
おすすめの短編小説を教えてください。
こんにちは。
自分は、幻惑的で怪しい妖しい短編小説が好きです。
そういった小説でおすすめの作品がおありでしたら
ご紹介いただけましたら、幸甚です。
また、その類の短編小説を紹介している
サイトやブログなどがございましたら、、
そちらもご教授いただければ、極めて光栄な所存であります。
なお、ご参考までに具体例として
自分が好む作品群をいくつか挙げておきますので
何卒ご査収のほどお願い申し上げます。
「夜ふけと梅の花」井伏鱒二
「赤毛連盟」コナンドイル
「無頭の鷹」トルーマン・カポーティ
「殺し屋」アーネスト・ヘミングウェイ
「屋根裏の散歩者」江戸川乱歩
「鍵のかかる部屋」三島由紀夫
「めくらやなぎと眠る女」村上春樹
「ねじの回転」椎名誠
「黄金虫」エドガーアランポー
「外套」ゴーゴリ
「アリババと40人の盗賊」
「古屋の守」作者不詳(絵本)
「箱男」安部公房
「一千一秒物語」稲垣足穂
「歯車」芥川龍之介
上記の作品群にはミステリーや怪奇(ホラー)小説、SFと
呼ばれるジャンルに属するものがございますが、
特に、そういったジャンルへの執着はございません。
むしろ、トリックがどれだけ巧みかとか
どれだけ怖いか、ということにはほとんど興味はなく、
-うまくいえないのですが-
ジャンルを問わず作者を問わず、その作品群自体が持つ
なんともいえない“あじわい”が好きでございます。
今気づいたのですが、おそらくドッペるゲンガーものや
奇想天外な物語(あくまでもUFOや幽霊とかの短絡的ではない)が
好きなのかもしれません。抽象的にて申し訳ございません。
何卒宜しくお願い申し上げます。
No.14ベストアンサー
- 回答日時:
ご丁寧に痛み入ります。
No.11です。今年店じまいだったのですが(笑)質問者様に誤解されかねない拙い書き方をしてしまったようなので。
「時間が自在に動く」とは読者の頭の中が、というつもりだったのです。
と言いますのは、たとえば現在から過去が回想されたとして、その遡った時間の中で更に過去が回想されたり未来が望まれたりすると、読者としては、今読んでいる箇所はどの時間の中に位置するのか、だんだん曖昧になってきます。
過去・現在・未来にわたって散在する様々な時間のたたなわりが読者の今という時間の中で混在する。そんな方向へ誘い込むような書き方がしてある、といった程度の意味です。どうかお読みになって落胆なさいませんように。
また、私が読んだちくま文庫版は底本が筑摩書房の「ネルヴァル全集」で、中村真一郎/入沢康夫の共訳になっていますが、実質はほとんど入沢訳です。入沢氏は間違いなく現代の日本を代表する詩人ですが、同時にネルヴァル研究の第一人者でいらっしゃるようです。
お詫びに、もう少し思い出しましたので付記しておきます。
ホフマンスタール「第672夜の物語」「バッソンピエール元帥の体験」
この大事な作家を記すのを忘れていました。
ジョルジュ・バタイユ「マダム・エドワルダ」(エロスがタナトスと結びつく一夜の幻視)も挙げときます。
本邦のものは能の世界も欠かせないと思うのですが、それはさておき、
尾崎翠「第七官界彷徨」(独特な雰囲気を持った逸品と思います)
福永武彦「飛ぶ男」
そして中井英夫も是非挙げさせてください。
「銃器店へ」「黒塚」「空き缶ブルース」「死者の誘い」「炎色反応」等、乱歩がお好きならきっと気に入っていただけそうな一群。
そして「黒鳥譚」という、作品を破綻させることでしか完成しなかった見事に無残な血を吐くような一編。
あと、短編連作(連作長編)となって、ご質問と微妙に齟齬してしまうのですが、「とらんぷ譚」「人形たちの夜」「夜翔ぶ女」など。
これらは皆、創元ライブラリー(文庫)で容易に読めるようになりました。
年末年始休業にもかかわらず、
ご回答いただき、まことにありがとうございます。
>過去・現在・未来にわたって散在する様々な時間のたたなわりが読者の今という時間の中で混在する。
