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 「グローバリゼーション」という言葉を最近よくに耳にしますのでいろいろなサイトをまわって調べてみました。が、おバカなようで今ひとつ理解できていません(-_-;)グローバリゼーションが弱肉強食的な構造やアメリカの一人勝ち型の社会を作りだすということは理解できるのですが、具体的に貧しい国がさらに貧しくなるのはなぜなのでしょうか?単純な私は、貧しいところに経済的に豊かな国がやってきて、そこでも商売をはじめれば、その貧しい国も豊かになるように思ってしまうんですけど・・・
 それと、このグローバリゼーションの問題を克服するためにはどうしたら良いのでしょうか。グローバル化が進む世界の中で貧しい国の経済を守り、発展させていくためにはどうしたらよいのでしょうか。個人的なご意見でかまいませんのでお聞かせください。
 できればこんなおバカな私でも理解できるように解説していただければうれしいです。・・・注文多くてホントすいませんm(__)m

A 回答 (1件)

私も完全に理解してるわけではありませんが、できる限り回答します。



>グローバリゼーションが弱肉強食的な構造やアメリカの一人勝ち型の社会を作りだすということは理解できるのですが

まさにその通りです。


>具体的に貧しい国がさらに貧しくなるのはなぜなのでしょうか?単純な私は、貧しいところに経済的に豊かな国がやってきて、そこでも商売をはじめれば、その貧しい国も豊かになるように思ってしまうんですけど・・・


そう、ポイントはここだと思います。経済の考え方に付いてはいろんな考え方があります。(1)完全な自由競争である資本主義、(2)経済を国家がすみからすみまで完全に統制する計画経済、(3)競争的であるべき部分は民間に任せて、自国の弱い部分は防御(ブロック)するように規制し、経済成長を続けるように国家が導くやり方をとる、半資本主義・半計画経済  この三つに大方まとめられると私は考えています。(1)の代表的な国はアメリカ合衆国、(2)は旧ソビエト連邦、そして(3)が問題です。(3)の最も代表的な国は日本、ドイツです。


冷戦時代、アメリカとソ連はお互いの経済構造こそが正しいと主張したことからも分かるように、アメリカは純粋な資本主義経済しか認めません。純粋な資本主義というのは、アダムスミスに代表されるような古典派経済学の考えです。もちろんソ連はマルクス経済学だったのですが、その考え方が失敗であって、アメリカの主張する純粋な資本主義が正しいかのように見えるのは、冷戦にアメリカが勝ったからです。つまり、冷戦出の勝利=アメリカの経済が正しい、とは言えないのだと考えます。

具体的な話しに入りますと、アメリカの主張する完全自由貿易の自由競争である資本主義を徹底していくためには、他国と自由に交易するわけですから変な「決り」や「規則」はあってはならないわけです。その「決り」や「規則」は多くの国が自国の内情に合わせて制定している法律なわけですが、アメリカの主張する「新古典派」的考え方からすると、国家は経済に関与してはいけない「夜警国家」であるべきだという考えなのです。


ではアメリカの「新古典派」的な考えは正しいのでしょうか。そこの所が一番肝心です。もし、アメリカの主張が正しいならグローバリゼーションも正しいはずです。 リカードが主張した「比較優位論」という考え方は「国家間で自由貿易をしていればお互いに生産の効率が上がってお互いの利益になる」というものです。この考えが新古典派に近い考え方です。しかし、リストはこの考えには賛成していません。リストは「保護貿易論」で有名です。すなわち、「まだ発展していない国にとって自由貿易はその国の利益にはならず、国家規模が大きくなるまでその国家の経済は保護されるべきだ」といった考えです。実はこのリストの考えこそ今の世界に採用されるべき主張なのだと私は考えます。 つまりアメリカやリカードのような考え方は大国(先進国)同士で成り立つ話しで、発展途上国で経済を開放しても混乱を起こすだけなのです。


