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電子以外のシュレディンガー方程式、例えば水素原子におけるシュレディンガー方程式の解法を教えて下さい。
それとは別に固有関数の求め方も分かる方教えて下さい。

A 回答 (6件)

水素原子は唯一、電子の波動関数を厳密に求められる原子ですね。

(それ以外の物はなんらかの近似をして解くことになります)
固有関数は「それとは別に」求めるものでなくSchroedinger方程式を解くことと表裏一体です。

水素原子の波動関数の解法は量子力学の初歩の教科書に大抵出ています。まずそのような本を探して下さい。
以下に大筋だけ示します。

(1)中心の陽子がつくり出すポテンシャルV(x,y,z)は
V(x,y,z)=-e^2/(4π・ε0・r)
です。ここにr=√(x^2+y^2+z^2)
これをSchroedinger方程式に代入します。

(2)座標系は直交座標でなく極座標に変換します。
x=r sinθcosφ
y=r sinθsinφ
z=r cosφ
このときラプラシアンは
∇^2=(1/r^2)(∂/∂r)(r^2・∂/∂r)+(1/r^2 sinθ)(∂/∂θ)(sinθ・∂/∂θ)+(1/r^2 sin^2(θ))(∂^2/∂φ^2)
と変換されます。

(3)通常は変数分離型の解を求めます。
波動関数ψ(r, θ, φ)をR(r) Θ(θ) Φ(φ)の変数分離形にして、Schroedinger方程式に代入します。
するとrだけを変数に含む項、θ/φのみを変数に含む項に分けられます。
その式が恒等的に成り立つということは、それぞれの項が=0でなくてはなりません。
これらからR(r), Θ(θ), Φ(φ)それぞれのみの方程式に直すことができます。

(4)R(r), Θ(θ), Φ(φ)を解きます。
いずれも数学的に厳密に解けますが、解の形はかなり複雑です。(角度部分の解はLegendreの陪関数、動径部分の解はLaguerreの陪多項式をを含んだ形で表示されます)
ここに書き下そうとしましたがあまりに複雑なので断念しました。
詳細は参考書を見て下さい。それらの関数の何たるかと具体的な解の例について必ず載っているはずです。

参考URLは水素原子の波動関数のグラフィックです。本題とは外れますが、波動関数のイメージを掴む上で参考になると思います。

参考URL:http://www2.neweb.ne.jp/wc/morikawa/kyu.html
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この回答へのお礼

詳しく解法を書いていただきありがとうございます。
教えてもらった通りに一度自分でやってみます。
また何かお勧めの参考文献等あれば教えてくださいね。

お礼日時:2001/07/29 16:22

 


化学屋の rei00 と申します。

 専門家の siegmund さんをはじめ,Umada さん,brogie さんと詳しい方々の回答がある所にお恥ずかしいのですが。

 水素原子のシュレ-ディンガ-方程式は化学(量子化学)でも出てきます。「量子力学や原子物理学はかなり不得意なもんで」という事でしたら,こちらの方がわかりやすいかも知れません。

 私の手元にあるのは「量子化学」(アトキンス 著,土方克法 訳,みすず書房)です。この本の第2章が「シュレ-ディンガ-方程式」で22ペ-ジ,第3章が「厳密な解」で55ペ-ジあります。

 水素原子は第3章に,箱の中の粒子,調和振動子,回転運動,円環上の粒子,球面上の粒子に続いて出てきます。
 
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siegmundさん、初めまして。


丁寧なフォローありがとうございます。また極座標のタイプミスについてはご指摘の通りです。お恥ずかしいです。

さて私の回答ですが、一番大変な(4)のところを端折っているので(自分で言うのもなんですが)相当手抜きです。この部分は量子力学を離れて単純な数学の話になるですが、とにかく前準備なしにいきなり挑んではチンプンカンプンになると思います。(mujunさんはその辺りの知識はきっとお持ちなのでしょうが、山があまりに高い、とお考えください)
ですからsiegmundさんのご指摘のように、mujunさんが「教えてもらった通りに一度自分でやってみます。」と書かれておいでなのを見て、「え、この手抜き回答だけを手がかりにトライするのは相当難しいはず、なんだか却って申し訳ない回答をしたかな」と思ったほどです。

その意味でbrogieさん、siegmundさんの回答にありますように、最初は素直にテキストを参考に解かれる/テキストの解答をトレースすることをお勧めします。もちろん自力でチャレンジするというのは大事なことですが、初歩とは言え難易度の高い問題であることは間違いありませんので。
テキストはbrogieさん、siegmundさんからご推薦がありましたのでそれらが見つかればベストですが、それ以外のものでも量子力学の教科書なら、水素原子の波動関数については多かれ少なかれ載っています。何冊か手にとって、解法の説明が親切なものならとりあえずは使えるでしょう。
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siegmund です.



> 一応物理学を専攻してるんですが、量子力学や原子物理学はかなり不得意なもんで

ありゃ~,困っちゃったな.
量子力学は物理の根幹ですので,十分マスターしてください.
直接量子力学が顔を出すことも多いですし,背景になっていることもあります.