宇宙の中心と果てが同一点に存在するというような観念ににているような印象を受けました。具体的には想像すら及びませんが、ひじょうに興味深く変わらずわくわくするような設定だという印象です。あるいはzephyrusさんご自身の表現が、素敵なのですね。
>中村真一郎/入沢康夫の共訳になっていますが、実質はほとんど入沢訳です。
入沢康夫とは、あの『失題詩篇』『燃焼』や宮沢賢治研究者の
入沢康夫氏でしょうか。それはさらに興味が湧きます。すごいコンビですね。
>入沢氏は間違いなく現代の日本を代表する詩人ですが、同時にネルヴァル研究の第一人者でいらっしゃるようです。
まさにおっしゃるとおりだと存じます。ネルヴァル研究もされているのですね。すごいエネルギーだなあ。
>お詫びに・・・。
いえいえとんでもないことでございます。まことに恐縮でございます。
>ホフマンスタール「第672夜の物語」「バッソンピエール元帥の体験」
調べたところ、世紀末ウィーン文学とありますね。クリムトやエゴンシーレの死に内包された官能世界と通ずるものがあるのでしょうか。興味深いです。
>尾崎翠「第七官界彷徨」福永武彦「飛ぶ男」
尾崎翠「第七官界彷徨」
高原英理さんの「少女領域」で評論を読んだことがございます。なかなか難しかったですが。。。川本三郎さんのフィールドオブイノセンス(少年性?)に出てくる作品ら(「ライ麦畑など」)と対称をなすようで、底で通ずるものがあるような。。。
福永武彦さんは池澤夏樹のお父さんですよね??「飛ぶ男」というタイトルが夢想的でなんとも魅惑的です。阿部公房にも同盟の作品があったような。
>そして中井英夫も是非挙げさせてください。
「銃器店へ」「黒塚」「空き缶ブルース」「死者の誘い」「炎色反応」「黒鳥譚」「とらんぷ譚」「人形たちの夜」「夜翔ぶ女」
中井英夫さんですか。お恥ずかしながらその名を耳にしたことがあるのみで、どれも未読でございます。
乱歩と同様、タイトルだけで惹きつける力がありますね。ぜひ読んでみたく存じます。
まことにありがとうございました。
No.17
- 回答日時:
こんにちは。
・・・なかなか深遠な回答が多く、
私が回答するのはおこがましい気がしますが・・・。
でも、「『レイ・ブラッドベリ』の名前が挙がっていないのはさみしい!」
という気持ちが抑えられず、回答に参りました。
1、レイ・ブラッドベリ「瞬きよりも速く」
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=30615366
可愛らしい表紙に怯むかもしれませんが、「不思議」な話を集めた短編集です。
SF作品でもたまに、怯むような可愛らしい表紙があるのが困ったものです。
(「たったひとつの冴えたやりかた」は、評価が高く、
私も大好きなSFの作品ですが、
表紙が可愛らしく、男性には手に取りにくいようです。)
表題作も、飄々としていい味を出していますが、
本好きにはたまらない作品「最後の秘跡」の方が、私は好きです。
2、レイ・ブラッドベリ「10月はたそがれの国」
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=01981193
ダリや、ピカソの絵画を思わせる、幻想的な短編集です。
木漏れ日のようにあたたかい、ファンタジー色の強い作品もあれば、
きれいな描写ですが、残酷な作品もあれば、
不条理だけど、どこか可笑しく、どこか怖いホラー作品もあります。
ある作品は、思わず「ぎゃああ!!」と悲鳴をあげて、
本を投げ捨ててしまうほどの怖さがありました。
棚に手を入れた時に、
思いがけず、虫をわし掴みしてしまったような怖さにかられてしまい、
つい本から慌てて手を放してしまいました。
図書館の本なのに・・・。
3、レイ・ブラッドベリ「とうに夜半を過ぎて」
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=00523671
「グロテスクとアラベスク」と(著者が)評された事もあるのが、
納得してしまうような、短編集です。
私はこの著者に関しては、「グロテスクとロマンティック」
