No.4ベストアンサー
- 回答日時:
おはようございます。
先日の丁寧なお返事、とてもうれしく読みました。
自分の今の卑俗な生活にやや反省を加えながら。
そういえば就職をお考えのようですね。気が重くはないですか?
私はそうでした。学生の頃から一貫して法律畑の中にいて、周りのキャリア志向にやりきれない思いをした経験は人よりたくさんあったみたいなので。
大学を卒業してすぐ、本格的に資格の準備を始めるにあたって、私は「重たい」気分を本に八つ当りして、当時2000冊はため込んでいた哲学・文学系の書物を8割方売りさばきました。
その日一晩泣きました。男なのに。
紙媒体への私の愛着は、あなたのような素敵な思いではなく、そうした下世話な経験が基になっている気がします。やんちゃな決心を今は恥ずかしく思います。
「つれづれわぶる人は、いかなる心ならん。まぎるる方なく、ただひとりあるのみこそよけれ」 (徒然草 第七十五段)
私は2日前に27歳になりました。いよいよ時間を持て余すことに一喜一憂するゆとりはなくなりました。
shigokoroさんのこれからの生活が決して厭世に流されないものであってほしいと思います。
No.3
- 回答日時:
「ゲーテをこよなく愛する」という言葉を見て、勤務中に思わず書き込みをしています。
質問の主旨への回答でなくてごめんなさい。今後ネット上の作品が主流になるだろう、という見方について、私もおそらくshigokoroさんと似た感覚でいるような気がします。お金がかからないこと、流通過程が省略できること、物理的スペースが省略できることなどさまざまなメリットが考えられるので、頭では分かった気になるのですが、どうしても現実味を帯びたイメージがわきません。以前のような文学がよみがえる必要はないとしても、ネット上で残るような性質の作品ならば、それこそ近いうちに主流でなくなるのではないかと思ってしまうのですが、これは私だけなのか自信がありません。
文学賞の存在意義についてはよく議論になりますが、あるかないかならば、私は支援の一環としてある方がよいのだろうと思います。菊池寛が芥川賞・直木賞、また日本文藝家協会などを作ったのも文筆家を支援する目的でした。
ただこの辺りは難解で、菊池寛の思惑は実は当時としては相当に反国家的な色合いが濃かったらしいので、当時と時代背景が異なる今日では、個人の職業としての選択肢を広げるという意味で意見が分かれるのでしょうね。しかし、制度的に一度広がった支援の幅をあえてせばめるのは疑問です。ゲーテでも本居宣長でも、そもそも文学賞もなく著作権すら不十分であった時代の人です。ただそうした人達の姿勢は見習いたいですよね。
ご存知かもしれませんが、ネット上には詩や小説を投稿したり意見交換ができるサイトはたくさんあります。ネット上でのやり取りをよく見てみると、ある意味参考になるかもしれません。
少しあわただしく書かないといけなくて、まとまりがないようで申し訳ない。
素敵な詩人になってくださいね。
参考URL:http://aurasoul.vis.ne.jp/
step0610さん
丁寧なお返事を本当にありがとうございました。
>お金がかからないこと、流通過程が省略できること、物理的スペースが省略できることなどさまざまなメリットが考えられるので、頭では分かった気になるのですが、どうしても現実味を帯びたイメージがわきません。以前のような文学がよみがえる必要はないとしても、ネット上で残るような性質の作品ならば、それこそ近いうちに主流でなくなるのではないかと思ってしまうのですが、これは私だけなのか自信がありません。
とのことですが、私もまさにそう感じています。
というのも、電子情報化された文字媒体というものに、どうしても生々しいリアリティを感じないからです。
私がゲーテを好きな理由は、ゲーテがどこまでも人間の【生々しい感覚】というものから、離れなかったからです。
ゲーテは往々にしてファンタジーを好みますが、たとえ、ファウストの中で人造人間ホムンクルスが泡と消えようとも、ヴィルヘルムマイスターの中に竜に襲われる小人が出てこようとも、そこにはあるがままの人間性というものがあふれています。
人間の五感、もしくは六感というものを離れて、ゲーテは作品を創りません。
そういった意味で、蔡倫が改良した紙というものは、人間の感覚に訴えかける、心地よいものを持っている気がするのです。
いかにバーチャルな世界が世の中に広がろうとも、私は紙というものの持つ手触り、音、響き、色合いというものに、人間は惹かれつづけるのではないかと考えています。
文字と紙と文学が織り成す、三位一体の喜びというものは、いつの時代にも支持され続ける気がしています。
以上、長くなりましたが、step0610さんの言葉にいろいろと触発されるものがあったので、お返事させて頂きます。
応援、ありがとうございます。
お仕事、頑張ってくださいね。
No.2
- 回答日時:
貴方の言われる「詩人になる」というのは詩で食べてゆくということを指していらっしゃるのでしょうか。
