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近頃、ニュースで水俣病発生から50年たったということが話題になっていますが、水俣病発生から50年たってもニュースになっているのはどういう問題があるからですか?又、その問題が起こる原因はなんですか?

A 回答 (2件)

水俣病の歴史は極めて複雑怪奇です。


それは、当時の「高度経済成長」の中で、日本の企業のあり方や政府の政策が全て産業優先に行われていた事にあります。

(1)チッソ株式会社(旧社名:新日本窒素株式会社)は、一貫して「安全対策」には見向きもして来ませんでした。労働災害も数多く、一方で労働の対価を如何に安くするか、新日窒労働組合(第一組合)と対立して来た歴史があります。「安定賃金闘争」を契機に、“第二組合”として会社側の肝いりで、「チッソ労働組合」が作られたのを見てもその体質、安全思想の欠如が伺われます。社員の中に“大学出”と“現地採用組=ボーイさん”の差別の助長なども忘れてはいけない事柄です。

(2)水俣病の原因物質は有機水銀(メチル水銀)です。プラスチックの可塑剤として用いる「アセトアルデヒド」生産時に触媒として使われました。
熊本大学医学部の医師たちの研究によって特定されますが、会社は一切研究に協力しないばかりか、通産省、化学工業会などと結託して“御用学者”を動員、噴飯物の諸説を披瀝するなど妨害を行っています。

(3)行政の無責任さも酷いものでした。前述通産省の態度もそうなら、厚生省、熊本県、水俣市など発見初期段階での対応もさることながら、現在に至るも被害の実態が不知火海(八代海)レベルで把握出来ていない事からも分かります。

(4)発生当時、原因不明なため「奇病」と呼ばれ、また伝染性疾患が疑われました。また、市中心部から離れた漁師に多く発生したため「腐った魚を食べた」等の誤解が市民に蔓延し、その結果市民感情は引き裂かれ、その後の「差別」問題へと進行する結果となりました。

(5)発生当初の病像は酷烈なもので、文字通りベッドの上で“のたうち回り”、“激しい痙攣”を伴い、生き地獄状態でした。かつて英国で発生した工場労働者の有機水銀中毒の病像に一致し、初期の原因究明には役立ったものの、一方ではその後の「水俣病像」を歪める一因にもなったのです。

(6)以上のような水俣病発生環境の他に、注目すべきは水俣市に於ける「チッソ」の位置です。企業城下町と言われるごとく、「チッソ」の天下であり従業員1万5千人の家族、親戚関係は何らかの関係で「チッソ」に繋がる仕事に従事していました。結果としては、「会社」の存立を第一義に考え、患者さんたちを差別していく世評が市内に形成されていったのです。

(7)行政の施策の中で注目すべきは、水俣病申請時の「本人申請主義」です。チッソに“盾突く輩”など批判され、認定に伴う「補償金」に関して“金の亡者”と呼ばれることを怖れ「泣き寝入り」を余儀なくされた人びとが多かったのです。また、(3)で述べましたが、この大事件に関し総合的な「疫学調査」つまり事件被害の実態は未だに調査されていません。

以上とりあえず諸々書きましたが、まだまだ実態には程遠く実情を報告出来ていません。
参考URLにて、さらなるご認識の深まりを期待します。

参考URL:http://www6.ocn.ne.jp/~mf1997/
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 先日,NHKの特集番組だったと思いますが,私が記憶していることを表現すると,


1.公害発生当時ではまだ症状が軽かったといえども,人体に毒素が蓄積しているのは違いがありません。当時の年齢+50歳ともなれば,体力の衰えが手伝って,普通の人より深刻な影響が出てくるようです。
2.公害病といえども,「病気がある人に対する言われなき差別」というものがあるようで,「(親戚にその病気の人が居るだけでも)それが原因で結婚もできない」状態があったようです。それが恐くて公害病であるという申告ができなかった人たちがいるという問題もあるようです。
・・・ということが言えると思います。また,私見ですが,
3.公害発生から50年と言っても,汚染物質の除去から何年経っているのか分かりませんし,また,「本当に除去ができているのか」という心配も,考える人が居るでしょう。広島・長崎の原爆症患者さんと同じように,公害問題とは年数で区切れるものでは無いと思います。

 一度,創り出した物である以上,原因物質が完全に消滅することは不可能です。あとは患者さんが生きている間,問題が続くことになると思いますよ。少しでも患者さんの負担が減るように,そして今後同様の問題が少しでも発生しないように,祈るばかりです。
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