国家が発展段階にある時、国家を安定的に高く成長させるには国家が主体になって経済を指導していかなければならなかったのです。もちろん、すべて国家が指導するのではなくて、経営の部分は民間にまかせ、その生産量や資金源である金融部門を指揮するわけです。ソ連はすべての国民を平等に扱おうとしたばかりに、高い生産性を見せたのは初期だけでした。あとは非効率な部分が残ったままなおざりにされ、生産性はどんどん低下していきました。そうではなくて、効率的な部分は民間に任せて一方で平等性を確保し、国家の弱い部分を規制によって保護し、高い治安と競争力を維持するシステムがあったのです。それを見事に実行していたのが日本です。アジア各国はこの「日本型システム」をとり入れようとしました。アジア各国はそれまで南米の国々が自由貿易によってどれほど混乱したか知っていました。それに比べて日本は高い成長率、高い競争率、高い平等性、それに加えて世界第2位のGDP。日本型システムを導入した方が安定成長できることは明白でした。そして、90年代、アジアは「アジアの奇跡」と呼ばれるほどの高成長を日本型システムで達成しました。


しかし、97年にアジア通貨危機が欧米によって引き起こされ、アジア各国は「日本型システムは役に立たない」とアメリカやIMFに言われ、IMFのいう経済改善策で経済を立て直すなら援助してやると言われました。しかし、そのIMFのいう改善方法が新古典派的な考えから来てるものであったがゆえに、アジア各国の経済は大混乱しました。ただ唯一の例外であるマレーシアのマハティール首相だけは「ルックイースト政策」をかかげ、日本型システムを忠実に実行してIMFに対抗しました。IMFの救済の条件は、救済を受ける国の銀行や主な企業に代表者を送ることでした。つまり、救済を受け入れた国は自国の産業を乗っ取られることになったのです。簡単に言えばもともと欧米はアジアの産業を乗っ取るつもりで通貨危機を引き起こしたのです。だからマレーシアはなんとか欧米の策略から逃れることができました。そしてなにより、他のアジア諸国より早く経済を回復させることに成功しました。このことからも日本型システムが発展途上国に有効なことがわかるのですが、それによって計算が狂ったのがアメリカです。アメリカからすれば、IMFの経済回復のための指導を忠実に実行している国より、それどころか日本型システムを忠実に実行した国の方が早く回復してはならなかったのです。なぜなら、彼らの主張が間違っていたことになるからです。だからマレーシアが経済を回復させるとアメリカはおお慌てでアジアの他の国々の経済を回復させることを決めました。これによってアジアの混乱はやっと最悪の状況から脱しました。  アメリカにとって第2の誤算はアジア通貨危機が余りにも強力過ぎたため、それがロシアに波及し、果てはヨーロッパ、そしてアメリカ自身に飛び火しました。その時慌てたアメリカはアジアに対しては「国家は経済に関与してはいけないから経済を自由化しろ」と主張して、一方で自分の国が危険にさらされるとアメリカ政府が金融機関や企業を救済し始めたのです。これによってアメリカの主張が「方便」でしかないことと、アジア各国が見事にだまされたこと、そして日本型システムはやはり正しかったことが確認されました。


アジア通貨危機によって、なくなりつつあった貧困が復活し、治安も悪化しました。そして所得格差が激しくなりました。アジアの国はいつまでたっても大多数の人が貧乏のままでいることになりました。経済は数十年遅れたという経済学者もいます。これがアメリカの掲げるグローバリゼーションのありがたい成果です。このグローバリゼーションはアメリカの・み・を豊かにする論法です。そんな論法を世界のほかの国が受け入れる必要はないのです。


>問題を克服するためにはどうしたら良いのでしょうか。グローバル化が進む世界の中で貧しい国の経済を守り、発展させていくためにはどうしたらよいのでしょうか。個人的なご意見でかまいませんのでお聞かせください。

その一つの解決方はヨーロッパにあります。つまり通貨統一です。最終的な目的は経済そのものの統一です。そうして日本やアメリカからの金融攻撃から身を守ろうとしているのです。アジアでもそれは可能です。すでにアメリカも南北アメリカ大陸を中心に貿易圏を作っているのですから、二度とアジア通貨危機を起こさせないためにもアジアの通貨をひとまず統一しておく必要があります。そして最終的にはヨーロッパ、アメリカ、アジアでのブロック化された経済圏が確立されれば理想的です。

 










 
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この回答へのお礼

 回答ありがとうございます。こんなに丁寧に詳しく教えていただけて本当に感謝しております。なんとなくですが、グローバリゼーションの不公平な仕組みが理解できました。本来公平であるべき機関がアメリカの独裁体制的な社会構造を助長させているということでしょうか。

本当にありがとうございました

お礼日時:2002/12/02 23:05

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