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遺伝子をもたない生物はありますか?DNAとRNAを持たないプリオンは生物ではないという意見が一般的なようですが。ウイルスはどうでしょう?RNAまたはDNAのどちらからなる病原体、と大辞泉には載っていましたが、そのどちらかがあれば生物とみなされるということでしょうか?ならば、RNAもDNAも持たない生物は生物たりえない、ということですか?
また、1)細胞質、あるいは細胞膜じたいが意思を持ち、種として繁殖を欲し、分裂増殖をする
2)細胞膜はあるけれどもRNAもDNAも持たない、「生物」
という例は見つかっているのでしょうか?

A 回答 (16件中1~10件)

自信なしの回答にわざわざお礼ありがとうございます。



>neuroさんはウイルスまでは生物と認めていらっしゃるということですね。

独自の遺伝情報を次世代に伝えるための、独自の繁殖方法を獲得しているという観点から、「心情的には」生物と認めても良いのではないかという、条件付き容認派です。

>ウイルスは繁殖したいという下心見え見えに、素人には見えてしまいます。
そうですね。多少の語弊はあるかと思いますが、一般の人に対して、強固に「生物ではない!」と貫き通すほど説得力はないように思えます(専門家同士での話は別ですよ)。よって、生物学のカテゴリーで語ってやらないと、ウィルスは可哀想だと・・・(笑)。

>すべての生命は利己的だと思いますが、自分が生きるために他人も生かす戦略をとるものも多いようです。

 リチャード・ドーキンスの話でしょうか。どうも、あの話は進化論としては苦手なのですが・・・。複製する最小単位を遺伝子にもってきているでしょう。なんか、自分の体の中でヘモグロビンとミオグロビンが喧嘩しそうで嫌です(おバカですね・・・笑)。

 今回のご質問にも関係あると思いますが、遺伝子(核酸とは限らない)の最小単位をどこに設定するかで議論が全く違う方へ行ってしまいますよね。進化論でいえば、単一遺伝子を最小単位として進化の計算をする学者もいれば、社会集団を一つの単位として挙げる学者もいます。生物学が物理化学から社会学まで包括している漠然とした学問であるというのも納得できますが。

>たとえば異常プリオンの動機は何なのか?利他して結果的に自分も増える。

 プリオンは増えませんよ。タンパク質の立体構造が変化するだけです。絹タンパク質やアミロイドのように、自然状態でも変性して沈着する生体内の1タンパク質に過ぎません。酢を混ぜた牛乳が沈殿したからといってもカゼインを生物とは言わないでしょう。生体内の一タンパク質の変性というだけです。学問的には生化学の守備範囲ですが。
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ちょっとずれますが。

No14-21について。単にすれ違っているだけ? 生命を物理的・化学的に記述できることは両者認めているんですよね。一方、ウィルスに意思があるかどうかは、意思はなく、ロボットのように説明可能であると思います。教科書によっては飾られたそのような擬人法的表現がでてくるかもしれませんが、私は著者はウィルスに意思があるとは思っていないと想像します。よかったら、その部分を簡潔に書き出してください。

>そのウィルスのゲノム一揃い・カプシド・エンベロープ等、物質的には全く同一になるように人工的にウィルス(様の物質)をこしらえまして、それが宿主細胞に出会ったときにどのような振る舞いをするのかをつぶさに確認するのが、、、

カプシド・エンベロープなしで、宿主にゲノムを導入しただけだと思いますが、以下のような実験は行われてます。

http://slashdot.jp/article.pl?sid=02/07/12/03124 …
>ゲノム解析結果からウィルス合成に成功   "asahi.comによると、米ニューヨーク州立大のグループによって、ゲノム解析の結果の塩基配列情報からウィルスを合成することに成功したとのこと。なんでも、他のDNAやRNAをベースにしないゼロからの組み立てに世界で初めて成功下とのことで、感染症の研究に役立つ反面、危険なウィルスが合成される心配もありますね。Science Onlineに論文があがっている。

http://www.osaka-med.ac.jp/~in1008/pri/TauOne/bo …
>DNAに魂はあるか、驚異の仮説 (ノーベル賞受賞者であるクリックの本)
驚くべき仮説とは「あなたーつまりあなたの喜怒哀楽や記憶や希望、自己意識と自由意志などーが無数の神経細胞の集まりと、それに関連する分子の働き以上のなにものでもないという仮説である」

