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遺伝学の用語で「遺伝子」や「ゲノム」や「染色体」や「DNA」がありますが、それぞれの違いは何なのでしょうか?

A 回答 (3件)

細胞を顕微鏡で観察すると、真ん中に大きな塊が見えます。

これが核です。
また、顕微鏡でより良くものを見るために、見たいものを色素で染めて観察する、という手法もあります。このとき塩基性の色素を使うと、核の大半を占めるうにょうにょした部分が良く染まったことから、これを染色体と呼ぶようになりました。
後に生化学的な解析が進むと、染色体はデオキシリボ核酸という物質でできていることが分かりました(タンパク質もかなり含まれますが)。英語でDeoxyriboNucleic Acidを略してDNAです。これは、デオキシリボースという糖と、リン酸、そしてアデニン、グアニン、シトシン、チミンという4種類の塩基のどれか一つが結合したものを一つの単位として、これが数珠のように連なったひものような構造をしています。
さらにその後、DNAという物質が遺伝情報を担っていることが分かります。具体的には、4種類の塩基の並び順が遺伝情報となっています。遺伝子とは、染色体の中で(つまりDNAのひもの中で)、意味のある1領域のことです。具体的には一つのタンパク質の設計図となっている部分と考えて良いと思います。
一つの細胞の染色体には、たくさんの遺伝子(という領域)があります。その生物が持っている全ての遺伝子情報という意味で、ゲノムという言葉が使われます。遺伝子(Gene)に、集合、総体という意味の-omeをくっつけて、ゲノム(Genome)という言葉になっています。
最近は遺伝情報を読む、つまりDNAの塩基の並び順を読みとる技術が発達し、人間の染色体の最初から最後まで配列を知ることまでできるようになりました。そこに含まれる全ての遺伝子情報も分かるということから、「ヒトゲノムが解読された」という言い方をされています。
No.1の回答にあるように、遺伝子を一つの意味のある単語に例えれば、それが集まって全部そろうと、ゲノム、つまり一つの生物を表す文章や物語になり、DNAはその文字を表すためのインク、塩基が文字、と言えるかもしれません。
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「遺伝子」


両親から子へ受け継がれ、個体の体のつくりや特徴が記録されているモノです。カエルからトカゲが生まれずに、カエルの子はカエルになるのは、遺伝子があるから。ひとつの個体をつくるには何種類もの遺伝子が必要です。

「ゲノム」
その個体に必要な全遺伝情報をまとめてゲノムと言います。ヒトゲノム計画というのがありましたが、これは人間の体を構成する全ての遺伝情報を解明しようというプロジェクトです。

「DNA」
デオキシリボ核酸、という物質の英字表記です。デオキシリボ核酸は、長大な2重螺旋構造の巨大分子です。この中の塩基の配列順序によって様々な遺伝情報が記録されています。つまり、遺伝子の本体はDNAです。

「染色体」
DNAはむちゃくちゃ長いので、そのまま細胞内を漂っていると損傷する可能性があります。そこで、細胞分裂の時など大掛かりなアクションを行うときは、DNAは何重にも折りたたまれてコンパクトに凝集します。そのDNAをギュッと折りたたんだものが、染色体です。

細胞分裂のときだけ出てくる染色体。これをほぐすと1本の鎖のような分子になり、これがDNA。DNA上にはいくつもの遺伝子が記録されている。個体に必要な全遺伝情報をまとめてゲノムと呼ぶ。
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単純には言い切れませんが、遺伝子とゲノムは概念で、染色体は構造で、DNAは物質ですね。



例えるなら、
遺伝子 言葉  
ゲノム 小説
染色体 ページ
DNA インク
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