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学校教育では、英語の学習の際、訳読がかなりの割合を占めているように思いますが、訳読によってどういう学習効果が期待されているのでしょうか?

批判も多いのに、なぜこのような教育が続けられているのでしょうか?ただ単に、昔の教育の遺物なのではなく、積極的な効果が期待されているはずなのでは?と思って質問させていただきます。

A 回答 (10件)

海外勤務をしている立場から発言させていただきます。


英語で書かれた文章を、できるだけ正確に母国語に訳せるということは、国際社会で仕事をする上で大変重要です。たとえご自身がネイティブスピーカーとほぼ同じレベルで、日本語を介在せず英語でコミュニケーションができるとしても、顧客が日本人だった場合など、商談をいちいち日本語で経過報告していく必要が生じます。自分だけが両端の事情を理解していても、きちんとした翻訳能力がなければその橋渡しをすることはできません。そこで、「訳せる」という技術は大変重要になってくるわけです。(そもそも鎖国をしていた日本にとって外国語技術取得の大目的は海外の知識を日本に伝達することだったと思われるので、翻訳偏重ともいえる傾向が生まれたのかもしれません。)
とにかく、単に外国人の友達がほしいとか、ただ英語圏で仕事がしたいというのであれば翻訳技術は必要ないでしょうが、日本人としての特質を生かして国際社会で活躍したいというのであれば翻訳技術は必須だと思います。また、日本での教育は当然「国益」を考えているでしょうから(笑)、英語を習得した人を英語圏に行きっぱなしにさせるのではなく、何らかの形でその英語力を持って得た利益を日本に還元してほしいと思って訳読に力を入れるのでは?
私自身が英語を習得した際は、なるべく日本語を解さずにということを念頭においてきましたが、海外勤務をするようになってから、正確な邦訳・英訳の大切さを痛感しています。
ただし、初歩の一般的な英語教育のメソッドとしてはいかなるものか、と私も思います。ある程度の日常会話が自然にできるレベルになり、語彙力も相応に積んでから、詳細な翻訳技術を学んでいくのが合理的では、と考えます。具体的には、中学生レベルでは訳読はあまりおこなわず、高校生になってからぐらいにすればよいのでは、というのが個人的な意見です。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
おっしゃる通り、二か国語ができることに何らかのメリット(たとえば、国益?)があるとすれば、その2か国語の間を行き来する能力(=翻訳・通訳)なのかもしれません。
学習のどの段階で訳読をいれるか、というのは、重要な点かと思います。

お礼日時:2004/11/23 13:17

私はフランス語は訳読で鍛えましたが、英語は あまり訳読しませんでした。

私のは少し特殊なケースですので参考までに。皆さんの仰ることは至極尤もなんですが、痒いところに手が届かない印象があります。

私は英語は小学3年生から始めまして、会話中心に覚えました。丁度 ネーティブの3歳レベルから始めました。最初は日本語を介して覚えましたが、次第に少しずづ日本語を使わないで英語を理解するレッスンを受けました。英語のフィーリングとかは少しずつ掴んでいきましたが、難しい文章を読むには程遠かったでした。

フランス語は中学2年生から始めました。最初は 英語圏の子供向けのフランス語の教材を使いました。ですから、仏→英 というプロセスで覚えていきました。
でも、子供向けの教材をマスターしたところで小説は読めません。かといって、英語圏の大人向けのフランス語の教材を使うほどの英語力もありませんでした。
それで、今度は 仏→日 というプロセスにシフトさせざるを得なくなります。それに、サルトルとかジッドとか やたら難しい小説を原文で読んでいました。

ある程度 フランス語を覚えたところで、仏仏辞典を購入しましたが、難しくて歯が立ちませんでした。それでも、仏仏辞典を引きまくり、一通り使いこなせるようになると、訳読しなくても理解できることに気付きました。

英語はというと、あまり難しいものは読みませんでした。フランス語でサルトルの「嘔吐」を読みながら 英語では「メリーポピンズ」を読んでいました。

そこで、私の中で逆転現象が起きました。簡単な会話なら英語の方がスムーズに出来るのに、難しい文章は
フランス語の方が得意いうものです。

そこで、私は とある方法を思いつきました。フランス人向けの英語の教材で 英語のおさらいをして、英仏の対訳叢書を何冊か読みました。すると、
この方法はオーソドックスな方法の半分以下の労力で
2倍以上の成果が実感できました。

