フランス革命

ついでながら。

現在でもフリーメーソンそのものは陰謀団体というわけではありません。秘密主義ですが、それをいうなら会員制の組織は多かれ少なかれ排他的ですしね。
ただ、特定の支部が陰謀を企てた、ということはあります。

それと同様にフランス革命当時やその前のころ、当時の名士、特に啓蒙主義者はかなりの部分がメーソンでした。というのが、メーソンの主張そのものがかなり啓蒙主義と一致していたからでもあります。
つまり啓蒙主義がメーソンの陰謀、というよりも当時のメーソンの支部の多くが啓蒙主義者の団体でもあった、あるいは啓蒙主義団体そのものであった、ということでしょう。しかし実際の行動に出たのは個人、または別の団体だった、ということです。
というわけで彼らが企てた革命、というのはせいぜい過大評価でしょう。実際後に反革命ということで首を切られた連中の中にもメーソンはいたわけですし。

あながち嘘ではありませんが、一つ大きな誤解があるのは、フリーメーソンといっても、一つの団体ではなく、何百、何千もの様々な全く関係のない別個の団体であって、統一された組織でもなんでもないということです。

だからフリーメーソン会員が様々な陰謀を起こしていても、それがフリーメーソンの陰謀であるということにはならないわけです。

この違いわかりますか？

フリーメーソンと一口にいっても、ただの名士会だったり、サロンの集まりだったり、黒人友の会のような政治的なものから、乱交パーティーグループのようなものまでピンからキリまでありますが、基本的にはメンバー内の友愛、融通をしあうものであって、困った時に橋渡しをしてやったり、情報をいち早く伝えたり、地位の便宜をはかったり、処刑リストから外したりするぐらいです。

革命の主要人物で中流以上の人はなんらかの団体の名簿に名前を載せてはいますが、それが特別の意味をもつことは極めてマレです。
ユダヤ人陰謀説と同じぐらいの信憑性といっていいでしょう。

組織としてのフリーメーソンリーが陰謀を企てたわけではないようです。

当時のメーソン組織は啓蒙思想家や共和主義者の温床でしたから、結果的にそうなった、と見た方が事実に良く合うようです。
つまり、フリーメーソン組織が革命を企てたのではなく、革命家たちや革命思想の持ち主が多くフリーメーソンにも加入していた、という事でしかないと思います。
むろん、ロッジによってこのあたりの事情はことなるようですが・・・