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ブロークバック・マウンテンの終盤でデルマーがジャックの死亡を知りジャックの奥さんに電話するシーンで疑問があるのですが、奥さんが死因を話しているときにジャックが殺される絵が流れますよね、これは何を意味しているのか混乱しています。奥さんがデルマーに対して嘘をついているのか?それともデルマーがジャックの襲われる要因を知っていたのか?それとも・・・・・

ご覧になった方の意見をお聞かせください。

A 回答 (3件)

あのシーンは一瞬なのに衝撃的でしたね・・・。


私は映画を観た後に、翻訳された原作も読みましたが、あのシーンはイニスの過去から想像された場面だったのだと思います。

映画では描かれていませんが、イニスは子供の頃に同性愛者がリンチの末に殺害された現場を父親に見せられています。その殺害方法がタイヤ・アイアン(タイヤを車輪から外すのに使う鉄製で尖った道具)で殴るというものでした。しかも父親が殺害に関わったらしく、この事件がトラウマになってジャックとの共同生活にずっと踏み切れずにいたようです。
そして、ジャックの妻・ラリーンから聞いた彼の最期が「タイヤが破裂して、ホイルに留めてある金属製の円盤が飛び出して、ジャックの顔に直撃した」というものでした。ジャック自身が、同性愛者だと周囲に知れたら生きては行けないと感じていたことや、『タイヤ』という言葉から、昔見た殺害現場とリンクして、あのシーンになったのではないでしょうか?映画とは逆に、原作にはないシーンとなっています。

ラリーンがイニスとジャックの関係を知っていたかは不明ですが、ジャック夫妻の関係は既に冷え切っていたようですし、夫の死から随分時間が経っていたことや経営する会社の運営で多忙だったこと等から、イニスが電話をした時に素っ気ない対応だったのではないかと思います。嘘をつくと言うよりは、「正直、もうどうでもいい」という雰囲気を感じました。

原作は集英社文庫から出ています。ほんの82ページ程の本ですが、訳者のあとがきと併せて、この映画をより理解するのに役立つかと思います。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

素晴らしい解釈ですね。

このシーンは見る人によって意見が分かれますね。
それだけ精巧に考えられた質の高い映画ってことでしょうか。

アン・リー監督に拍手ってところですね!!

お礼日時:2006/09/26 06:56

>奥さんがデルマーに対して嘘をついているのか?


>それともデルマーがジャックの襲われる要因を知って
>いたのか?

私は両方だと思いました。
奥さんが話した死の原因があまりにありえないものだったこと(確か車のタイヤが
どうのこうの)、話している様子もちょっと面倒くさそうだったこと、ジャックが
奥さんの父親と対立していたこと、などなどから、刺客を送り込まれたのかも、と
思っています。
ただ、最後にこの奥さんも一筋の涙を流しているのがちょっと人間味を感じるところ
ではあります。

また、イニスは少年時代、自分の町でゲイの男性がリンチ殺人にあい、死亡した
姿を見ていますから、同じようなシーンを想像したのでしょう。
ただ、それは想像に過ぎず、事故死であった方が彼としても報われるという気持ちもあり、
特に追及せずにそのまま電話を切ったのかもしれません。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

>奥さんが話した死の原因があまりにありえないものだったこと(確か車のタイヤがどうのこうの)

確かに奥さんは嘘っぽい死因を語っていますね。
そうなるとイニスに対して傷を付かせない為に嘘の死因を話したとしたら、イニスとジャックの仲を肯定する事になりますね。ジャックの奥さんはジャックの人格を認めているんですね。

お礼日時:2006/09/24 07:10

こんばんは。



本編中ではご質問の決定打となる情報が提供されていませんので、あくまでも推測の範囲内でのお答えとなります事、ご了承頂けましたらと思います。

奥さんはどうやらジャックに男色癖があった事実を知っていたように感じます。というのも、ジャックは数人の男性にリンチに合い殺害されている訳ですから、ジャックが男色相手を物色している最中に殺害された(もしくは男色癖が原因で殺害)と考えるのが自然な流れでしょう。これは、アン・リー監督の卓越した演出の一つで、イニスの父親が同性愛者を殺害した事実と比較する方法をなしています。

そして、ジャックの妻を演じたアン・ハサウェイの演技を見て判断するのですが、奥さんはイニスとジャックの男色関係を知っていたでしょう。もしくは知らずとも、ジャックの友人という人物から連絡があった事で、とっさに男色関係のあった人物からの電話だと悟ったかもしれません。奥さんは相当なプライドの高い人物でしょうから、電話の最中に溜めた涙は、ジャックを思い出しての涙以上に、男性に負けた悔しさの涙と考えます。

更に、奥さんがイニスからジャックの死因を聞かれ、ちょっとですが、返答を考えている様子がスクリーンに映されていました。そして、奥さんが死因を語り終えた後、すかさず、断片的なジャック殺害のシーンが挿入されます。これは奥さんがジャックの死因を作り上げ、「嘘」をイニスに教えた事を暗示しています。きっと、奥さんの気持ちをよくよく考えると、自分を騙していたジャックと男色関係にあったイニスを許せるはずはありません。故に、嘘を教えたのでしょう。

また、イニスがジャックの死亡の事実を知らなかったのですから、どうもジャックの教われる要因を知っていたと考えると不自然ですし、映画の演出として、知っているとちょっとつまらなくなるように個人的には思います。事故死でしたら、ジャックの思い出をその後も純に保てると思いますが、殺害されたと知ってしまった場合、ジャックの思い出よりも加害者への念が強くなり、本作のテーマ・本質が薄れてしまう気がします。

長くなりまして申し訳ありません。
ご参考程度にお願いします。
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この回答へのお礼

回答ありがとうございます。

やっぱりこの場面の解釈は難しいですね。

>奥さんがイニスからジャックの死因を聞かれ、ちょっとですが、返答を考えている様子がスクリーンに映されていました。そして、奥さんが死因を語り終えた後、すかさず、断片的なジャック殺害のシーンが挿入されます。これは奥さんがジャックの死因を作り上げ、「嘘」をイニスに教えた事を暗示しています。

しかし断片的なジャック殺害のシーンが終わったときにイニスの考え込む絵に戻るから、殺害のシーンの絵はイニスが勝手に描いたようにも捉える事もできませんか?
イニスは子供の頃に同性愛者を殺害後を見ているので。

お礼日時:2006/09/24 06:49

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