書評は、「我々にとっては、それほど「驚くべき」仮説でもないというのが正直な感想です。」だそうです。私も読んだことありますが同意。

No.15さん>「海底熱噴出孔」の周りと同じ環境を作ってやりますと、そこには「マリグラヌール」と呼ばれる、直径0.3~3.0ミクロンほどのタンパク質(みたいな高分子)の膜構造ができるのだそうです。何処が爆笑問題かと言いますと、実はこのマリグラヌール、「こんな玉っころが生物といえるか!」などとはちょっこら言わせないほど条件がそろっちゃっているんです。マリグラヌールは周りから材料を取り入れて成長し、分裂・増殖します。

私はなぜ爆笑問題になるのか、分かりません。本当ならすごいことです。周りから材料を取り入れるのが、「海底熱噴出孔」の周りと同じ環境に依存しているのなら、本当に成長し、分裂・増殖しているといえるかどうかは詳細に検討が必要でしょう。2つの泡が1つになったり、分かれたりすることとは本当に区別できるのでしょうね?
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もうレスはしませんと言いましたが、議論可能な”意見”が出されているので、質問者の方には申し訳ないですが、回答させてもらいます。


 ウイルスが細胞に結合するのは、細胞膜上のレセプターを介した吸着現象です。例えば,悪名高いエイズウイルスは、CD4とCCR5などのレセプターに吸着します。(下記URL参照)
http://www.glycoforum.gr.jp/science/word/Infecti …

これらのレセプターは、本来インターロイキンやケモカインの受容体で、ウイルスはこれらを利用して細胞に吸着し、侵入してくるのです。つまり、結合から細胞内への以降までは物理化学現象で説明がつく所です。だからレセプター欠損の細胞は、ウイルスに感染しません。
 私の友人にもインフルエンザの細胞上での移動(ノイラミン酸を切断しながら、細胞表層を動き回るのです)を研究している奴がいますが、そいつも一般に話をするときは、「人インフルエンザより鳥インフルエンザの方がかしこいんやぞ」というような話し方をします。切断したノイラミン酸は細胞膜状のいわばマーカーになりますから、同じ所を通らずにレセプターまでいける、一種の記憶として使用している(ものはいいようです)のだという事です。 まあ、一般啓蒙書には、わかりやすく説明するためにそのような記述はあるでしょうが、原著論文では許されません(どなたか、そのような原著論文をご存じでしたら教えてください)。そう言う意味で、”意思”の判断は、実験的に難しいと言うことなのです。ウイルスの合成に関しては、ウイロイドが完全合成されて、それが病原性を持つ事が確かめられていたはずです。 
  シュレーディンガーは、生物は負のエントロピーを食べていると言いましたが、エントロピーの減少も生命の特徴の一つとして記述できるかもしれません。
 やっぱ、生物は難しいですね。
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こんにちは。



>2)細胞膜はあるけれどもRNAもDNAも持たない、「生物」
という例は見つかっているのでしょうか?

見付かっていますし、それが太古に発生した現在の生物の原型ではないかと考えている学者さんもいます。但し、これを生物と呼ぶかどうかは別問題ですし、それは好みの問題でもありますし、意外に爆笑問題なんです。

大昔に生物が発生したと考えられている「海底熱噴出孔」の周りと同じ環境を作ってやりますと、そこには「マリグラヌール」と呼ばれる、直径0.3~3.0ミクロンほどのタンパク質(みたいな高分子)の膜構造ができるのだそうです。何処が爆笑問題かと言いますと、実はこのマリグラヌール、「こんな玉っころが生物といえるか!」などとはちょっこら言わせないほど条件がそろっちゃっているんです。
生物の条件、もしくは特徴というならば、
膜構造を持っていること、
代謝・機能維持が可能であること、
自己複製すること、
進化することなどですよね。

マリグラヌールは周りから材料を取り入れて成長し、分裂・増殖します。
同じものが作れるということは、自分の構造情報が別のものに伝達されたということですよね。通常生物では、このような情報はRNAやDNAによって保持され、伝達されるのですが、この場合は環境を媒体として情報伝達を行なっているいうことになります。要は、同じ条件で同じものを作っているというだけの話なのですが、その機能が維持されるという点では生物の条件を満たしていますよね。
元々タンパク質なのですから代謝機能そのものは持っているわけですし、RNAなんて高級なものはありませんが、材料が余ればぼこぼこと子孫を生み出してしまい、これがまたそれぞれに成長を始めるというわけらしいです。
DNAが現れる前には「RNAワールド」などという生物世界があったのではないかと考えられています。同じように、更にその前に当たるこのような時代を「タンパク質ワールド」と言うのだそうです。そしてある日のこと、こようなタンパク質本来の「代謝機能」とRNAなどの核酸によるより効率の良い「自己複製機能」、このふたつの「共生」が、現生物の原型なのではないかということです。
生物は、生物として生まれ出る以前も、10億年間という長い間に様々な思考作後を刳り返してきました。この時代を「化学進化」の時代と言いますね。同じような化学反応でも効率の悪いシステムは淘汰されます。それがマリグラヌールと全く同じものであったのかどうかは分かりませんが、タンパク質ワールドというのは、生物が膜構造というシステムを手に入れるために懸命に化学進化を遂げた玉っころの世界だったのかも知れませんね。

