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物質はエネルギーに変換できると聞きました。原子力発電所や原爆などです。それでは具体的に知りたいのですが、1グラムの物質をエネルギーに変換するとすればいったいどれぐらいのエネルギーになるのでしょうか。物質によって違うのですか?その物質はなくなってしまうのですか?正確な数字というよりもわかりやすく教えていただければうれしいです。どなたかよろしくお願いいたします。

A 回答 (8件)

アインシュタインによりますと E = mc^2 ということです.


m = 1[g] = 10^(-3) [kg],
c = 3×10^8 [m/s]
で計算しますと,E≒10^14 [kg m^2 s^(-2)] = 10^14 [J]
です.J はジュール.
水1グラムを1℃上昇させるには 1 [cal] = 4.2 [J] 必要ですから,
水 1 [kg] を 100℃ 上昇させるには 4.2×10^5 [J] 必要.
したがって,先ほどのEを 4.2×10^5 [J] で割りまして
大体 2×10^8 [kg] = 20 万トン,の水を 0℃ から 100℃ まで
暖められます.
なかなか大したものです.

電力にしてみましょう.1 [kWh] = 10^3×3600 [J] ですから
先ほどのEは E ≒ 3×10^7 [kWh] です.
日本の年間総発電量は 10^12 [kWh] の程度ですから,
あちゃ~,全然及ばない.
やっぱり日本の年間総発電量はすごいですね.

原発にしろ原爆にしろ,核分裂を使っていますが,
分裂する前の質量と,分裂後のものを全部合わせた質量はすこし違っていて,
後者の方が小さくなっています.
この欠損分が E=mc^2 でエネルギーに化けたのです.
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この回答へのお礼

御解答ありがとうございます。非常によくわかる説明ですね。中学生のときに習ったことで計算できるわけですね。アインシュタインのは習いませんでしたが。

お礼日時:2001/01/31 21:18

どんどん話が難しくなっていくような....(^^;)



> 分裂してもエネルギーを出し融合してもエネルギーを出す
> というのがどうも矛盾してるように思えて

そうか,ちょっと説明不足だったか.
面と向かって議論してりゃ何でもないんですが....
これだから,本書くってのは難しい.
さすが stomachman さん,適切な説明ありがとうございました.

>1の質量の反陽子と1の質量の陽子で2の質量になり,
> それを例のE=mc^2に当てはめたエネルギーが出るのかな?

そうです.
陽子と反陽子の質量は同じですが,反陽子の方は質量数を-1
と書きます.
こうすると,陽子と反陽子を一緒にすると質量数ゼロになって,
消滅することをうまく表せます.
中性子にも反中性子があります.反中性子も質量数-1.

> 実際に陽電子、反陽子、というものは実際に存在するのですか
> それなりのエネルギーがあれば陽子、反陽子は作れるものなのか?

実際に存在しますし,作れます.
陽電子存在の予言は1928年 P. A. M. ディラック(1933年のノーベル物理学賞).
確認は1932年 C. D. アンダーソン(1936年のノーベル物理学賞)で,
宇宙線の霧箱写真で発見.
電子対生成は1933年ジョリオ・キュリー夫妻が実験的確認(1935年ノーベル化学賞)
反陽子はカリフォルニア大学の加速器を使って,
1955年に E. セグレ,O. チェンバレンらが作った(1959年のノーベル物理学賞)

みんなノーベル賞の仕事ですね.
ジョリオ・キュリー夫妻の奥さんの方のイレーヌは,
有名なピエール,マリー夫妻の娘です.
マリーもイレーヌも白血病で亡くなったから,やはり放射線の影響が....

陽電子を物質に当てて物性研究を行うのは,もうかなり普及した手段になっています.
と言ったって,そこらで陽電子売っているわけじゃありません(^_^).
β(+)崩壊する原子核からは陽電子が出てきますから,それを使うのが普通です.
http://dbs.c.u-tokyo.ac.jp/~hyodo/
http://nucl.phys.s.u-tokyo.ac.jp/asacusa/index-j …
などご覧下さい.
その他にも,陽電子や反陽子で検索するとたくさん出てきます.
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この回答へのお礼

たびたびの御解答ありがとうございます。

>面と向かって議論してりゃ何でもないんですが....