私がそれらを通して得たのは英語とフランス語だけでなく、言語として何か普遍的なもの、外国語を覚える要領やセンスです。

私は現在、英米人向けの中国語の教材で中国語を学習していますが、自分でもコツを掴んでいるのが実感できます。

ただ、その要領やセンスというのも、理屈ではなく、
訳読+αの試練を乗り越えて、そこから自分で見出さないと会得できない気もします。何か、板前修業とも似ています。マニュアルだけではマスターできないもの、一見不合理に思えることの積み重ね、、、、。
長々と失礼しました。
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No1です。

補足します。

>外国語の学習には訳読は避けて通れない、とおっしゃることが、経験からあまりピンとこないのです。

外国語の教育法は国により又目的によって異なります。
例えばロマンス語間の外国語教育は自国語との違いを学べば充分です。英語とロマンス語間が次に易しいでしょう。日本語は欧米語ともっとも距離のある言語です。欧米での授業方法は参考にはなるでしょうが、良し悪しの
判断基準にはなりえないと思います。

私は多くの帰国子女と海外勤務体験のある大人を知っています。彼らのほとんどは会話に困らない力をつけています。しかし、日本の小説の翻訳や会社の通訳としては
駄目です。理由は簡単。日本語力に欠けているからです。(帰国子女)又2国語は理解できても人に説明することは困難です。(海外勤務体験者)なぜならほとんどの人は二国語の平均した文法知識がないからです。

訳読を他の方法とバランスを取りながら学べば、これらの欠点を補うことが出来ます。又国内では日本人の先生に習うわけですから、授業を100%外国語(日本人にとって)で行う海外の授業法は直接比較の対象になりません。

目的にあった方法でバランスよく学ぶ・・・これが平均した(通訳や翻訳家を目指さない人への)外国語教育法だと思います。
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この回答へのお礼

補足、ありがとうございます。
バランスが大事というのは、そうかもしれません。現状としては、大学などでは訳読に偏りすぎかな、と思います。

話はそれますが、帰国子女といってもいろいろで、一般化は避けたいところです。ただ、翻訳や通訳ができないことが多いのは、現地でそういう能力を必要とする場面がないからだと思います。学校や生活で、読む・書く・聞く・話すをきたえる場面はそれぞれあるので、きちんと勉強すれば力がつくはずですが、訳すことってほとんどないのですよね。でも、それが必ずしも語学力の欠如というわけではないと思います。それぞれの言語を扱う環境には、適応できるので。だから、翻訳・通訳の必要が生じたら、そのときは改めて学ぶのでしょうね。(それは、帰国子女ではなくても同じですが。)

お礼日時:2004/11/22 19:35

No6で漢文に関してひどく曲解されておりますのでそれを正しておきます。


まず、たいていの人は返り点・送り仮名がなければ読めなかった。そして、そういうものがついたものを読んでいたわけですが、これらがついていても翻訳ではありません。中途半端なのです。日本語にない名詞なんぞは全部音読みにしてしまいますし。
言葉には意味と役割があります。meであれば、「私」という意味と目的格という役割があります(大雑把に言えばですが)。漢文の返り点・送り仮名は、意味と役割のうち役割だけを示すものです。
動詞の下に来る名詞に「ヲ」と送り仮名をつけてあげればたいてい正解になります。返り点・送り仮名を打てる人は、経験則であるにしても、ひとつの統語論をもっていたわけです。

話を戻します。英語教育においてまず語られるべきはその「目標」でしょう。これがもし、三歳児程度の会話をすることなら大人のやるべきことではないでしょう。また、日本はアメリカの植民地ではないから、母国語を犠牲にするようなことも避けるべきでしょう。日本語が十分にできた上で、なおかつ英語ができることが目標だと思います。ただ、スタートラインが違う人もいるでしょうから一概には言えません。

一つだけいえることは、歴史教育や数学教育において、社会はあまり文句を言いません。古典とかもそうでしょう。漢文教育なんかは誰も文句を言わない。だからこそ、専門家が腕をふるえるということも大きいです。
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私はこのような学習方法を「クラシカルメソッド」と命名しています。

