高2の男ですが、生物の資料集を読んでいたらRNAワールドという文字を発見しました。
らせん状のDNAが作られる前には、(たしか)構造がらせん状ではないRNAが世界を作っていたRNAワールドが存在していたという説がある。なんて内容でした。
このRNAワールドについてはいったいどこまで分っているのでしょうか?
もしくわ本当にまだ理論上だけの世界で未知数の話なのでしょうか?
分っている、または仮説が立っているとしたら、何年前くらいに存在したのか、RNAワールドは具体的にはどのような環境でどのような生き物が生存していたのでしょうか?
ご返答お願いします。
No.1ベストアンサー
- 回答日時:
まずセントラルドグマというものをご存知でしょうか?生物はDNAという設計図からいったんRNAにデータをうつしとり、それもとにしてタンパクを合成して体を作り上げます。
しかしながらDNAやRNAはタンパクがないと作ることはできません。よってDNA、RNA、タンパクのどれが最初に存在したのかというのがずっと謎でした。RNAワールドはここ十数年のうちに述べられたものでRNAが一番最初に存在し、そこからDNAができ、タンパクを合成するようになったのではないかという仮説です。しかしながらこの理論は非常に道理がいくものでほぼ間違いがないのではないかと思います。
RNAというのはDNAと違い、分解しやすく変異しやすい構造になっています。RNAではウラシルという塩基が存在しますがDNAではその代わりにチミンが存在しますよね。実はこのウラシルはシトシンに非常に変化しやすいのですがチミンは変化しません。そしてチミンはウラシルが変化しにくくなるように加工された形になっています。このことから先にRNAが存在していたが、安定に設計図を保存して行くためにDNAが生まれたのではないかと考えられています。
次にタンパクの問題なのですが、実はRNAの中にはタンパク(酵素)と同じ働きをするような特別な種類のRNA(リボザイム)があることが近年わかりました。よってタンパクがなくてもRNAやDNAを作ることができたのですが、より効率よくできるようにその機能をタンパクに譲ったのではないかと考えられています。RNAは4種類の塩基の組み合わせでできています。それに比べタンパクは、20種類のアミノ酸の組み合わせでできています。よってタンパクのほうがより多種多様なものを作り上げることができますよね。
ということでRNAワールドというのは世界という意味ではなく、進化の過程という感じです。非常に難しい内容なので説明が不足でしたら申し訳ありません。
ご返答ありがとうございます。
なるほどRNAはDNAの働きもできるし、タンパクの働きもできる(ものがある)ということですか。
つまりRNA1つあるだけで十分であったが、さらなる進化のために設計図保存用のDNA、身体構成用のタンパクと進化(?)したというわけですね?
昔は遺伝子レベルから進化していったんですね。
丁寧な説明ありがとうごいました。
No.3
- 回答日時:
#2の補足をします。
生物が誕生する前なので、RNAは海に浮遊していたのだと思います。
ただぽつんと浮遊していたのではすぐ壊れてしまうので、多くのRNAやその他の細かい有機物が形成され、高い濃度になりうる環境が海のどこかにあったことが前提になります。
もしかしたら、現在の細胞膜に似たもので保護されていたのかもしれません。
これを生命と呼べるかどうかはかなり曖昧なところです。
参考URLによると、
DNAと蛋白質の関係は、鶏と卵の関係のようにどちらの合成にもどちらかが必要なので、どちらが先にあったのか分からなかったが、RNAならどちらの役割も果たせるので、DNAと蛋白質の共通祖先(?)だったのではないかというのがRNAワールド説で、RNAの前にもその祖先があるかもしれないという説もあるようです。
原始の海を再現した実験では、電流を流しても一気にに生命を誕生させることはできませんでしたから、生命が誕生する前にも段階的な生化学的なシステムの進化があったと考えるのは正しそうですね。
参考URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/RNA%E3%83%AF%E3%83% …
ご回答ありがとうございました。
海に浮遊していたと考えられるのですか。
なるほど、生命の源は本当に海からなんですね~。
それよりまず生命の具体的な定義を作らないといけませんね。
RNAワールドのRNA達はただの化学反応の連鎖だけなのか、それとも生命と呼べるかは判断できませんしね。
生命の定義を作ったら今まで生命と呼んでいたものも実は生命ではなくなるという可能性も出てきますね!
