プロが教えるわが家の防犯対策術!

 テリー伊藤氏の或る本を読んでいたら、次の一節が出てきました。
  「テレビ業界にも、ディレクターとしてはダメだったけれどもプロデューサーとしては優秀だという人たちが少なからずいる」
 これってどういう意味なんでしょうか?
 プロデューサーは「企画する人」、ディレクターは「指示を出す人」だというのはわかるんですが、プロデューサーは自分の頭の中に企画のイメージやアイデアがあるということで、ディレクターの代わりにディレクションをすることはないんでしょうか?
 また、「プロデューサーとしてはダメだったけれどもディレクターとしては優秀」というのならなんとなくわかるんですが(自分で企画を立てられるほど発想が豊かでない、アイデアマンではないけど、他人に指示を出すのはうまい)、その逆ってどうも今ひとつイメージできません。
 テレビ業界に限らず、映画・アニメ・音楽などの業界での話として、どなたか説明してくださる方、よろしくお願いします。

A 回答 (5件)

こんばんは。



まず、

>「プロデューサーとしてはダメだったけれどもディレクターとしては優秀」というのならなんとなくわかるんですが(自分で企画を立てられるほど発想が豊かでない、アイデアマンではないけど、他人に指示を出すのはうまい)

という認識が、理解を妨げている気がします^^;

ディレクターとは、No.3の回答者さんが仰る通り、演出を行なう者の事です。
演出とは頭の中の考えを表現する事ですから、それこそ『発想が豊か』かつ『他人に指示を出すのがうまい』事が求められます。

一方、「プロデューサー」が行なう事は、制作全般の運営・管理です。
企画立案、資金調達(企画売り込み営業等)、スタッフや出演者のキャスティング、スケジュール管理、予算管理、作品のクオリティー管理などなど。
従って、プロデューサーはこれら制作管理の立場から、場合によってはディレクションに口を出すこともあり、ポジションとしては紛れも無くディレクターの上司に当たります。

即ち、ディレクターは演出力のみ発揮すれば良いですが、
プロデューサーは制作の全責任を負う職務な訳です。
従って、これまで投稿された回答がプロデューサーを軽んじてるように思えるのが少し気になるところです。
とりわけ、企画を通す、とか予算を引っ張って来る、なんて事はどんな業務より困難なのは明らかですよね。

しかしながら、以上は理想であり建前です。
現状は演出力のないディレクターや何もやらないプロデューサーを大勢見てきました。
ですから、『プロデューサーは「企画する人」』というのは、本来は間違いではありませんが、自分で企画を起さない人も多数いますから、むしろプロデューサーに絶対必要な資質というわけではないのでしょう。
現にテリー氏の会社には構成作家を何人も抱えていて、プロデューサーが企画を立てたい時は彼等を自由に使える仕組みになっています。

「営業」も然りで、テレビ局等との関係によっては勝手に仕事が舞い込む場合もあったりして、自らの営業力を発揮しないプロデューサーも少なくありません。

では、テリー氏の言う優秀なプロデューサーとは何を指すのかと言うと、
『企画を“然るべき”作家に立てさせる』
『その企画を“然るべき”スポンサーやテレビ局に通して資金を調達する』
『企画を遂行できる“然るべき”スタッフや出演者をブッキングする』といった、
当該企画に必要な“然るべき”人物達を見極められるだけの十分な【人脈】と、
それらと折衝を行ない使いこなす【コミュニケーション能力】ではないでしょうか。

私が業界に入った当初、私の師匠から「ディレクターになれなくてもプロデューサーにはなれる」と教わりました。
その意図するところは、ADや制作進行、助監督など(現場によって呼び名や職務は様々ですが)下積み業務をこなしているうちに自ずと制作管理全般の知識は身に付き、加えて、多くの人々に出会い人脈も構築できる。だから仮に演出能力がない場合に備えて人望を磨いとけ、というものでした。
ちなみに、テリー氏と私の師匠は元同僚なので同じ教育を受けて同じ考えを持っていても不思議ではありませんし。

