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当方、全くの素人です。

ヒトとチンパンジーは染色体の数が違うため、交配はできないと聞きました。
一方で、馬とロバのように、染色体数が違うのに交配できる例もありますよね?

結局のところ、染色体と交配ができる・できないの関係ってどうなんでしょうか?

あらゆる生物は共通の祖先を持つはずですが、染色体数がそれほど重要であれば、進化の過程において、どうやって分岐できたのでしょうか。

また、マンモス再生計画なるものがあるそうですが、マンモスとゾウの染色体数は同じなのでしょうか。

以上、よろしくお願いします。

A 回答 (4件)

こんにちは。


進化というのは、減数分裂時に起きる生殖細胞の突然変異が子孫に受継がれ、隔離・固定されるものですよね。
突然変異には「遺伝子突然変異」と「染色体突然変異」があります。前者はDNAなどの遺伝子情報が変異してしまうことで、後者は染色体の欠落や分裂などにより、その数が増減してしまう変異です。生物の進化の過程で染色体数の異なった種を分岐させたのは、こちらの「染色体突然変異」です。

異種間の動物は染色体数が違うから混血はできないと良くいわれますが、必ずしも染色体の数が違うからといって交配できないということはありません。さもなくば、染色体突然変異による染色体数の変化は起こらないということになってしまいます。ですが実際には、現在の生物は同じ系統から分岐し、染色体数の違いという進化を遂げています。
では、染色体数が違っても交配が可能であるならば、どんな合いの子でも作れるのかといえば、そんなことはありませんよね。それがより近縁で、お互いの染色体がだいたい同様の機能を持っていなければならないという条件を除くわけにはゆきません。空を飛ぶ動物と陸上を走る動物では染色体の機能が違いますから、幾らその数が同じだからといって、そのようなキメラを交配することはどうやってもできませんよね。

染色体数の違いは奇形や死産などの危険を孕んでいます。ですが、もともと突然変異というのは必ずしも種の存続に有利に働くというものではありませんよね。それがたまたま正常な機能として備わり、上手くその環境に適応するといった偶然が重ならなければ、むしろそれは障害でしかありません。
染色体数に異常を持つ精子や卵子は染色体突然変異によって幾らでも作られます。本来でしたらそれは不良品なのですが、守備良く受精して障害を乗り越えることができたならば、同種の個体群に染色体数異常の多型が出現することになります。恐らく近縁の亜種、強いては同種の変異体であるならその可能性が更に高くなるはずです。そして、それがそのときの環境に上手く適応するといった好運を得るならば、やがてマジョリティーを獲得し、新たな種が確立されるということになるのだと思います。

あと、マンモスに就いては、私にはちょっと分りません。
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染色体数の違いだけが交配の成否を決めているわけではありません。


ヒトとチンパンジーの雑種が誕生しない理由は染色体数だけの問題ではなく、生物が持っている“種の独自性”を守るための様々な防御機構によって裏打ちされています。

そういう仕組みは、染色体レベルであったり、遺伝子レベルであったり、細胞レベルであったり、色々です。詳細を書き出すとキリが無いので、ここでは「交配できる・できないの関係は、必ずしも染色体数だけでは説明できない」という回答ではいかがでしょうか。
御興味があれば詳細を調べてみると面白いと思いますので、キーワードだけ御紹介しておきます。「種の独自性」「雑種」「対立遺伝子」「ホモ接合」「ヘテロ接合」「ゲノムインプリンティング」「相同染色体の対合不全」等々。
4輪自動車と2輪バイクを組み合わせたら3輪車ができた、というように単純な事では無いようです。

> 進化の過程において、どうやって分岐できたのでしょうか。

これも理由は多岐に渡ります。突然変異、雑種、倍数化、雑種発生など。
生物の複雑な仕組みや偶然的な事件が長い地球の歴史で繰り返された結果、生命の進化や分岐が起こっています。

