No.2ベストアンサー
- 回答日時:
#1さんはちょっと誤解されているようで、「こちとら自腹じゃ」ってのは
http://www.tv-asahi.co.jp/tiger/contents/_backnu …
つまり、井筒さんが(業界関係者だからご招待、というのではなく)自分で券買って入って見た映画について書いているものを言っているのです。
ま、普通の人なら自腹は当たり前なのでその辺に対する批判・非難・いやがらせも多いようですが・・・・
んで、内容は、本人は評論する、とかいていますが中身はやはり感想でしょうね。批評と言うには内容に対する掘り下げやどこがどうだという分析がほとんどない、と言う点で感想だと思います。
批評ってある意味本体なしには成立しないオプションみたいな分野ですから、つきつめれば本体にとってためになる、とか、社会にその本体をあるいはどこが素晴らしいのかその一端を開陳し、あるいはなぜそれを見るべきでないかを論理的に説明し・・・などといったことが必要です。
面白かった。おまえも見ろ、というのは感想。
どこが同面白かったが、ここはこうしたほうがもっと面白いかもしれない、とか、これはこういう理由で世の為人の為にならない、とかいえば批評。
感想には反論はありえません。個人の感情の問題だから。
批評には常に反論が可能です。
などといった点から考えてみると井筒さんのは感想でしょうね。
お礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。
「対象」を「相対化」できているのが批評、というご意見でよろしいでしょうか。
大変参考になりました。
No.5
- 回答日時:
ず~っと前「読書感想文は何のために書かせるのか?」とかいう質問が国語カテかどこかであったように思いますが、それを思い出しました…
井筒監督の一言を一読して最初に勝手に思ったのは
「ナルホドな、ひとが血を流して(身銭を切って)自力でつくりあげたものを傍観者が涼しい顔して偉そうにグダグダぬかすな!」
という意味で言ったのかと勝手に思ってしまいました…
昔からあったみたいですね創作者と評論家の確執と言うんでしょうか評論家は創作者に嫉妬心があるとかいう…
夏目漱石の「猫」に出てくる1シーンですが、クシャミ先生の親しい新進気鋭の学者(寺田寅彦がモデルだとか?)がギリシャ語を駆使して或る実験について聴衆にレクチャーするという練習に付き合った主人公と、その友人が、ギリシャ語や「あらっしゃいましょうから」という言葉づかいについて批判するくだりが出てくるんですが、このシーンで「猫」が
『両人とも豪もギリシャ語を解してはおらんのである』
というふうに述べています。
私の母は手先が器用な人でしたが昔、刺繍に夢中になっていた時期がありまして食卓掛け用に綿布に刺繍したものが本人も納得の行く力作だったと見えて、その妹に誇らしげに見せたところ、ちょっとした批判めいたことを言われまして横で聞いていた父も調子に乗って
「そうそう、その花模様は丼鉢に蠅がたかっているように見えなくもない」
等と発言したものですから母の立腹と言ったら…
「自分でつくったこともないくせに!」
そう、叔母ももちろん父も豪も刺繍はできません。
すべて創作者の生み出した作品は感想であり、それを批評しようとする者は生みの苦しみに代えて高い見識を提供するべきなのでしょう。
ただ創作者、批評家ともにマーケッティングリサーチ感覚の優れた人は世間の波に乗っかれるというわけで、創作者の作品、批評家の見識が真実どの程度のものかということは、なかなか言えるものではないでしょうね。
ご回答ありがとうございました。
井筒監督の「こちとら自腹じゃ」については、#1の方へのお礼欄での補足をご覧ください。
>創作者、批評家ともにマーケッティングリサーチ感覚の優れた人は世間の波に乗っかれるというわけで、創作者の作品、批評家の見識が真実どの程度のものかということは、なかなか言えるものではないでしょうね。
このご意見には、大変考えさせられるものがあります。参考になります。
No.4
- 回答日時:
一応哲学ぅな面はありますし、良いのではないでしょうか。
私の好きなMMORPGの掲示板等での、MMOの批評を見ていると考えてしまいそうな事ですね。
批評……評価と言い換えましょうか。
これはhttp://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1788264のNo.5の私の回答も読んでみて下さい。
主観と客観について軽く言っちゃってます。
評価は自分にするものではありません。と言うよりできません。客観と同じ類の事だからです。
評価とは、同類が別に存在していて、同じ事をしたらできる事です。個人単体では比べるものが無いんです。
三人がいて、一人が二人を比較する事は比較する人物の主観でできます。しかし、それは世界の正解でも真実でもなく、一つの意見であり見解であり評価です。
評価とは正しいものなどありません。惑わされないで下さい。
正当な評価という、多くの人物達が思う良い方向の評価、批評はあっても、詰まるところそれは多数決です。真実の評価ではありません。
極論を言ってしまえば、評価全てが感想でもあります。
ただ評価とは、より客観的に見た”であろう”見解です。
評論家というのがいますよね。
人間は、自分の価値や存在意義について強く関心を示します。それは自分が一番よく分かるのではないですか?