puddinさんもこの方法のデメリットを実感しているからこそ、質問を立てられたと思いますので メリットを説明します。
日本人が最初に学んだ外国語は中国語です。これは 現在でも「漢文」という形で学習されています。つまり、vanvanusさんが説明されている通り、中国語を日本語として読むために考案されたのが、レ点や返り点、送り仮名というわけです。
江戸時代の頃になると、蘭学が盛んになり、オランダ語を漢文に直して理解する方法も取られましたが、何かと不便だったらしいです。そして、幕末になると、オランダ語から英語にシフトします。そこで、日本人は とある方法を導入しました。それは、イギリス人がラテン語を習得する方法です。つまり、漢文を仲介させる方法ではなく、体系的に文法で厳密に定義付けするやり方です。
この方法の最大のメリットは、合理的に外国語を覚え、ラテン語やギリシャ語を学ぶ際の有効な足がかりになることです。英会話学校などで、空疎な会話がペラペラになったところで ラテン語はお手上げでしょう。しかし、そのメリットさえも、母国語さえ 文法的に体系的に定義付けて把握していなければ、享受できるどころか 逆効果になりますし、日本人がラテン語やギリシャ語を学んだところで、殆ど役に立ちませんけどね。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
デメリット、というのもありますが、私自身はこの方法が非常にあわなかったんですね。(すでに海外で英語を身につけていて、帰国したら日本のほかの学生と同じように訳読する、というのが。私自身は訳読の恩恵をほとんど受けていないので、どういうメリットがあるとされているのか知りたい、と思いました。)

お礼日時:2004/11/22 19:07

私は教える側の人間です。


悪評高い訳読を、敢えて採用しています。
それは、訳読が英文解釈において「ごまかしの効かない」もの、もっとはっきり言えば「ごまかしがすぐにバレル」方法だからです。

◆だから教える側にも注意が必要です。
生徒の質問に対し、
「うーん、こういうニュアンスなんだよ」
という程度の返答しか出来ない先生は、力がないことと言って間違いありません。
逆に
「文法的にはこういう説明になる…
 そして文脈から考えれば、こういう観点で説明できる…」
のようにピシッとした答えが出来る先生は、
力量のある先生です。

◆訳読は、力量のある先生が教えたときに最も効果を発揮するのです。
 戦前までは、高度な教育を受ける人が限られていましたから、高度な読解力を要求する旧制中学校の先生たちは、相当力のある人たちで占められていました。
 しかし戦後、高度経済成長を果たし、高学歴社会になった今では、事実上誰でも高等教育を受けています。
 そのため、英語の教師はたくさん必要になって、効果的に訳読法を教えられない人が増えた。
 また同時に、教わる生徒・学生の側でも、訳読によって得た知識を英語の知識として定着させられない者が増えたわけです。だから真の効果が発揮されていないのです。

◆なぜこのような教育が続けられているのか、については、「訳読法」についてだけ考えていると答えが出ません。
 私は現在、離職して一年間イギリスで研究していますが、イギリスで移民の子どもを見ていても、恐怖を感じるくらい英語に適応していく光景をよく目にします。
 そこから分かるとおり、日本人が英語を始める12歳という年齢は、言語習得という観点からみて遅すぎるのです。
 しかし日本の現実は、12歳からのスタートですね。
 12歳で英語を始めながら、大学で世界にひけをとらないだけのレベルを維持するには、文法教育と訳読法しかないのです。買い物レベルの英語力で、大学生を目指せというほうが無茶ですから、この方法は簡単に捨てられません。

◆文法教育は抽象思考が出来なければ成果が出ません。訳読法は分析能力がなければ不可能です。日本の英語教育は、抽象思考と分析能力の育成でもあるわけです。しかし言語教育という点では欠点が多くあります。
 たとえ、英語教育を6歳から始めたとしても、最終的に高校レベルでは訳読法が必要になると思います。
 言語教育の理想は、耳から入り、体験し、文字を覚え、書いたり読んだりするという順序です。しかし12歳から学ぶ人に、それはもう無理なのです。訳読法を撤廃するには、英語教育のシステム全体の観点からの議論が必要になるのです。
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この回答へのお礼

丁寧なご回答、ありがとうございます。

年齢からいって、訳読が一番効果的ということですね。なるほど。

お礼日時:2004/11/22 18:59

まず、「正確な訳読」はほとんどできていないのが実情です。

大学で訳読の授業をしていても、関係代名詞が入るだけで理解できなくなる。そんなことが非常に多いようです。
大学でも、訳読の授業は減っているようですが、まあそれを支えている人たちの立場を代弁するとすれば、
(1) 論理的思考力を鍛えるという側面がある。英会話にはある程度「慣れ」があるかもしれないが、慣れは知性ではない。
(2) 難しい文章は訳読しなければ理解できないのが普通である。例えば、dogという言葉から「犬」という言葉を介さずにワンワン吠える動物をイメージすることはできても、相当難解な文章ではそれは無理。少なくとも助詞だけは介在させないとわからないはずだし、それでも「わかる」と主張できるのは日本語を忘れたか、読んでいる文章が容易かである。