という印象を持っております。
・・・ただ、あまりに古いので入手は難しいかもしれません。
この短編集も表題作より、
「青い壜」の方が幻想的で印象に残っています。
「チョコレート一枚、おみやげです!」も、いい味をだしていました。
4、夏目漱石「夢十夜」
http://www.7andy.jp/books/detail?accd=31039264
夏目漱石が見た夢を、もとにして書かれた短編集。
ロマンティックな作品あり、不思議な作品あり、
怖い話あり、といろいろな作品が楽しめます。
「第6夜」の不思議な話が好きです。
5、スティーブン・ミルハウザー「夜の姉妹団」(文庫本有)
http://www.bk1.co.jp/product/1547975
95年の「世界幻想文学大賞 小説部門(短編)」にノミネートされた作品。
この本に収録されている
(人によって、合う合わないもありますが)他の作家の作品も評価が高いですよ。
その中でも、
ミルハウザーは自信を持っておすすめします。
表題作も、その他の作品の幾つかも、
文章の表現まで魅力的で、
書評サイトで引用されていましたが、
「もったいない」です。
書評などでつまみ食いはせず、
実際に作品中で、はじめてこの表現を味わってほしい、
と私は思います。
上記に挙げた「世界幻想文学大賞」の小説部門のURLです。
http://homepage1.nifty.com/ta/sf2/wfc.htm
●伊坂幸太郎「オーデュボンの祈り」
●レイ・ブラッドベリ「何かが道をやってくる」
●ロバート・R・マキャモン「少年時代」(92年 世界幻想文学大賞 受賞)
などは、短編にあたらないので、今回はリストから外しました。
余談ですが、宮澤賢治「土神ときつね」、私も好きな作品です。
「ツァイスのレンズで星でも見に行きませんか?」
と誘うキツネのキザな事。
読んだ当時、ツァイスのレンズの一眼レフカメラを溺愛していた私なら、
ついフラフラとついていってしまいそうです。
ご回答ありがとうございます。
返信が遅れに遅れたいへん申し訳ございません。
>レイ・ブラッドベリ
近所のブックオフで見かけたことが
あります。しかし、Lioh様のご指摘のように表紙に魅力を感じられなすぎて、敬遠しておりました。がしかし、ご説明を拝読してみると、内容はとてもオモシロそうですね。こんどブックオフで残っていたら、購入してみようと思います。
>夏目漱石「夢十夜」
漱石はこんなものも買いていたのですね。お札になってしまったせいか、あまりに行儀のよい歴史的な存在になってしまったので、若い頃、川端と同様、敬遠していたのですが、実は、両者ともかなり変人なんですよね。面白そうです。
>スティーブン・ミルハウザー「夜の姉妹団」
これは、タイトルからして魅力的ですね!!こういう題に弱いなあ。ぜひ読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
No.15
- 回答日時:
硬質だけれど幻想的な作家として、藤枝静男をお薦めします。
「空気頭」「欣求浄土」「田紳有楽」「悲しいだけ」
特に「田紳有楽」は個人的に大好きです。
ご回答ありがとうございます。
藤枝静男さんでしたか。そういえば、探しておりました。
六年ほど前に朝日新聞にて川上弘美氏やら読書好きが
4,5名集い、紙上文学談義のような記事が掲載されて
いたのですが、そこでたしか川上氏に取り上げられていたのが、安部公房「箱男」川端康成「片腕」藤枝静男「空気頭」でした。(さすがにずいぶんとマニアックですねえ。)
タイトルの変態さに魅かれて、さっそく「箱男」「片腕」を
読んだのですが、「空気頭」はなかなか手に入らず、
いつの間にか、作者もタイトルも忘れておりましたが、
心の奥底で、ひっかかっていたような気がします。
「欣求浄土」「田紳有楽」は傑作らしいですね。
私小説を超えた私小説、倒錯具合では安部公房も
顔負けと聞きました。
紀伊国屋WEBで在庫がありました。
ぜひ読んでみたいと思います。