>また、1)細胞質、あるいは細胞膜じたいが意思を持ち、種として繁殖を欲し、分裂増殖をする

生物学では様々な実験や観測によって生物というものを解き明かしてきました。ですが、「生命現象」ということになりますと、これは生物学だけでは解釈できるものではありません。生物学的に「生物」というのであれば、やはり一般的には「代謝・自己複製」といったことになります。ですが「生命現象」というものを定義するならば、
それは「複雑系として散逸構造を持つことにより、エントロピーに逆行し得る究極の自己組織化現象」ということになると思います。
エントロピーの法則に従うならば、全ての現象は常に単純な構造へと移行しなければなりませんが、自己組織化というのはそれに反し、自然発生的に複雑な構造が形成され、それが維持されるということですね。
無数の因子が集まる複雑系には、個々の因子の性質とは異なる全体としての新たな性質や構造が発生します。その構造が生体であり、その性質が生命です。これが完全閉鎖系ではなく、外からのエネルギーや物質の供給を受け、それを消費・放出することのできる散逸構造であるため、エントロピーに対する逆行が可能になります。
生物とは、タンパク質や核酸を持つことによってこれを実現するシステムです。従いまして、タンパク質や核酸というのは生命現象の条件ではなく、生物がそれを実現するための手段ということになります。生命現象の手段がタンパク質や核酸でなくとも良いのだとするならば、コンピューター・プログラムによってシリコンの中に作られた人工生命のシミュレーションも生命現象とすることはできますし、太陽からのエネルギーを獲得することによってエントロピーに逆行し、惑星環境という複雑な構造を維持している地球圏もまた同様の性質を持っているということになります。そして「意思」というのも生命現象のひとつであり、複数の因子の集まった複雑系に於ける自己組織化現象以外の何物でもありません。

「意思」というのは神経反応の結果です。その因子は神経信号であり、それを生み出すのは化学反応ですよね。神経反応というのは、「神経細胞の膜構造によって作られる内外の環境の違いに起因して発生する化学反応」です。
細胞膜は、それによって内外の物質の出し入れが可能な散逸構造を維持しています。細胞は膜構造によって物質の出し入れを行ない、化学物質の濃度勾配といった環境の違いを作り出すわけです。この膜内外の環境の違いに伴って発生するのが化学反応であり、その反応エネルギーが「0」か「1」かの神経信号になります。
「0」「1」の基準は細胞内に発生したエネルギーの総和が閾値を越えるか越えないかですので、その因子は複数の化学反応でなければなりません。そして、その「判断」は膜内外の環境変化に対応して成されます。これが、与えられた環境に対するその細胞の「意思」です。
神経細胞は散逸構造を持った複雑系であり、複数の化学反応の総和という全体としての性質を生み出します。これがそのたびにデタラメな反応であるならば、それは自己組織化現象とは言えません。ですが、それはエントロピーの法則に逆行し、きちんとした方向性を持っています。この方向性が生命を導いているんですね。

我々は普段、自分の意思によって行動を選択していると考えています。ですが厳密には、如何に多様な可能性の中から論理的・知性的な判断によって選択された行動であるといえども、それは与えられた環境に対応するために誘導された生命現象以外の何物でもありません。意思というのは、飽くまで我々を生物として定められた方向に導くものであり、如何なる人間であろうとも意思に逆らうことはできないはずです。
だからといって、細胞が分裂するのも、マリグラヌールが増殖するのも、全てが生命の意思であると言ってしまいますと少々乱暴な話になってしまいますが、では、何故そこに意思があるように思えてしまうのかというならば、それは生命というものが与えられた環境に対し、終始一貫して方向性を持っているからではないでしょうか。
この、生命を誘導する方向性がデタラメになり、失われていまうならばそのシステムは壊れてしまいます。生命は生きている限り環境に対して方向性を持っていなければなりません。そして、生命が一貫した方向性を持ち得るのは、(くどいようですが)それがエントロピーに逆行する自己組織化現象であるからですね。
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この回答へのお礼

