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以前、夕焼けが赤いのは、太陽の高度が低くなり、それによって光が空気の層によって散乱される。それで、波長の長い赤い光は、波長の短い光に比べて散乱されにくいから、空が赤く見えるって、どこかで聞きました。で、なぜ波長が長いと散乱されにくいのでしょうか?ここんとこがよくわかりません。わかる方いたら、できるだけわかり易く教えてください。おねがいします。

A 回答 (3件)

専門的には、微少誘電体粒子の大きさが光の波長よりも十分小さいときにはレイリー散乱と呼び、光の波長程度の大きさの時にはミー散乱と呼びます。


でご指摘のように、レイリー散乱領域では波長の4乗に反比例して散乱強度は強くなり、ミー散乱の領域に到達するわけです。
(なので厳密にこの2つの散乱を区別する領域があるわけではありません)

と書いてもこれではなぜ?の解答にはなっていませんね。
学問的な数式による解法はさておいて、直感的にどうしてなのか考えてみましょう。

たとえば、宇宙空間を進むロケットを想像します。
このロケットが数cm位の岩石が沢山ある空間に出くわしたとしましょう。
でもロケットの大きさが100mもの大きさだとすると、そのまま蹴散らして直進出来そうですよね。

ところがもしこれが100m位の岩石がごろごろしていたらどうなるでしょう。
うまくすり抜けられればよいですが、沢山あったらいつかは必ずぶつかってしまうでしょう。

光=ロケットから見みると、空気中のゴミ、微粒子=岩石はそんなイメージなんです。

光は自分の波長よりも十分小さい粒子はうまくすり抜けられるので、多少は散乱しても大多数は透過できます。
しかし、自分の波長サイズ位になるとはじき飛ばされて元と全く異なる方向に行ってしまう(つまり散乱する)わけです。

一般に波は光に限らず音でもなんでも自分の波長よりも障害物が十分小さい場合には透過し、障害物が大きくなると透過できなくなります。

これが答えとなりますが、イメージできましたでしょうか?
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この回答へのお礼

分かりやすい回答ありがとうございました。

お礼日時:2002/01/04 11:01

極端な言い方をすれば波はいろいろな経路を通って伝わり


その経路を通ってきた波を足し合わせたのが波の像です。
そのときに重要になるのが位相というもので、
波がピークにあるのか逆に底になっているのかという状態を表していて
それは波長の整数倍のきょりで周期的に変化します。
例えばピークのときの波と底のときの波を足し合わせると
打ち消しあって普通の状態になるというように
位相により波が強め合ったり弱めあったりします。

一般に波の波長より大きな障害物がある場合はそれを迂回するために
波長の何倍かの距離になってしまい、大きな位相の変化を受けた光が
足し合わされるため、激しく打ち消しあって散乱されます。
一方、波の波長より小さな障害物であれば、迂回したとしても
波長より小さい程度の差しかない光が寄せ集められるため再び強い光となって進むことが出来ます。
つまり、障害物が同じであれば
波長の短い波の方が散乱されやすいということです。
(ただし、共鳴のように散乱する物体の構造にもよるので絶対というわけではありませんが
 共鳴も上と同じようにいろいろな経路を通った=行ったり来たりした
 波の足し合わせでかんがえることが出来ます。)
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この回答へのお礼

どうもありがとうございました。

お礼日時:2002/01/04 11:02

 


  どうしてそうなるかは、説明できないです。というか、これは、電磁波に関する微分方程式を解いて得られる結果で、何か比喩で説明するということができないのです。実は、説明できないにも拘わらず、分かった気分になっている現象が他にもあります。
 
  光(電磁波)が、媒体(つまり、空気とか水)のなかを通る、あるいは入射した時、色々な現象が起こります。反射、屈折、吸収、散乱などがそうです。このなかで、「反射」は、空気の表面あるいは水の表面で、光が入射せずに、跳ね返って、元の方向に戻ることで、「屈折」は、まっすぐ進んでいた光が、空気や水に入ると、進行の方向が曲がることです。また「吸収」は、例えば色の付いた水に白い光を通すと赤くなるのは、赤以外の光がおおむね水に吸収されるからです。
 
  これらの現象、つまり、反射、屈折、吸収は、どうしてそういうことが起こるのか、よく分かったつもりになっておられるでしょう? けれども、本当は、これもきわめて複雑な現象で、電磁波の基本方程式から、空気や水や、その他金属や、色々な物質の特性に従って、微分方程式を解いて答えが出てくるのです。
 