そのため、叩かれようが正論言おうが批判しようが、評価する人物というのは欠かさず世界に存在し、人々の欲求を満たす指針や秤的存在になっている節があります。
結局は感想、しかし評価と感想は分けて考えられており、それは人間が勝手に分けて、楽しむために分けたに過ぎません。優劣という感覚を。
自分にとっての価値を決めるのは感じた個人。
多くの人間の平均を仮説する人物が評論家、という具合だと思いますよ。
言語を使う人間にとっては、情報を知る便利な方法でもありますしね。
お礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。
前半は、批評(評価)とは事象の相対化というご意見ということでよろしいでしょうか。
今までの皆さまのご意見を見ていて、私にも、この考え方はしっくりくるものがあります。事象の相対化においては、切り口は無限にあると思うのです。それが批評の個性であり、優劣ではないような気がいたします。
批評(評価)と感想は根本的に同じであり、より平均的なものが評論ということは、少し私の感じていることとは違うように思いました。
ご回答ありがとうございました。
No.3
- 回答日時:
井筒和幸の「こちとら自腹じゃ」はよく知らないのですが、「批評」と「感想」の違いは覚悟の違いではないでしょうか。
雑にいえば、評論は自ら何かを作り出しているものではないですよね。他人の作品や行為などについて自分の考えを述べている。
本当に真摯な評論家とはそのことが分かっていて、余剰でしかない自らの批評に対して覚悟を持っていると思うのです。ある意味、人生をかけるというか。
その点、「感想」は何をいってもよいのでしょう。
お礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。
>「批評」と「感想」の違いは覚悟の違いではないでしょうか。
論理的な部分やテクニカルな部分よりも、むしろ精神的なものであるというご意見ですね。全く新しい見方でした。
ご回答ありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
(井筒監督発言を中心に)
批評の批の字も評の字も価値を判断するとか価値を決定するという意味を持っています。「感想」は必ずしも価値を決定する必要はなく、あくまでも「想い」が中心です。一方、「批評」は、「感想」にくらべて価値判断・決定に主眼があるというわけです。
「感想」か「批評」かは判断しよとする本人だけではなく、受け手の方によってもその判断が判断されます。単に「おいしい」と言っても、一般人が言えば感想ですが、料理評論家が言えば批評になる可能性が高いです。価値判断する側の能力や権威のレベルにもよるといえるでしょう。
田中耕一さんノーベル賞受賞の感想は誰でも言えますが、批評できる人はずっと少なくなるということです。
「こちとら自腹じゃ」というのは、資金源が自分自信だということですよね。この言葉だけでは感想でも批評でもなく説明だと思えます。
あえて語調などから判断すれば
「自分には優れた(または利益の出る)作品を作る能力があるのにもかかわらず、誰も金を出してくれない」ことを憤っておられる、もしくは
「作品としてはいたらないところが多く、満足していない、それは資金不足が原因だ」と一種の弁解をされていると考えられます。監督ほどの人が、そこまでおっしゃるのならば、前者は映画産業界を批判(批評ではない)したもの、後者は自分の作品を間接的とはいえ批評したものといえるかもしれません。
もしかすると、他者の作品を観たときの"感想"として「こちとら自腹じゃ」と発言されたような文脈でしょうか。そうであれば、その他者の作品が(豊富な資金力のおかげもあって)優れているということを認めているのでしょうね。
権威のある監督がおっしゃっているのですから、その"感想"は"批評"であると認められるでしょう。
お礼が遅くなり、申し訳ありませんでした。
>「批評」は、「感想」にくらべて価値判断・決定に主眼がある。
というご意見、とても参考になります。
>一般人が言えば感想ですが、評論家が言えば批評になる可能性が高いです。価値判断する側の能力や権威のレベルにもよるといえるでしょう。
私の疑問の根源は、専門家であっても批評とは言えない評論、すなわち感想を言っているだけの人がいるのではないかと思った訳です。(別に井筒監督がそうだと言っているのではなく、例として出したまでです。)
したがって、私はそうは思いませんが、このようなご意見もあるということは、参考になりました。
ちなみに、井筒監督の「こちとら自腹じゃ」というのは、深夜番組「虎の門」のなかの1コーナーで、監督が上映中の映画を見て、それについて意見を言って、かつ採点をするというものです。ただし、自腹で映画を見るので、配給会社の顔色を気にせず、言いたい放題言うというのが趣旨です。ものすごい辛口評価で、罵倒しまくるのが受けているようです。
ご回答ありがとうございました。
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