漢文については以下について語っておきます。
(1)返り点、送り仮名がつけられる人は少数だった。たいていの人はそういうものが既についているものを読んでいた。
(2)送り仮名は基本的には助詞で、単語の意味までは訳していない。つまり、「Iはyouをloveする」の段階にとどめている。いいかえれば、役割が重要な単語だけ訳し、意味が重要な単語は訳していない。
(3)返り点はできるだけつけないでいくように努力している。例えば、「吾曰A」を、「吾Aをいふ」と読まずに「吾曰く、Aと」のようにして返り点をつけない。いうまでもなく、Aの部分が巨大化して返り点で大きく戻るのを避けるためである。 
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この回答へのお礼

またまた、回答ありがとうございます。

> 難しい文章は訳読しなければ理解できないのが普通である。

たしかに、日本でいう「普通」では、高度な文章を読んでそのまま理解するというのは、なかなか難しいのかもしれません。ただ、外国語のレベルが上がれば、難しい文章がそのまま「わかる」という状態になると思います。(経験的に。)

お礼日時:2004/11/22 14:42

教える側からしますと、訳読は方法論的に教えやすいんですね、良い悪いは別問題として。

逆に言えば、日本の語学教師が訳読重視の教育を受けてきた証でもあります。

さらに話をさかのぼれば、漢文(つまり中国語)を日本に持ってきて、日本人は訓点やら一、二点という独自の方法で「訳読」したという経験を持っています。この方法論で、ある程度まで漢文を日本の知識人の中に浸透させることができたんですね。

英語を訳読させるのも、無意識のうちに我々日本人の先祖様たちがしてきたことを是と判断してのことかもしれません。あるいは、日本人に合った方法論なのかもしれません。

以上、まったく根拠はありませんが、参考程度に。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。
たしかに、今までの教育法としては、訳読が受け継がれてきたのであるし、自分が教わった方法で自分の生徒にも教えるっていうこともあるのかもしれません。

お礼日時:2004/11/22 14:34

訳読については批判も多く、今や「正確な訳読」は学校ではほとんどないように思いますが、


(1) かつて日本では、「外国の良いもの」を導入するのが国是であって、その際にはどうしても「訳読」が必要だった。
(2) 「訳読」には「ルールに従って考察していく理性」が必要で(例えば名詞以外を主語にすることはできない)、「論理的考察力」をつける(あるいはそれを測る)上できわめて妥当である。
(3) 「訳読」では、一部の人間にしか理解できないような難解なものもあり、一部の人間しか行かないはずの高等教育を目指すものには内容的にも妥当である。

などが考えられます。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

ほとんどないのでしょうか?中高の教育については、私自身よく知りませんが(海外の学校だったので)、少なくとも大学では訳読がまだ主流のように思いますが。
今の大学におけて、訳読はどういう効果が期待されているのかについて、と考えて、答えてくださってもいいです。

お礼日時:2004/11/21 23:44

外国語を学ぶのに訳読は避けて通れないと思います。


大意を掴むだけの速読や意思疎通を目的とする会話では
細かい文法よりもスピードと表現力、ヒヤリング能力が問われますが、外国語の文献を通じて知識を得るためには訳読の訓練を積み、文法を正しく理解し、正しい日本語に翻訳する能力が求められます。日本語力がなければ正しい訳読は出来ません。

問題は訳読そのものにあるのではなく、その外国語を学ぶ目的に応じたバランスある学習方法にあると思います。目的に応じて会話、訳読、翻訳の比重をどうするか
ということでしょう。外国で仕事をする機会もなく、貿易に従事することもない多くの日本人には訳読は生涯を通じて役に立つ学習法かも知れません。
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この回答へのお礼

ありがとうございます。

私個人のことについていえば、英語は小学生や中学生のころ、主に外国で身につけたものでした。外国語の学習には訳読は避けて通れない、とおっしゃることが、経験からあまりピンとこないのです。(中国語も大きくなってから身につけましたが、中国人の先生に中国語で教わりました。訳読は勉強していません。)

大学は日本ですが、訳読の授業に出会いました。英語を読んで日本語に直すというのが、英文の理解に遠回りなような気がしていました。

お礼日時:2004/11/21 23:37

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