散逸構造というのは私には難しすぎてわかりませんが、生命とはエントロピーに抗しているというのはわかる気がします。マリグラヌールというのは面白そうです。どうもありがとうございました。

お礼日時:2005/11/10 17:50

私が意志の有無というのを生物か無生物かを


見分ける一つの有効な基準だと考えているのは
別に文科系的な哲学的議論(ショーペンハウエルあたりですかね)から発想しているのではなく、
分かりやすい上に合理的であり、万人に対して説得力をもちうる基準であるからです。しかしそうは言ってもその「意志」とやらを実際にどうやって確認するのか?そこに難関がありそうだということですね。それは分かります。
その点に関しての私の考えはこうです。例えばウィルス(ファージ)は目的とする細胞に「吸着」し、その中に自らの遺伝子を「注入」します。以上のような表現はウィルスについて記述した書物において普通に見られるもので、特に私がことさらに擬人化したものではありません。ウィルスの研究者自身が躊躇なくこれらの現象をウィルスの「行動」と捉えているらしいのが私には興味深いのです。ウィルスの専門に明るい方のお話を聞きたいと言ったのもそういう部分についてもっと詳しい話を伺いたかったからなんですが、もしそれが単なる記述上のレトリックではなく、普通にウィルスによる「行動」とみなされるべき現象だとしたら、その背後に彼らの「意志」を想定しても構わないだろうと思うわけです。しかしながら、もし無生物であっても全く同じ物質的環境におかれれば物理・化学的法則に従ってこれらの現象が必ず生起するとしたら、これは「行動」と呼ぶことはできないでしょう。ロボットなどと一緒で一見そのように見えるというだけの話です。そのあたりを確認するには、そのウィルスのゲノム一揃い・カプシド・エンベロープ等、物質的には全く同一になるように人工的にウィルス(様の物質)をこしらえまして、それが宿主細胞に出会ったときにどのような振る舞いをするのかをつぶさに確認するのが一番的確であろうと考えます。そういう研究なさってる方がおられましたらぜひお話を伺いたいんですが・・。
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細胞膜や細胞質が分裂したとしても、その後増殖するには分裂で失われた分を補わなければなりません。


細胞膜・細胞質の構成要素(脂質など)を合成するのは蛋白質ですし、構成要素自体の大部分も蛋白質です。
また、細胞膜が分裂するのにも膜の分裂に関わる蛋白質の合成が必要です。
その蛋白質を作り出すためには、既存の生物のシステムではDNA・RNAの遺伝情報に頼らざるをえません。

プリオンは自己増殖する蛋白質のように見えますが、周りのプリオンを自分と同じタイプに変えているだけで、そのオリジナルの蛋白質はやはりDNAを元に合成されています。

では、蛋白質から蛋白質を合成することは絶対にできないのか?というと、可能だと思います。
一般的にDNAよりも蛋白質の方が複雑で多機能なので、昔は遺伝子は蛋白質ではないかと考えられていたくらいですから、遺伝情報を蛋白質に置き換えたシステムは理論上は可能だと思います。
ただ、そのようなシステムは既存の生物では知られていませんし、太古に存在していたとしても、より安定なDNAのシステムに淘汰された可能性があります。

本当はDNAやRNAが生物の遺伝子の実体でなければならない必然性はありません。
別の星、別の環境であれば、別の分子が遺伝子を担う生物が誕生してもいいはずです。
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この回答へのお礼

プログラムのないパソコンはただの箱、と同じようなことが生物にも言えるということですね。
DNAの単純な構造がRNAより存続に有利(あるウェブサイトによれば)だとすれば、それより複雑なタンパク質はもっと存続に不利だということでしょうか。
もし自分が神だったとして、ある生命に存続させようとするなら、細胞膜なんかの危ない場所に大切なプログラムは置かないでしょう。だから核で守ってやるのが一番合理的で筋が通ります。
木星などの衛星で原始的な生命がいるかもと言われていますが、DNAなどと違った遺伝子をもっていたら面白いです。