  目に見える光の場合、反射や屈折や吸収は、比較的単純で、綺麗に分かるような形に見えます。けれども、これは、可視光線の場合、こうなるので、光は電磁波ですが、同じ電磁波でも、電波になると、可視光とはかなり違ったことが、反射や屈折や吸収で起こります。
 
  例えば、密閉した部屋のなかには、昼間であっても太陽の光は入って来ません。ところが、そういう部屋のなかでも、ラジオは聞こえるのです(場合によって、聞き取りにくいことがありますが)。これは、ラジオの使う電波が、家の屋根とか壁を通り抜けて部屋に入って来ているのです。一体どうやって電波は、こういうことができるのか、考えると不思議ではありませんか。
 
  あるいは、光をまったく通さない真っ黒な物体が、不思議なことに紫外線は通すということがあります。また、その反対に、光は通すが紫外線は通さないという物質もあります。こういう物質を使って、サングラスを造ると、紫外線から目が防げるのです。
 
  あるいは、トレーデイング・カードのなかに、プリズム・カードというものがあるでしょう。また、3D画像が、ヴィデオの箱に小さく印刷されていることがあるでしょう。あれは、普通の「反射」でも「屈折」でもありません。では、一体何なのか、です。こう言ったことも、電磁波(光)の物質の分子との相互作用や干渉の結果で、実際にどういうことになるかは、やはり、微分方程式を解いて答えが出てくるのです。
 
  反射や屈折や吸収は、電磁波と、物質の分子、原子、電子との相互作用の結果で、非常に複雑なことが物質の表面や中で、電磁波とのあいだで起こっているのです。可視光の場合、こんな複雑な説明をしなくても、光線を線で引いてみて、反射面で、折れ曲がって戻って来るとか、屈折の場合は、折れて水に入って行くとか説明すると、実際に起こっていることに合うので、納得が行くのです。しかし、本当は、もっと難しいことの結果、全体として、一見単純な結果になっているのです。
 
  「散乱」というのは、光が電磁波であるということが非常にはっきりと出てくる現象で、散乱の結果どうなるかは分かるのですが、どうして、そういう散乱になるのかは、電磁気学の微分方程式を解くと出てくるのです。
 
  空が青いとか、夕日が赤いのは、「レイリーの散乱」という現象によります。赤い色のガラスに光を通すと、光が赤くなるでしょう。何故赤くなるのかというと、赤以外の色の光が、赤いガラスのなかで、吸収され、赤い光はあまり吸収されないので、それが出てきて、赤い光になるのです。この時、何故、赤い光だけは、よく通すのか、という理由は、赤いガラスの分子と、電磁波の相互作用の結果そうなるのです。
 
  つまり、光の波長に応じて、赤いガラスは、吸収する場合と、そのまま通す場合に分かれるのです。これは、赤いガラスの持つ特性で、どの波長の光をどれぐらい吸収するか、というのは、実験でグラフにすることもできます。けれども、どうして、こういう光の波長によって異なる吸収のグラフになるのかは、説明しようとすると非常に難しい話になります。
 
  「レイリーの散乱」は、光の波長よりも、ずっと小さな微粒子に光が「散乱」する場合の現象です。光の波長は、赤い光が、大体0.8ミクロンで、青い光が0.4ミクロンです。レイリーの散乱は、「波長の4乗に逆比例」して起こります。赤と青だと、波長に二倍の差があるでしょう。すると、4乗ということは、16倍青と赤では違いが出てくるのです。何故「波長の4乗に逆比例」かは、方程式を解くと、そういう式が出てくるのです。
 
  「波長の4乗に逆比例」ということは、波長が大きいと、散乱は小さいということになるのです。赤の方が、青より2倍ほど、波長が大きいのです。だから、赤の方が散乱が小さいのです。青に比べて16分の1です。そして散乱した光はどうなるかというと、四方八方に放射されるのです。
 
  空気の層を長く通過すると、青の光は散乱され、四方八方に消え、赤い光が、散乱をあまりされず、そのまま空気の層をまっすぐに抜け出て来るので、目に届く光は、青はほとんどなく、赤ばかりなので、夕日や夕焼け空は赤いのです。
 
  ここまでしか説明できません。何故、レイリーの散乱は、波長の4乗に反比例するのかは、大学で二回生か三回生頃に、電磁気学特論を学ぶか、このような現象を専攻されれば、分かるようになるでしょう(努力すれば、分かるでしょう)。
 
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この回答へのお礼

詳しい回答ありがとうございました。

お礼日時:2002/01/04 11:01

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