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 労働基準法39条は、非常勤雇用の場合も含めて、使用者に(労働者の請求に基づく)年次有給休暇の付与義務を定めているのですが、パートやアルバイトに有給はないと誤解している使用者が少なくありません。

 ところで、労働基準法119条1号は、39条などの違反に対し6ヶ月以下の懲役または30万円以下の罰金という刑事罰を定めているのですが、非常勤労働者が法規を示して有給を請求したのに使用者が時季変更権を行使せずに単純に拒否した場合、労働者は労働基準法39条・119条違反という犯罪の「被害者」として被害届を警察に出すことはできますか?

A 回答 (6件)

労働基準法


第102条 労働基準監督官は、この法律違反の罪について、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務を行う。

であり、労働基準監督官は基準法違反の罪に対する警察官としての任務が明示されています。

一方警察のほうは警察法及び施行令で職務範囲、及び組織構成が規定されていますが、労働基準法をつかさどる部署は定義されておらず、また第2条に任務の範囲を限定的に解釈する旨の記述があることから、法に明記された司法警察官である労働基準監督署の業務を侵害することはないでしょう。
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 本題を外れますが、追記を。



 労基法違反で懲役刑となるのは同法117条~119条関連ですが、いずれも罰金刑が併記されています。送検事案の処分を決めるのは検察庁ですが、牢屋にぶち込むコストと罰金を取るコストを比較し、さらに再犯の危惧、社会への影響を考えた場合に『罰金刑』を選択するのは至極当然のことです。

 次に、監督署の労働基準監督官の送検件数は、海上保安官に次いで多く(=平成15年で年間1,399件)、罰金刑も犯罪が客観的に立証され、かつ心身的な要素をもっての抗弁が難しいことから、一般には略式命令段階で確定します。さらに賃金不払など被害救済される事案も多く、殺人や多額の詐欺のように被害救済が困難なものとは異なります。

 実際に警察でも、道路交通法違反事案では多くの罰金刑(略式命令)があり、さらに軽度の傷害事件等で示談成立して、被害者の処分意見のないものは不起訴にしています。殺人の被害者が100%生き返れば、不起訴処分が増えることになりますが、生き返らないから懲役刑なんです。

 連れが労基と某警察署の捜4におり、飲んだ時の話ですが、労基の仕事はリンク先のように業績評価があります。この前、奢ってもらったので、ちょっと援護を♪

参考URL:http://www.mhlw.go.jp/wp/seisaku/jigyou/04jissek …
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 法律論で…の質問ですね。


まず、労働基準法第39条違反の構成要件について。

 労働者に有給休暇の請求権があり、有給休暇取得の時期を明確に指定した後に事業主の時期変更権の行使がないまま、実際に休暇を取ったものの賃金保障されなかった事実が必要。よって設問での単なる拒否だけでは構成要件を満たしません。つまり、直後の賃金支払日に所定の賃金が支払われなかったという既遂で確定する訳であり、拒否という未遂の状態では構成要件を満たさないと考えます。

 次に、上記構成要件を満たす状況の場合、被害者とされる労働者が何を求めるか、です。

 今後、有給休暇制度が合法的に運用されるよう行政指導を求めるなら労働基準監督署への申告となります。この機関は厚生労働省令で監督機関として設置されており(労基97.99)、都道府県警察には行政指導の権限がありません。この行政指導に事業場が従えば、不払分の清算もされることと思います。なお、不払賃金の被害解消を求めるべく訴訟をするなら裁判所への提訴もありますが、多少の手間がかかることはご存知と思います。

 追記ながら、このサイトで時々出る「付加金」(労基114)の対象です。単なる賃金不払(労基24)は対象外ですが、本件の39条6項関係は対象になります。一人、ここを誤解してる常連がいるので(笑)

 次に刑事罰、つまり司法処分を望むのであれば告訴です。先の回答のように捜査権は労基署、警察の双方にあります。実際に年少者絡みの風営法違反事件等では、警察が事業者を風営法&労基法違反で送検しています。
以上から、「警察に被害届を出す」という選択肢はなく、警察に対しては「告訴(告発)する」という選択肢だけと考えます。これは検察庁に対しても同じですよね。労基法施行に係る行政指導権限(所掌)は労基のみにあり、司法警察権は上記3者にあるためです。

 実務的には警察に行っても、告訴状を受理する前に労基署への告訴を教示すると思います。仮に警察で告訴調書等を取り、受理したとしても、司法警察員を指揮命令する立場の地方検察庁検察官から労基署への捜査指示がされるか、事案によっては地検・警察・労基の合同体制が採られることと思います。

 また告発については、殺人等の被害に比べて金銭の不払は客観的にわかりにくいため(現物給付の有無、当事者合意の上での債権債務の相殺等)、当事者の告訴を求めると思います。当事者が処分を望まない事案を、関係者の告発により送付する意味はありませんよね。

 補足欄を読みましたが、構成要件への検討がないままに、労使間の紛争を告訴事案にすることは如何なものかと思います。本来、社会的加罰性がある事案とは、繰り返し違反や被害救済が困難なもの。殺人や重大事件の被害は言うまでもなく、先の風営法の件は社会的影響も大きく、当事者には一生の記憶となります。しかし本件では告訴→送付となっても、おそらく初犯であり、不払分賃金の支払はされますから、起訴猶予の可能性が極めて高い。警察機関、監督機関という限りある資源を大切にしてほしいと思います。
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補足です。



No.2の方のご指摘どおり労働基準監督署(官)が行う職務なので、告発に対する捜査は検察官が労働基準監督官と共に行います。
強制捜査・家宅捜査なども労働基準監督署の係官と検察官がやっています。

被害者(という表現も微妙ですが)は労働基準監督署に申し出ることで「警察への被害届」と同じ扱いを受けます。
決して「チクった第三者」ではないです。

但し現在の労働基準監督署の仕事ぶりを見ると、実際に懲役刑になった会社は無いですし、罰金などもほとんど無いです。
(裁判に行くまでの例がほとんどないということです)
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 労働基準監督官は特別司法警察職員であり、労働事件という専門的な分野での警察の役割を果たし、検察への送検により刑事処分を求めることができます。

ただ、相当悪質な事件でなければ送検しません。6ヶ月以下の懲役という法定刑は警察が扱う事件でいえば公然ワイセツ程度ですから、科料に処するのがせいぜいで、通常は「人前では服を着なさいよ」と諭す程度だとご理解下さい。
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管轄が違います。



警察署ではなく、労働基準監督署に提出してください。

告発者->労働基準監督署->検察庁->裁判所という流れになります。

司法警察官の担当ではありません。

この回答への補足

 ん、これ(119条・39条)は刑事罰ですよね?警察に捜査権限などはないのですか??労働基準監督署の存在はよく知っていますが、有給の単純拒否が犯罪だということを使用者に強く示すには、警察を持ち出すのが効果的だと思ったのですが…。

 あと、「有給をもらえなかった被害者」として告訴・被害届することはできず、あくまでチクった第三者として告発することしかできないのでしょうか?

補足日時:2006/01/12 23:55
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