お礼日時:2005/11/08 19:55

 自己複製するのはDNA,RNAではなく、核酸の”特定の塩基配列をもつ”遺伝子ですよね。

核酸が単独で存在していても、生物とは定義されませんでしょ。では、特定の自己複製子は単独で生物と定義されるかというと、あるタンパク質をコードする遺伝子が単独で溶媒中にあったとしても、これも生物とはいいません。
 そうすると「個体」を形作るために必要な遺伝子セットをもつものを生物というかというと、それが自然状態において、転写因子によってタンパク質に翻訳できないと現実として個体が形成されることはありません。よって、自分をパッケージングするためのタンパク質をコードする遺伝子群と、それを転写翻訳するための調節因子(酵素)のセットを持っていないと生物とはいえなくなります。ただ、この辺りになると、ウィルスやミトコンドリア、葉緑体といったあたりの、部品なのか個体なのかという腺引きが難しくなります。
 では、自分では自己複製子(特異的塩基配列)をもちながらも他の生物の酵素を利用することを進化の過程で選んだ物体は生物といえるか。ミトコンドリアは自己複製するも、自分の生命圏を広げるて進化する(もしくは進化して生命圏を広げていく)ことはできませんが、ウィルスはできます。ようするに完全なる固有の種に対する一過性の寄生ではないと言えます。

ここでポイントは、自己複製子の有無ではなく、固有の種として独自の繁殖戦略をもちうるかということです。種類にもよりますが、突然変異の多いウィルスを生物とするか否かの線引きが、ここでもちだされると思います。現在、核酸以外の自己複製子は地球上では発見されていないはずです。

プリオンは生物ではありません。自己複製しないからです。正常プリオンは普通、生体内に可溶化した状態で存在していますが、変異型プリオンと接触(?)することによって、立体構造が変化して不溶化(繊維化)するだけです。あれが驚異なのは、あたかもウィルスのように伝搬することが分かったからです。プリオンを生物とするなら、カイコの絹タンパク(放出されるときに繊維化)やアミロイドタンパク(アルツハイマー病の場合は繊維化)も生物となります。プリオンは自然発症もありうるからです。

分類学の基本は、何が同じで何が異なるのかを明らかにしていく学問で、始めに分類ありきではなく、同じ形、同じ性質・・・同様に、異なる形、異なる性質・・・という風に様々な角度からカテゴライズしていくことで規則性を見いだす学問です。ですから、ウィルス界という新たな生物分類をすればすむことで、既存の生物の定義に含まれない生物が存在していたからといって、これまでの生物分類学者がサボっていたわけでも、頭が固いわけでもありません。
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この回答へのお礼

neuroさんはウイルスまでは生物と認めていらっしゃるということですね。
ウイルスは繁殖したいという下心見え見えに、素人には見えてしまいます。

すべての生命は利己的だと思いますが、自分が生きるために他人も生かす戦略をとるものも多いようです。

多くの犯罪には動機があるように、たとえば異常プリオンの動機は何なのか?利他して結果的に自分も増える。異常プリオンは何に奉仕しているのでしょうか。

お礼日時:2005/11/10 17:33

No.10に補足です。


もう1つの、5番目の定義は、「一定の形を有する」らしいです。
ウイルス等の寄生しないといけない生物の場合は分類が難しいですね。
RNAを遺伝情報としても、エネルギー産生できないし。
この辺は学者によって異なるところなんだと思います。
寄生虫というのもある訳ですし…。
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1。

自己複製(同じ形のものを作る)
2。遺伝情報を持っている(DNA)
3。エネルギー産生する
4。進化する

あともう一つ定義があったような気がするのですが、失念致しました。
思い出したらまた書き込みます。
この定義でいくと、ウイルスは自分でエネルギー産生して単独で増えることができないので生物とは言えないです。ウイルスを生物と認めると、ミトコンドリアも生物と認めざるを得ないからではないでしょうか。4の「進化する」というのが私は気に入っているのですが、どうでもいいコメントですね。
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 まず、もう一度質問者の方に対する回答を確認しておきます。


 生物の定義は、扱う研究者でコンセンサスは無いのが実情だと想います。自己増殖能は、#8さんも書かれているとおり、多くの研究者が生物の定義の一つにあげるものです。しかし、ファージ、ウイルス等の、他の細胞が無いと自己増殖できないものをどうするか、プリオンのようなものをどう扱うか?は研究者ごとで扱いが異なっています。細胞が生命の基本だと主張している人も多く、結晶化するウイルスは感覚的には生物と認めがたいのでしょうね。
 次に、”意志”の問題ですが、#3を読めば、少しは科学的なアプローチが理解できると思います。生物の応答は、現在は(1)走性、反射 (2)本能 (3)学習 (4)知能行動 に分類されている(現在の高校生物の分類)と思います。この中で、”意思”がどの段階にあるか考えられた事はありますか? 何が自由意思なのか? この場合も、いわゆる”常識”という決まり切ったものは無いと思います。#3で主張している事は、科学的な実験方法で(1)の段階のレベルで”意思”があるかもしれない...というアプローチ(好き、嫌いが、複合した問題でどちらをとるか?)です。ウイルス、プリオンの系では、このような実験は今の所、考えられません。
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