ありがとうございました。
No.13
- 回答日時:
#10です。
それは『伊勢物語』の第6話、俗にいう「芥川の段」ですね。同系の説話は『今昔』にも入っているそうな。
あと、これを調べてて目にしたのですが、『日本霊異記』をわすれてた。これはいいですよ。
しかし、なんだか、質問者さまを『幻想』漬けにしようとしてるような快、じゃない罪悪感が……。
ご回答ありがとうございます。
>それは『伊勢物語』の第6話、俗にいう「芥川の段」ですね。同系の説話は『今昔』にも入っているそうな。
さすがでございます。ありがとうございます。
>『日本霊異記』
これは、さらに古典になりますね。
ありがとうございます。
>しかし、なんだか、質問者さまを『幻想』漬けにしようとしてるような快、じゃない罪悪感が……。
とんでもないです。ここ数年、読みものといえば、日経新聞やらビジネス誌やら株雑誌やらばかりでしたので、ひじょうに嬉しく思っております。こうなったら、短い期間ではありますが、徹底的に空想ニートになってみせます。
よく考えてみますと、乱歩の初期作品の登場人物は(「屋根裏の散歩者」でも「二銭銅貨」でも「ぺてん師と空気男(初期ではないですが)」でも「鏡地獄」でもその他もろもろ)いわゆるスーパーニートばっかですよね。
だけど、その乱歩の世界のニートは、良くも悪くも“ニート”という集団呼称(枠組み)すら与えられず、某ネット掲示板のような簡易な寄り合い場もなく、ニートを継続するには、街頭や路地裏や電車内や屋根裏で自力で模索する他ない、というところが、なんとも逞しい。さしずめ「想像力があり、創意工夫ができるニート」といったところでしょうか。
すみません。完全に脱線してしまいました。
ご回答ありがとうございます。
No.12
- 回答日時:
上田秋成『雨月物語』をお忘れじゃありませんか?と申し上げようと思っていましたら、すでに挙がっておりましたし、これだけ出揃ったら…とスルーするつもりだったのですが良い御質問なので回答100回記念にさせていただきます!
私個人は『雨月物語』の『菊花の約』、乱歩では『孤島の鬼』が好きです。横溝正史では『真珠郎』これはすでに挙がっているようですが私も高校時代に読んで『真珠郎はどこにいる。』という出だしとともに強い印象が残ってます。のちにテレビでも放映されたようです。
さて、せっかくですので、まだ挙がっていない作品を思い出してみました。
『怪奇小説傑作集』でしたか私は文庫本で手に入れましたが、そのなかの確かジャン・ロラン『仮面の穴』が耽美で特に気に入りました。No.11様が挙げられている『オノレ・シュブラック』も面白かったです。
それと、これは私的にゾクゾクするほど読み応えがありましたが
プロスペル・メリメ『シャルル十一世の幻想(幻覚)』
翻訳であってもメリメ原文の格調高さが伺えるような不気味にして品格のある一篇です。おススメです。メリメは『カルメン』が有名ですが『ドンファン異聞』『熊男』とか、けっこう怪奇ものも書いてるみたいですね。(私はまだ未読)
ポーは『アッシャア家の崩壊』もいいですね。
ドイルは吸血鬼ものも書いてるそうです。
Hジェイムズ『ねじの回転』不気味です。怖いです。しかも心理的です。映画化されてます。私の母は、この映画見て、おののいてました。
あと『千夜一夜物語』たいへん長いシリーズ物ですが一つひとつのお話は短いです。イスラム方面の宗教観や思想も伺えて興味深い。けっこう日本人にも理解し易いと思います。
これだけ、たくさん挙がっていたら当分というより一生タイクツしなくて済みそうですね!楽しんでくださいね。
100回目のご回答に私めの質問をお選びいただき、まことにありがとうございます。
>『シャルル十一世の幻想(幻覚)』
『カルメン』の作者なのですね。それはとても興味が湧きます。他にも「ドンファン異聞」。この方は、伝説や史説をめくるめく物語にしあげるのが得意なのでしょうか。
ちなみに余談ですが、チャンドラーの「さらば愛しき人よ」はどことなく「カルメン」に似ていませぬか。もしや言わずもがな?