> マンモスとゾウの染色体数は同じなのでしょうか。

ゾウにも色んな種類がいます。
マンモスとインドゾウの遺伝的な差は、インドゾウとアフリカゾウの差よりも大きい、と聞いた事があります。どの程度の差まで許容されるのかについては、明確な方程式があるわけではなく、実際にやってみないと分からない、というのが現在のレベルのようです。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。

>「交配できる・できないの関係は、必ずしも染色体数だけでは説明できない」という回答ではいかがでしょうか。

ちょっとスッキリしました。生物と進化については、まだまだ未知の部分が多く、交配親和性についてもキッチリ線を引けないということですね。

ご紹介いただいたキーワードについては、ちょっとずつ調べています。

お礼日時:2005/10/06 03:55

染色体数の違いは、雑種が生まれないことの主要な理由ではありません(雑種ができた場合、不妊であることの理由のひとつではありますが)。



異種間で受精が起こった場合、致死になるのが種間の壁になっているのを、交尾後生殖隔離(post-mating reproductive isolation)と総称しますが、そのメカニズムは種によっていろいろで、遺伝子レベル、分子レベルできっちり解明されている例はほとんど(全く?)ないと思います。

はっきりしていることは、染色体の不一致だけがその理由ではないということで、たとえば

近縁種AとBの交雑で、AのメスとBのオスを交雑すると雑種が生じるが、逆だと生じないというような例があります。どっちの交雑も染色体の構成は変わらないわけですが、こういうことがおこる、ということは卵の細胞質と精子の染色体の不和合がかかわっているということを示唆します(もうひとつ、性染色体の違いのみがかかわっている可能性もあります)。

雑種は産仔数の現象や不妊を招くので、頻繁に生じるようだと種の衰退を招きます。進化の上で雑種が頻繁に起こるような集団は淘汰されてきたと考えられます。
逆に言うと、現存種はあの手この手で雑種ができないような機構を進化させてきたわけで、染色体の不一致というひとつの理由に帰着しないのは当然といえましょう。
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この回答へのお礼

ご回答ありがとうございます。
単純に自分のコピーを残すわけでもなく、遠すぎる種と交わるわけにもいかず・・・というのは進化のジレンマなのかもしれませんね。

お礼日時:2005/10/06 03:53

遺伝情報が大体同じなら、染色体数が異なっても交配可能となります。


染色体数が異なっていても、2種生物間の遺伝子の種類がほとんど違わない場合、交配可能ということです。
逆に遺伝情報がだいぶ違ったら染色体数が同じでも交配不可能となります。
当然ヒトと同じ染色体をもつ他の現存する生物間で交配なんてできませんよね。
極端な話、まったく同じ遺伝子をもっている生物がいたとして、その染色体の数が異なっている場合、遺伝子はほぼ同様に機能するかもしれません。つまり、染色体というものには、ただたくさんある遺伝子群を区切るだけのものという意味合いが多いかもしれません。
ある生物のゲノムとか見る場合、染色体を全部つなげたようにしてみる訳ですよね…?
ただしたとえ2種生物間で染色体の情報が似ていてうまく雑種第1代ができたとしてもそいつはうまく減数分裂を起こせませんので、それ以上子孫は残せません(雑種第二代ができたらそれは親が同種であるでしょう)。
チンパンジーとヒトは交配可能な可能性が高いですが、実験すること自体タブー視されているだけでしょう(ヒトとチンパンジーは「科」レベルまで違いますが、人為的な分類なのでそこまで遺伝的差異はないでしょう)。マンモスと今いるゾウの染色体に関しては存じてませんすいません。
染色体の数が異なるのは、多分ある生物の祖先種が減数分裂などで失敗して違う染色体数のものができたのではないでしょうか。染色体は突然変異が起こる過程では、くっついたり離れたりするものでしょうから。

まとまってなくてすいません。
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この回答へのお礼

ご回答、ありがとうございます。
子孫が残せないというのも、確率的にはできることもあるから、進化の過程で染色体がくっついたり離れたりしてきたことも説明できる、と解釈していいんでしょうか?

お礼日時:2005/10/06 03:49

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