訪問心理療法士について

臨床心理士です．

心理関係の資格は，国家資格がないこともあって，乱立状態です．
資格をお取りになるのであれば，なるべく準公的なもの（臨床心理士，産業カウンセラーなど）や，専門学会が認定しているもの（学校心理士，臨床発達心理士など）をお勧めします．

というのも，上記以外の資格を取られたとしても，それで仕事があるという状況ではありません．
臨床心理士でもパート勤務をしている方が結構たくさんあります．

訪問心理療法士の講座について，ネットで確認しましたが，Web上での学習と課題提出に限られているようで，実習やロールプレイは取り入れられていないようです．
カウンセリングや心理療法は，いずれにしても，クライエントに対して直接援助を行う仕事ですので，おそらく資格を取られたとしても，すぐに面接ができるというのは，難しいでしょう．
いわば，「畳の上の水練」に近い講座のように思います．

冷静になって，よくお考えになることをお勧めします．

　私は臨床心理士として、今まで病院、中学校、小学校、適応指導教室などで働いてきましたが、「訪問心理療法士」という資格は聞いたことがありません。

　現在、「カウンセラー」は、自分が名乗ってしまえば、カウンセラーになってしまいます。
　でも、文面を拝見すると、親切で真摯なカウンセラーになりたいとお考えなのでしょうから、ぜひ、メジャーな資格を取ってよい仕事をしていただきたいと思います。
　私の知る範囲では、臨床心理士が一番認知度が高く、質のよい資格であると思います。それは、資格試験を受験する要件として、大学院の養成コース（修士課程）を終了することを挙げているからです。大学から数えれば６年間の修行期間になりますが、人の心を扱うのですから、やはりそのくらいの勉強は必要だと思います。
　「訪問心理士」については何一つ知らずに申し訳ないのですが、毎年千人を超える人が臨床心理士の資格をとる中、「訪問心理士」で生き残るのはきついのではないでしょうか。臨床心理士なら、仕組みがしっかりしているので、研修会なども全国区でたくさんあります。