お探しのQ&Aが見つからない時は、教えて!gooで質問しましょう!
似たような質問が見つかりました
- 生物学 mRNAとtRNAについて 1 2023/01/17 16:59
- その他(病気・怪我・症状) 新型コロナワクチン接種後にクロイツフェルト・ヤコブ病が発症、確定した患者26人全員死亡したという論文 7 2022/06/09 04:07
- 医療・安全 新型コロナワクチンの問題は m-RNAが自然感染のものは2分程度で消滅しますがワクチン接種後のm-R 1 2023/07/11 04:33
- 生物学 セントラルドグマの流れはこれであっていますでしょうか? DNAの遺伝情報がRNAポリメラーゼによって 2 2022/09/09 22:13
- 医学 新型 コロナワクチン 今回のP社、M社のワクチンはRNAで、AZ社にいたってはDNAです。あなたの設 7 2022/09/15 23:40
- 医療・安全 新型コロナm-RNAワクチンにはこういう特徴があるらしいですがどう思いますか? 1 一定量の分解され 6 2023/07/25 09:18
- その他(ニュース・時事問題) 中国は、コロナの弱毒化の確認場&コロナ感染政策の実験場? 1 2022/12/28 23:55
- 医療・安全 ゲノム編集で植物ポテンシャル最大化 2 2022/06/30 23:25
- 哲学 《うそ》の問題――《虚数》にたとえられるか? 15 2023/05/10 22:23
- 医療・安全 マスクしつづける方は 緊急事態条項・パンデミック条約について どう捉えていますか? 8 2023/03/18 20:27
おすすめ情報
デイリーランキングこのカテゴリの人気デイリーQ&Aランキング
-
ただしいデカントの方法
-
電子レンジでアガロースゲルが...
-
エチジウムブロマイドを触って...
-
高濃度ポリアクリルアミドゲル...
-
頭骨標本の脱脂用に使っている...
-
PCRのサイズマーカーとは?
-
SDS-PAGEで分離したタンパク質...
-
タンパク質の収率
-
PAS染色による糖鎖(糖タンパク...
-
SDS-PAGEの染色について
-
ウェスタンとCBB染色のマーカー...
-
タンパク質の分子量測定、なぜ...
-
ブラッドフォード法と電気泳動...
-
どうしてもエタノール沈殿が上...
-
アガロースゲルの濃度
-
可溶性画分と不溶性画分について
-
凍結乾燥の失敗について
-
アミノ酸のL型、D型の区別そ仕方
-
精液について
-
電気泳動 SDSの熱処理について
マンスリーランキングこのカテゴリの人気マンスリーQ&Aランキング
-
SDS-PAGEで、ゲルを作製すると...
-
ただしいデカントの方法
-
エチジウムブロマイドを触って...
-
凍結乾燥の失敗について
-
どうしてもエタノール沈殿が上...
-
可溶性画分と不溶性画分について
-
頭骨標本の脱脂用に使っている...
-
血清の採取方法
-
Native-PAGEをウェスタンに使う
-
精製方法の違いが分かりません
-
native-PAGE
-
ウェスタンとCBB染色のマーカー...
-
SDSサンプルバッファーを使...
-
電子レンジでアガロースゲルが...
-
「ドミナントネガティブ」
-
Western blotting -バンドがす...
-
アガロースゲル電気泳動の失敗
-
LC-ESI-MSとLC-MADLI-MSの違い...
-
coomassie blue染色とゲル乾燥
-
DNAの濃縮方法、分離&精製方法
おすすめ情報