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エネルギ-回収のひとつで、廃熱から動力を得る方法としてスタリ-ングエンジンが有効であると聞きました。
その原理、利用分野、実施例、今後の見込み等を教えてください。

A 回答 (2件)

動作原理などはHPの方が詳しいと思いますので(大体,ここでは図が書けないし),


背景や原理的なことだけちょっと書きます.

こういう話のときのエンジン(熱機関)とは,
高温熱源(絶対温度 TH)と低温熱源(絶対温度 TL)の間で動作し,
高温熱源から熱 QH をもらって,
その一部を電気その他のエネルギーW(熱エネルギー以外のもの)にし,
残りの QL を低温熱源(通常は環境の温度)に排出するものをいいます.
当然 QH = QL + W です.
QH を全部Wにできればいいんですが,理論的にカルノー(Carnot)の制限があって,
効率は W/QH ≦ (TH - TL)/TH であることが知られています.
熱の漏れや摩擦などのロスは全くないとしての話です.
(TH - TL)/TH をカルノー効率と呼んでいます.
これ以上の効率をもつエンジンがあると,
外から何もエネルギーを供給せずに熱を低温部から高温部に流せることになってしまう,
ということがわかっています.

で,出来るだけカルノーの制限値に効率を近づけたい.
ガソリンエンジンやディーゼルエンジンでは,
動作原理的にカルノーの効率まで行かないことが知られています.
その上に,まだ熱い燃焼ガスを排気したりしますから,なおさら効率が悪い.
その点,スターリングエンジンは原理的にカルノーの効率まで行けます.
もちろん,熱の漏れや摩擦などで実際の効率はもっと下がりますが,
原理的に効率が高いのは強みです.

他に,ガソリンエンジンなど(内燃機関)との大きな違いは,
スターリング機関が外燃機関だということです.
シリンダーの中でものを燃やすのではなくて,外から熱を加える.
例えば,蒸気機関は外燃機関です.
だから,燃料は何でも良いし,燃料がなくても温度差さえあれば動作します.
廃熱も使えますし,
日向と日陰でもいい(その程度の温度差で実際うまくいくかどうかは知りませんが)のです.

ガソリンなどの燃料を使って,という場合にはなかなか難しいかも知れません.
まず,外燃機関は内燃機関に比べてどうしても大型になります.
それから,外から熱を加えるとなると,
材料面からあまり温度を高くできない(7~800℃位?).
一方,ガソリンエンジンの燃焼温度は 1800℃くらいですかね.
カルノーの効率の式からもわかりますように,
一般的に TH が高いほど効率がいいですから,
あまりスターリングエンジンは得にならないようです.
スターリングエンジン搭載の車を見ないのは,こういうことが原因でしょうか.

廃熱利用にはまさに適していそうですね.
特に,固定場所で使うなら可搬性の欠陥はあまり関係なさそうです.
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以下の参考URLサイトは参考になりますでしょうか?


「熱を運ぶスターリングエンジン」
http://techni.tachemie.uni-leipzig.de/stirling/i …
(アニメ)
http://www.srimot.go.jp/eng/khirata/list/listj.htm
(業績リスト)

以下の成書は如何でしょうか(内容未確認!)?
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模型スターリングエンジン/岩本昭一[他]/山海堂/2000.3 
スターリングエンジンの理論と設計/山下巌/山海堂/1999.7 
模型スターリングエンジン/浜口和洋/山海堂/1997.4 
スターリング・エンジンの製作/石田正治/全国工業高等学校長協…/1991.1 
スターリングエンジン/兵働務,米田裕彦/パワー社/1990.1 
スターリング・エンジンの製作/石田正治/愛知県立豊橋工業高等…/1987.10 
スターリングエンジン外国特許/新エネルギー総合開発…/昭和60(1985)… 
スターリングエンジンの開発/一色尚次/工業調査会/1982.7 
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ご参考まで。

参考URL:http://www.edu-c.pref.gunma.jp/gakko/tyu/mtdnsjh …
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