> どのテキストも一つの自由粒子としてといているんですが、

それは,自由粒子(ポテンシャルが空間的に一定)の場合が一番簡単だから
どの本でも実際に Schroedinger 方程式を解いて見せる話の最初に出ているのです.
時間の入らない Schroedinger 方程式は
(1)  {-[(h/2π)^2 / 2m]Δ + V}ψ = Eψ
の形ですね.Δ=∇^2 はラプラシアンです.
一番簡単なのは,V が空間の場所によらない場合で,これが自由粒子です.
V が定数なら, Vψ を右辺に移項して E-V を新たに E と思ってやれば,
V=0 にできますね.
無限空間に広がっていると,ちょっとややこしくなる事情があるので,
箱の中に閉じこめられているようにしているのが普通です.

テキストを見れば,必ず1次元調和振動子が出ているはずです.
変数を簡単に1次元にして,V(x) = (1/2)kx^2 としたのが1次元調和振動子.
このように,ポテンシャルの V の関数形が変われば,話が違ってきます.
ポテンシャルを Umada さんの書かれたようなクーロンポテンシャルに
したのが本質的に水素原子の話です.

Umada さんへのお礼に
> 詳しく解法を書いていただきありがとうございます。
> 教えてもらった通りに一度自分でやってみます。

と書かれていますが,自分で最終解まで到達するのはまず無理です.
意欲は大変買いますが...
いや,mujin さんをけなしているわけじゃありませんし,
Umada さんの回答が不十分というわけでもありません.
一応専門家で量子力学の授業を何度も担当していて,
解法のアウトラインは頭に入っている私でも,
何も見ずに最終解まで到達するのはかなりの時間と苦労が必要です.
最低エネルギーの状態でしたらすぐできますが,
一般解は大変です.
前の回答でも書きましたように,例えばテキストで40ページくらいの
内容になります.
brogie さんも書かれているように
> 自分で、この本の式と式の空白を計算していくとノート一冊では足りないでしょう
ということです.

ここは,やはりテキストに頼るべきでしょう.
> 「量子力学序論および化学への応用」は学校の図書館にないみたいです。
は残念ですね.
今はちょっと他に適当なテキストが手元にないのですが,
図書館でいろいろ探して見られることをおすすめします.
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どういう立場からのご質問かよくわからないのですが...



通俗科学書のような立場ですと,
水素原子におけるシュレディンガー方程式の解法はちょっと無理と思います.
前提となる物理的知識,数学的知識がかなり必要で,
それなりの訓練を必要とします.

大学で物理あるいは化学関係の授業のような立場でしたら,
Umada さんの言われるように量子力学のテキストを探してください.

Umada さんはかなり丁寧に回答を書かれて,
具体的な解の形のところで断念されましたが,ここで全部記すのは無理ですよね.
解の形を書くだけでもかなり大変.
どうしてそうなるかまで書いていたら,とても書き切れません.
私の量子力学の授業だと,水素原子の Schroedinger 方程式の解は講義2回分に
なっちゃいます.
詳しく書けば,テキストで何十ページかになります.
今手元にあるテキストで一番入門者向きなのは
「量子力学序論および化学への応用」(ポーリング&ウィルソン)
(非常に有名なテキスト)
ですが,このテキストだと水素原子に40ページを割いています.

Umada さんも書かれているように,
Schroedinger 方程式は固有関数に対する偏微分方程式ですから
(Schroedinger 方程式の解が固有関数と言ってもよい),
これを解くこと自体が固有関数を求めるということです.

「電子以外の Schroedinger 方程式」は何か誤解されているのではないでしょうか?
例えば,箱の中の粒子の話だけが電子の話と思っているとか?
水素原子は陽子-電子系の話だというなら,それはそうですけどね.
相対座標と換算質量で電子(をすこし modify したもの)の
一体問題に帰着できるわけです.

後半の誤解(?)の話も含めて,量子力学のテキストを読まれるように
おすすめします.

なお,Umada さんの極座標の
z=r cosφ

z=r cosθ
のミスタイプですね
揚げ足取りみたいで恐縮です(私もよくミスタイプします).

しかし,まあ,式は書くのも読むのも大変ですな.
なんとかならんかね~.

今回答をアップしようとしたら,brogie さんも同じ本をあげておられますね.
白水社のページ見たらこの本が見あたらないんですが,
絶版になったのかな~?
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この回答へのお礼

文章がおかしかったみたいですいません。一応物理学を専攻してるんですが、量子力学や原子物理学はかなり不得意なもんで。ってこの質問は量子力学や原子物理学になるのかな?お答えと質問の訂正ありがとうございました。あと、持っている量子力学のテキストと見てみたんですが、どのテキストも一つの自由粒子としてといているんですが、何かこれはいいって参考文献があればまた教えて下さい。ちなみに「量子力学序論および化学への応用」は学校の図書館にないみたいです。

お礼日時:2001/07/29 18:46

水素原子のSchroedinger方程式を詳しく解いてある書籍がありますから紹介しておきます。

何しろ、4,50年前の本ですから、書名など記憶違いしているところがあるかも知れません。そのときは御免なさい!

ポーリング・ウィルソン著 「量子力学序論(または序説かも?) 白水社出版

随分昔の本ですが、大学の図書館にはあるでしょう。 約70ページに渡って書かれていた記憶があります。これほど詳しい本はありません。

自分で、この本の式と式の空白を計算していくとノート一冊では足りないでしょう。
参考になれば。
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この回答へのお礼

答えて頂いてありがとうございました。明日学校の図書館で探して見ます。

お礼日時:2001/07/29 16:16

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