ほんとにそうですよね。

でもおおよそのことはわかりました。時間をとってり教えてくださった皆さんありがとうございました。このようなことは考えれば考えるほど、知れば知るほど疑問がわいてくるものです。疑問をわかせるのは簡単だけれど、それを証明実証するのはとても大変なのでしょうね。ノーベル賞ですからね。でもそのような努力が報われてスタートレックもいつかは夢ではなくなるかもしれませんね。

私はといえば身近なことに驚愕するような事実が隠されていることを改めて知りました。妻には知ったかぶりをして、子供たちには面白く興味深く話せれたらと思っています。

教えて!Goo初めて使わせていただきました。長年のそぼくな疑問に皆さん親切に答えてくださりありがとうございました。

お礼日時:2001/02/01 21:30

分かりやすく。

できるかな?

●核分裂と核融合
 原子核が鉄の原子核より大きい元素は、ちょっと無理して集まっている。逆に、鉄原子核より小さい元素は、ちょっと無理して別れてる。逆に言えば、鉄の原子核を分裂させても、何かくっつけても、エネルギーは取り出せません。
 原子核が大きいやつに中性子をぶつけてやると原子核が壊れる。これが原発でやってる核分裂。
一方、軽い原子核同士をくっつけるには、原子核(プラスの電気を帯びています)同士の電気的反発力にうち勝って原子核どうしを近づけるために、もの凄いスピードでぶつける。つまり非常に高温にしなくてはならない。太陽で起こっている核融合です。
 いずれにせよ無理を解消してやることで、その「ちょっと無理してる」エネルギーを解放して取り出すわけでして、陽子や中性子の数は変わっていません。

●対消滅
 陽電子という粒子があります。電子にそっくりなんだけど、電荷が逆。電子はマイナス、陽電子はプラスの電気を帯びています。陽電子と電子がぶつかると、ホントに消滅してしまい、その質量に相当するエネルギー(ガンマ線)が発生します。このような「差し引きすると消滅してしまう」粒子同士のことを、互いに「反粒子」である、と言い、この消滅現象を「対(つい)消滅」と言います。同じように陽子にその反粒子である反陽子がぶつかっても消滅。本当に粒子の数が減ってしまいます。
 反陽子の周りを陽電子が回っている、という原子、すなわち反水素原子を考えることもできます。反水素と水素を混合すればボカン。全部消滅するでしょう。一般に「反物質」といいます。
 「スタートレック」に出てくる宇宙船エンタープライズ号のエネルギー源はこの反物質(antimatter)です。燃えかすというものがない。全然無駄が出ない理想の燃料ですが、普通の物質に触れると大爆発するわけで、保存しておくのは大変難しいですね。

●ともあれ、核分裂・核融合と、対消滅とは別の種類の現象です。しばしば混同したような説明がなされる事があるのでご注意。

この回答への補足

とはいうものの??疑問??でいっぱいになります。実際に陽電子、反陽子、というものは実際に存在するのですか?理論の中だけで存在するもの?実際に存在するけどすぐに消滅してなくなってしまうから見つかっていないのか?その質量は?1の質量の反陽子と1の質量の陽子で2の質量になり、それを例のE=mc^2に当てはめたエネルギーが出るのかな?Siegmund博士にも質問したのですが、それなりのエネルギーがあれば陽子、反陽子は作れるものなのか?

もしよければ教えてください。

でも私は頭をたくさん使いましたので今日は休みたいと思います。昨日、今日と答えてくださった皆様ありがとうございました。

補足日時:2001/01/31 23:31
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この回答へのお礼

御解答ありがとうございます。わかりましたぞ。Siegmund博士の言っておられたことが。stomachman博士の鉄の説明で。分裂してもエネルギーを出し融合してもエネルギーを出すというのがどうも矛盾してるように思えて理解できなかったのです。

対消滅の説明も理解できました。ありがとうございます。

お礼日時:2001/01/31 23:31

siegmund です.



中性子などの数で言うなら,核分裂の前後で変化しません.

原子核は中性子N個と陽子Z個からなっていますが,
その質量 m(Z,N) は孤立した中性子N個と陽子Z個の質量を合計したものより
軽くなっています.
軽くなっている分が結合エネルギーです.
孤立したところから測りますと結合エネルギーは負です.
結合するとエネルギーが得する(低くなる)から結合していられるんで,
結合すればエネルギー的に損なら勝手にバラバラになります.
つまり,孤立した中性子の質量を mn,陽子の質量を mp としますと
Zmp+Nmn-m(Z,N) が質量の欠損分で,
c^2 を掛ければ結合エネルギーの絶対値です.
欠損分は大体1%くらいです.