ぜひ読んでみたいと存じます。
>『アッシャア家の崩壊』
大好きです。でも高校生の時に原文で読んだら、いらいらするばかりで、ちんぷんかんぷんでした。大学でゆっくりと読み直して、じわじわとその文体といいますか言い回しといいますか、作品を構築するフレーズそのものが好きになりました。
宇多田ヒカルはなんと中学1年生の時にこれを読んで、めちゃくちゃ共感したとテレビで言っておりましたが、やはり、才能がある人はすごいですね。
アメリカ文学はあまり知りませんが、自分はカポーティとポーの文体がとても好きです。
>Hジェイムズ『ねじの回転』
>私の母は、この映画見て、おののいてました。
読んでも観てもおりませんが、その名は存じ上げております。
ぜひ、読&観してお母さまのように“おののき”たいです。質のよいおののきっていいですものね。
>『千夜一夜物語』
幼い頃に絵本で読んだ「アリババと…」の雰囲気が大好きでございます。(特にチョークで家々の扉にマーキングするシーンがなんとも、たまらないです。「赤毛連盟」の不思議な求人広告とかも、たまらないです。)
そこで、数年前、某BO☆KOFFにて、「千一夜物語傑作集」を購入しました。大人向けでも子供向けでもない、なんとも中途半端な訳で、残念でした。アラブの妖艶な世界観が味わえないのです。「孔雀になった兄弟」?とか収録されておりました。もしかしたら、ストーリー自体も、かなり脚色されてしまっていたのかもしれないです。妙に儒教的?で道徳的でした。自分が大好きな犯罪色がまるでなかったのです(苦笑)。次回は、もっと徹底的に子供向けか、大人向けかが明確に仕上げられた訳本を読んでみたいと思います。
まことにありがとうございました。
No.11
- 回答日時:
今更かもしれませんが思いついたところを。
フランス十九世紀のロマン派ジェラール・ド・ネルヴァルに「火の娘たち」という短編集があります。幻想というよりは時間が自在に動く(前後混在する)というのでしょうか。なかでも「シルヴィ」「アンジェリック」はちょいと面白いかもしれません。
フローベール「聖ジュリアン伝」
アポリネール「オノレ・シュブラックの消滅」
シュペルヴィエルの短編集
E.T.A.ホフマン「砂鬼」の入った「ホフマン物語」など
フーケ「ウンディーネ」(水の精の悲恋)
プーシキン「スペードの女王」(トランプがウインクする)
ホーソン「ラパチーニの娘」
など、まだまだいろいろありそうです。幻想、怪奇、奇妙な味といった表題のついたアンソロジーなどを古書店や図書館で見つけられるのも一考かと思います。SFでは昔、福島正実、伊藤典夫といった方が編纂していたもののなかに結構こういうものに該当する短編があった記憶があります。
また、WEB上の図書館「青空文庫」で岡本綺堂の翻訳になる「世界怪談名作集」「中国怪奇小説集」などをいつでも読むことができますね。ご参考まで。
ご回答まことにありがとうございます。
今更などということはまったくございません。
たくさんの作品をご紹介いただき、深く感謝申し上げます。
お恥ずかしながら(そして嬉しいことに)「ホフマン物語」とプーシキン「スペードの女王」以外は読んでおりませんし、存在を知りもしませんでした。世界には珠玉の作品がまだまだまだまだいろいろありますねえ。嬉しいです。
>ェラール・ド・ネルヴァルに「火の娘たち」という短編集があります。幻想というよりは時間が自在に動く(前後混在する)というのでしょうか。
時間が自在に動く(前後混在する)!!