すると商業的に成功する詩を書かなくてはならず、商業で求められている作品と貴方が表現したいことが噛み合わないかも知れない、という可能性があります。
日本の現代詩人を代表する田村 隆一さん
http://d.hatena.ne.jp/keyword/%C5%C4%C2%BC%CE%B4 …
は、後藤 繁雄さん著作の、「独特老人」の対談で(確か)詩で食べて行けなかったのでアガサ・クリスティーの翻訳を多数されてた、と書かれていたことを記憶しています。教科書にも載る 石垣りんさんは、定年までずっと銀行に勤務してらしたとか。
書くこと、と生活して生きてゆくことに線があって残ってゆく作品が作れるのかなと最近思うようになりました。(私も書いていますし、すごく良く分かります。質問された方の気持ち)
女流の田辺聖子さんが、「何かを書きたい」と思うだけで立派に作家の才能があるとおっしゃっていました。多分、詩人になりたい!と思われる貴方は既に1人の詩人なのだと思います。ただ食べてゆくとなると...もし可能だとしてもきっと時間がかかります。
さて
雑誌といえば、
思潮社が発行する「現代詩手帖」を思い出します。詩の出版者ミッドナイトプレスから「詩の雑誌midnight press」が刊行されているみたいです。
http://www.midnightpress.co.jp/#
あと 雑誌は「詩と思想」
もし東京に御在住でしたら、こんな会もあるようです。
「詩と思想」研究会
http://homepage3.nifty.com/suiheisen/dream/shi-s …
公募、とのことですが、いろいろあるみたいですよ。
http://koubo.kitayu.com/html/04_06.html
いつも、大変、丁寧で貴重な情報を本当にありがとうございます。
教えて頂いたサイトもチェックさせて頂きました。
詩は書くのも読むのも大好きなのですが、
まずは定職について、小説家を目指そうかと思います。
そうして、もし、お金ができたら、詩の自費出版を目指そうと思います。
それでは、お互い、頑張りましょう。
本当にありがとうございました。
No.1
- 回答日時:
── 無名の若者ハインリヒ・ハイネが老ゲーテをヴァイマルに訪れた
のは一八二四年十月二日のことだった。(略)
「わたしは危うく彼にむかってギリシャ語で話しかけるところだった」
── 山下 肇・解説《ゲーテとの対話(下)19690317 岩波文庫》P391-392
わたしは、そもそも詩人という職業は存在しない、と思っています。
これからの文学はネット上でタダで読める作品が主流になるでしょう。
ゲーテは弁護士であり、文学賞を貰って世に出たのではありません。
── 夜の最も静かな時刻に、「私は詩を書かなければならないか」と
深く自己自身にたずね、「私は書かなければならないのだ」という力強
い一語のみかえってくるなら、あなたはその必然に従って生涯をつらぬ
きとおしなさい。 ── リルケ《若き詩人への手紙 19030217 》
── 《世界の古典名著・総解説 19931130 自由国民社》P440
あるいはしかし、かつて花形作家という職業は存在したのです。
美人カメラマンと離婚して、美人秘書を連れて放浪したり……。
わたしの、大好きなことば(出典不詳、1950年代のインタビュー?)
── コールドウエル「本を読む人と書く人がいる。私は書くほうだ」
<PRE>
Caldwell,Erskine 19031217 America 19870411 83 ~《Tobacco oad,1941》
Rilke,Rainer Maria 18751204 Duitch 19261229 51 ~《マルテの手記,1909》
Heine,Christian J. H. 17971213 Duitch 18560217 58 ~《Lore-Ley》
Goethe,Johann Wo. von 17490828 Duitch 18320322 82 ~《Faust,1806》
<PRE>
この回答への補足
興味深い示唆に富んだお返事に心から感謝いたします。ありがとうございます。
私は出版業界の現状や今後の展望といったものには、大変にうといのですが、bilda様以外の方からも、いくつかのアドバイスを頂き、小説家はともかく、日本では詩人という職業は生業として、ほとんど成立しないという事を聞きました。
確かに詩と真実に書かれたとおり、ゲーテのもともとは文学好きの法律家でありました。
そこで、さらにつっこんでお尋ねしたい事があります。
《これからの文学はネット上でタダで読める作品が主流になるでしょう。》
とかかれましたが、このご意見に大変、興味があります。そこで、上記のように主張される根拠がありましたら、ぜひ、教えてください。
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