で,核分裂していくつかの原子核に分裂する.
それらの原子核について m(Z, N) を加えてみると,
もとの m(Z, N) より小さくなっています.
これは,結合エネルギーのためで,
分裂したいくつかの核の結合エネルギーを加えてみると,
もとの結合エネルギーより絶対値が大きくなっています.
つまり,分裂した方がエネルギー的に安定です.

したがって,核分裂すれば全体のエネルギーが下がったことになります.
その下がったエネルギー分が放出されたのです.

孤立した中性子や陽子より結合した方がエネルギーが低くなるなら,
くっつければエネルギーが取り出せるじゃないか,とお考えですか?
そうです.それが,核融合ですね.
水素の原子核(陽子)4個くっつけてヘリウムにする.
太陽で起こっている反応はこれです.

「物質が無くなるのですか?」「質量が減るのですか?」
は言葉の定義の問題と思いますが,
pancho さんのイメージを想像すると,「質量が減る」でしょう.
「質量が減る」意味は上に説明した通りです.

この回答への補足

E=mc^2のEとは結合エネルギーのみをさすのですか?
1ccの水が10^14 [kg m^2 s^(-2)] = 10^14 [J]のエネルギーをもっているわけではないということですか??
エネルギーが存在すればなんらかの質量をつくりだすということはあるのか???
もしよければ教えてください。

補足日時:2001/01/31 22:33
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この回答へのお礼

御解答ありがとうございます。とても難しいですが非常に興味深いです。一生懸命図に書きながら考えました。残念ながら完全に理解することはできませんでしたが、おおよそ理解することはできたかも...。核分裂核融合によって質量は減るものの、構成要素そのものが世界から消えてしまうわけではないということですね。結合エネルギーと、質量の関係がE=mc^2ということですね??

お礼日時:2001/01/31 22:33

下記で回答されている方にお聞きしたいのですが、核分裂(原子力発電所や原爆)で「物質が無くなるのですか?」「質量が減るのですか?」。



核分裂の前後で、原子の種類は変わりますが、原子を構成する「中性子」「陽子」「電子」の総数は変化しないと思っていましたが...。もちろん、「陽子」+「電子」-->「中性子」という変化を含めての話です。

以上。
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この回答へのお礼

むむ鋭い質問だ。

お礼日時:2001/01/31 21:19

核分裂による発電は物質の一部がエネルギーに変換されたものを利用した結果です。


1gの物質全てをエネルギーに変えたら、という仮定では、1グラムの核分裂エネルギーと比較すると、その比は数百倍になるようです。
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この回答へのお礼

御解答ありがとうございます。つまり核分裂というものは核物質10のものの1をエネルギーとして、9は依然として残っており、核物質10を0にしてエネルギーを得ているわけではない。ということでしょうか。

お礼日時:2001/01/31 21:17

1gの水を消滅させると、現在全地球上で使用している電力の一日分を賄えると聞いた事があります。

(^o^;
でも、原子力発電所にしろ、原爆にしろ、物質を消滅させてる訳では無いはずですが…。
たしか、高質量で不安定なウラン等の原子を、核分裂させているのだと認識していますが…。
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この回答へのお礼

御解答ありがとうございます。膨大なエネルギー量ですね。
核分裂すると結果的に一部の何かの物質(中性子とか陽子とかなんとかとか)がなくなるのかなあと思っていました。

お礼日時:2001/01/31 21:15

物質はエネルギーであり、エネルギーは物質。


アインシュタインが特殊相対性理論のなかで定式化しました。
1gの物質消滅エネルギーで10万トンの氷を沸騰させるくらいのエネルギーだそうです。
物質をエネルギーに変換した結果なので当然物質は消滅(なくなった)結果です。
講談社ブルーバックス「反物質の世界」に物質と反物質による消滅エネルギーについての記述があります。
上記はそこからの抜粋です。
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この回答へのお礼

御解答と出典をありがとうございます。参考になりました。

お礼日時:2001/01/31 21:14

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