絶句ものですね。これは一体全体どういった物語になるのでしょう。「ジョジョの奇妙な冒険」のような世界でしょうか?
おそろしく興味が湧いてしまいます。このような設定で小説として成立させている時点で、もう感激してしまいますね。どのようなストーリー展開でどのような終結なのか。
翻訳者をみると、「中村 真一郎」とありますが、ひょっとして、河合隼雄も扱っているあの「とりかえばや物語」(こちらは性別自在ですね(笑))の訳者と同じでしょうか。さらにそそられます。ぜひ読んでみたいと存じます。
>「聖アントワーヌの誘惑」「オノレ・シュブラックの消滅」
「シュペルヴィエルの短編集」「ウンディーネ」(水の精の悲恋)「ラパチーニの娘」
まったく存じませんでした。幻想大好きな自分としては、ひじょうに読んでみたいです。普通の30万規模の市の図書館でもあるでしょうか。あ、あそこらへんのコーナーにあるかも・・・(独白)。探してみます。
>WEB上の図書館「青空文庫」で岡本綺堂の翻訳になる「世界怪談名作集」「中国怪奇小説集」などをいつでも読むことができますね。
そういえば、青空文庫という手がありましたね。ありがとうございます。
わたくしが触れたことのないジャンルの作品ばかりで、とても読欲がそそられてしまいました。まことにありがとうございました。
No.10
- 回答日時:
#7です。
お礼をありがとうございます。『江戸怪談集』上中下 岩波文庫。
質問者ほどの方なら、江戸時代が、怪奇・幻想小説の黄金時代だったことはご存知でしょう。
いわゆる「百物語怪談会」が階級を越えて流行った時期ですしね。夜、100本の灯心を点し、青い覆いを掛けて、部屋を青暗くし、参加者が1話語るごとに灯心を1本ずつ消して行く、そして100話語り終えて、最後の灯心が消え、真の闇になった時、怪異が起きる、という……。
で、それ用の怪談集がたくさん出ます。
この本は、そのなかから、えりすぐりの話を3冊にまとめた本。「怪談」といってますが、怪異ばかりじゃなく幻想的な話も多く収録されています。もともと分けられるものじゃないし。
あとはまあ『雨月物語』とか。
『日本幻想~』は、お近くの図書館に購入希望など出されたらいかがでしょう。ちょっと時間かかるかもしれませんが、予算があれば買ってくれるかも。もしかしたらもう入っているかも。
太宰は『晩年』の「魚服記」や「雀コ」があるのにたしかに変ですね。なんか事情があったのでしょうか。書いてないということはないと思います。
ご参考になれば。
再度のご回答まことにありがとうございます。
深く感謝申し上げます。
>夜、100本の灯心を点し、青い覆いを掛けて、部屋を青暗くし、参加者が・・・。
この雰囲気いいですよね。これにちょっと似た手法で、江戸川乱歩「赤い部屋」や松本清張「タイトル忘れた」、村上春樹「七番目の男」その他大勢の作家が作品を書いてますよね。
『江戸怪談集』
ひじょうにおもしろそうです。古典的な恐怖や幻想ものは普遍性がありますものね。正直、同時代の恐怖小説よりもはるかにそそられてしまう自分がおります。時空を超えて同じ恐怖や幻想を感じるというのが、なんとも味わい深いです。
江戸時代は、とにかく文芸が充実してますね。江戸落語をちょっと読んだことがあるのですが、やはり切れ味抜群で、秀逸でした。怪談と落語の両極が流行るというのは、興味深いです。やはり恐怖と笑いとは背中合わせなのでしょうか。
『雨月物語』ですが、高校の時に古文で読んだ記憶がございます。前作ではないですが、やはり高野山での物語があったのをおぼろに記憶しております。学校のテキストという存在なので、なめてかかっていたところ、ものすごい深い空想の世界に追いやられ感動した記憶があります。ぜひ、改めて原文で読んでみたいと存じます。といいつつ、でも今でも古文、読めるかなあ?
