大統領と首相

昔、国には必ず王や皇帝（つまり元首です）がいました。

そして、王や皇帝自らが政治を行うのが当然でした。でも王の中には政治をやるのが面倒だったり、自分ではうまく判断できなかったりして、自分より能力のある者を選んで政治を代わりにやらせることがありました。あるいは、税を集める家臣（財務担当）とか、戦争を指揮させる家臣（将軍とか呼ばれますね）とか、城や道や橋などを造らせる家臣（建設大臣）など役目に応じて任命したりしますが、それが多くなりすぎるとまとめ役の大臣つまり首相を任命したりします。つまり、首相は王や皇帝の家臣なのです。おまけとして言えば首相を議会の中から選べば議院内閣制と呼ばれるものになります（現在の民主主義国家はこの形ですね）が、王がそういうものとは関係なく勝手に任命する場合も過去にはありました（明治憲法下の日本での首相が基本的にそうでした）。

これに対して共和制国家では王や皇帝はおりません。でも、それまでの経緯から国には王や皇帝にあたるものが必要だと考えられ、その地位につく人を選挙で選びました。つまり、大統領とは選挙で選ばれた王様のことです。そこから先は、その国の憲法によって、大統領は形式的な地位として首相をさらに選ぶ場合もあれば、大統領が権力を握って政治を行う場合もあるわけです。

なお、いずれにしても議会というものの性格や役目を考えることは必要ですがここでは割愛します。

そうですね。

ご友人のご指摘は、間違ってはいませんね。わかりやすく日本・フランスの例をあげればいいでしょう。議院内閣制の政治体制の国では、首相（宰相）を議会が国会議員から選出します。総理は議院（国会）が選出し、指名を受けて内閣を組閣しますね。ですから、議会が責任をもって内閣総理大臣を選ぶから、議院内閣制というわけです。フランスはつい先日、注目されましたが大統領に出馬した人を国民が選挙で選ぶわけです。アメリカはちょっと独自のシステムでですね。以下のURLを参考に。
(1)議院内閣制と大統領制の相違を英米独等の制度で列挙。
http://www.akaruisenkyo.or.jp/0006/shogaikoku.html

　大統領は、直接選挙や議会での選挙等によって選出される国家の代表ですが、首相は内閣の代表であり、総理大臣でもある国家の代表です。

大統領は、国民の選挙によって選ばれますが、首相は選挙によって選ぶことは出来ません。

簡単にいうと、大統領は国の元首で、首相は元首に任命されて政務を行う人です。

それぞれの役割は国によって違います。アメリカは直接選挙で大塗料を選び、大統領が全ての権限を有しているため、首相に相当する役割はありません。逆に、イギリスや日本は世襲制の伝統的王族が国の象徴としての役目を担って元首を務めるため、大統領という職はなく、実際の政務は間接選挙、すなわち国民が選んだ議員の投票で選ばれる首相が行っております。ドイツは大統領も選挙で選ばれますが、実際の政務は日本のように、議員が選んだ首相が行っています。フランスや韓国も制度はドイツと似てますが、権限の強さは大統領の方が上のようです。イスラエルなどは大統領も首相も国民の直接選挙で選びます。
ようするに、「定義」だけはいっしょですが、実際の役目は国それぞれなんですね。