も同じ境遇にあるかと・・・。
そういう風なこともあるのですか!
私が文系だからなのか、それとも私がただ無知なだけなのかわかりませんが、初めて聞きました。
博士論文でもそうなら、やはり先生はオーバーに言っている訳ではないようですね。
また違った角度から回答して頂き、ありがとうございました。
No.4
- 回答日時:
論文誌でなければ、自費出版でしょう。
出版社によっては実質自費出版でもISBNをつけてその会社の普通の出版物として発行してくれるところがあります。
それと、内容にかかわらず、国会図書館は収蔵してくれますよ。それが使命なので。
こういうと失礼ですが、指導教員が論文誌に投稿することを推奨していないのなら、わざわざ世に出すほどのことは価値はない修論なんでしょう。
自費出版に関しては、ANo.1様のお礼に書き込みした通りです。
内容によらず、国会図書館が収蔵するなんて、驚きですね。
溜まるいっぽうなので、いつかは廃棄されるのでしょうけど。
回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
> (1)修論などを、学会誌などに載せれるようにするには、優秀な論文である以外に、どういったことが必要なのでしょうか?
内容が優れている他「載せれる」などの誤った日本語を使わないことです。
学会論文誌に掲載されるためには、著者の少なくとも一人が学会に加入していないといけません。本人が未加入でも指導教員と連名にして、教員が学会に加入していればOKです。
> (2)学会誌以外に論文を世に出す(オーバーですが)方法
自費出版があります。自費出版して、大学図書館などに寄贈すれば、中には所蔵してくれるところがあるかも知れません。ただ、どこの図書館も狭隘ですから寄贈しても棄てられるかも知れません。学会論文誌ではなく、研究会に毎回出しまくって顰蹙を買っていた人が昔いて、論文誌に採録されることはほとんどなかったのですが、所論を自費出版して、その信念には感心(寒心?)したものです。
(1)>内容が優れている他「載せれる」などの誤った日本語を使わないことです。
「内容が優れている」とは、何のことでしょうか。私が「優秀な論文」と書いたことに対してでしょうか?
「載せれる」が誤った日本語なんですね。わざわざ質問に関係ないことまで注意をしてくださり、ありがとうございました。自分の為にも以後気をつけたいと思います。
(2)自費出版は聞いたことがありますが、考えれないです。
自費出版をする人が居るものなんですね。
とても参考になりました。ありがとうございました。
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