それと、最近、何かの本のおそらく抜粋で読んだのですが、「男が美しい女と恋をして、ざんざん雨の降る真夜中に二人して都落ちを決行し、道中の山小屋の押入れに女を匿っていたら、その女は鬼に喰われ、男は哀しくて、哀悼の和歌を読む」(記憶曖昧)という物語を読んだのですが、これは「何物語」でしたっけ?短くてシンプルながら、これまたひたすら切ない読後感を味わうことができたのです。
(もしやこれはネタバラシというルール違反行為をしてしまっているのでしたら、お詫び申し上げます。)
>『日本幻想~』は、お近くの図書館に購入希望など出されたらいかがでしょう。
その手がございましたね。
そういえば、妹が高校生の時分、近所の図書館にディズニーアニメのDVDを大量に買わせておりました。女はそういうのを気づくのがはやいし巧い(笑)。
珠玉のラインナップをご紹介いただき、
まことにありがとうございました。
No.9
- 回答日時:
少々仲が悪くなっているようですが、お隣の中国の短編集はいかがでしょうか?
おそらく聊斎志異や神仙伝はお読みのことと思いますが、このほか雨窓欹枕集(うそうきちんしゅう)、今古奇観(きんこきかん)、藤陰比事(とういんひじ、字が違うかも)などはなかなかおもろいと思います。
ご回答ありがとうございます。
中国の民間伝承物ですか。
すばらしいとこつきますねえ。いいですねえ。
中国はその歴史の長さもしかり国土の広さもしかり、人口の多さもしかり、伝説や神秘のスケールが半端じゃないですよね。
(といいましても自分にとって歴史上の中国とは、すっかり横山光輝の漫画のイメージなのですが(涙)。それと昔のドラマ「西遊記」夏目雅子版。それとキョンシー。なんとも貧弱。)
お恥ずかしいことにどれも持っておりません。
おぼろながら、すごく小さい犬とか、やたら背の高い老人、妖艶な狐、などの話は、いつかどこかで読んだのですが、どの本だったか記憶にございません。
『雨窓欹枕集』というタイトルも(はっきり解釈はできておりませんが)とても中国らしく、すてきですね。
『聊斎志異』はそのタイトルに見覚えがございます。
ですが、読んだ記憶はございません。ですので、まずは、『聊斎志異』から読んでみたいと存じます。
小泉首相や前原代表にも読んでもらいたいと思います。
「うっ!!こ、これは・・・・・さらなる脅威だ・・・・・ぐぐっぎぎっ(はだしのゲン風)」
まことにありがとうございました。
No.8
- 回答日時:
すでにお読みになってらっしゃるかもしれませんが、アンブローズ・ビアズの短編集はいかがでしょうか。
特に「アウル・クリーク鉄橋での出来事」、「宙を飛ぶ騎馬兵」などが有名でありお勧めです。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003231 …
また、岩波文庫つながりで泉鏡花の「高野聖・眉かくしの霊」もお勧めしておきます。
文体も肌にぬめりつくような独特の味わいがあります。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4003102 …
ご回答ありがとうございます。
すばらしい作品をご紹介いただき、まことにありがとうございます。理解していただいたようで非常に感激しております。
ですが、その反面、残念?ながら、両作品とも、持っておりました。
(アンブローズ・ビアズは読んでおりませんが、いつ買っていたのか?なぜか本棚をチェックしたら、持っておりました。)
泉鏡花は、以前、高野山に訪れた際に、宿寺のコタツの中で読みました。いい意味で荒唐無稽で、ひじょうに大好きです。高野山という-京都とは真逆に-洗練で何もない聖地において、艶かしい物語を設定することそれ自体に、感動してしまいます。それにつけてもとにかく泉鏡花は文体が独特ですよね。町田康と同様、読むに慣れるまで、苦労しました。逆に慣れたら、嵌まってしまうのですが。
ということは、いまだ無読のアンブローズ・ビアズ作品は、
ヒットする可能性大ですね。「芥川も絶賛」と、表紙に書いてあります(笑)。
ありがとうございました。
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