加えて、
他の方々も指摘してらっしゃる通り、ディレクター達は往々にしてコスト意識が薄く、
それに対してプロデューサーは「金がかかり過ぎ!」などと怒ったりぼやいたりするのが常ですが、ディレクターのアイデアが実現できるように立ち回りつつも、同等の効果が得られしかも安く上がるような提案を積極的に行なうようなアグレッシブな予算管理を行なう事なども良いプロデューサーの資質だと思います。
また、それをしないと商業映画のプロデューサーなら即失格でしょう。

それから、

>ディレクターとしてはダメだったけれどもプロデューサーとしては優秀

ご承知かも知れませんが、
プロデューサーになるには必ずディレクターを経るというわけではなく、ディレクターを目指して業界入りしても修行半ばでプロデューサーに目標を変える人や、最初からプロデューサーを目指して業界入りする人も大勢います。
要するに、ディレクターはプロデューサーへの通過点ではなく、
プロデューサーはディレクターの成り損ないでもないという事をご理解下さい。
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この回答へのお礼

詳しくご丁寧に説明していただき、本当にありがとうございます。
おっしゃるとおり、私のこれまでの認識
・芸術的才能はディレクターよりプロデューサーの方が求められる
・プロデューサーはディレクター経験者がなる
が間違っていたので、理解が妨げられていたんですね。
これからテレビなどで「プロデューサー」「ディレクター」という言葉を目にしたとき、まず今回頂いたご回答を折に触れて再読してみます。そうすることで、徐々に理解が進んでいくと思います。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/12/23 19:34

プロデューサーは予算を引っ張ってきて


きちんとお金管理と政治力を発揮してくれれば
いいだけですからね。

ただ、ディレクターとなると感性の問題ですから
ここのジャッジが悪いといいものもださくなる。

ディレクターがプロデューサーへとなると、
これまた予算が底なしになるケースが多いかも
知れませんね。

プロデューサーがディレクターつまり監督、
これは自主映画の世界がそうですね。
インディーズ作品もその手の多いですよ。

でもこの業界は下から下積みしていって
のし上がってナンボの業界ですからね。

足の引っ張り合いですし、妬みや罠、上下関係
や筋道、義理を時代遅れのように大切にして
成り立っていますから。

結局、予算ありきという部分がいい作品を
なかなか生まないのですよ。
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この回答へのお礼

お金(予算)とかスタッフの感性の善し悪しで作品の出来が変わってくる、というのはたしかにそうでしょうね。
あと、ディレクターの感覚で予算管理をするとまずいことになるというのも。

どうもありがとうございました。

お礼日時:2004/12/23 19:52

下の方のお答えに補足して。



ディレクターとは支持を出す人というよりは「演出家」です。
金銭感覚がなく芸術性のためにお金を予算より多く使ってしまうことなど日常茶飯事で、こういう人はディレクターとしては優秀だけど、プロジェクトの管理の面から見れば優秀ではありません。

ディレクターとして才能がないのは、おおよそ予算の枠に縛られてしまい演出の部分がきちんとできないことです。
それは作品自体の質にかかわってきてしまいます。

しかしそういう人も、プロデューサーとして全体のプロジェクト管理ならできるし、演出にお金をかけるなら撮影以外のところは削ろうなどというように全体のバランスで管理していくとはできるので、プロデューサーとしてなりたつことはよくあることです。

しかしプロデューサーとして優秀だからといっても、芸術的な才能がなければ演出はできません。
映像の業界にプロデューサーから演出家になる人は殆ど居らず、演出を経てプロデューサーになる人がいるのはそのような理由だからです。
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この回答へのお礼

簡潔かつ核心を突いたご説明のおかげで、これまで理解できなかった「ディレクター」と「プロデューサー」の違いが的確に理解できそうです。
これからも折に触れ、再読させていただきます。
本当にありがとうございました。

お礼日時:2004/12/23 19:59

プロデューサーって会社で言えば、営業みたいなもんです。



ディレクターはその場その場で瞬時に的確な判断力を求められます。

突発的なアクシデントがあって的確な判断力がなくても営業力は優れているって事でしょうか?
じっくり考えないといけない人はディレクションには向いて無いと思います。

参考URL:http://st.u2b.co.jp/forum04/catalog/B10_18.html
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この回答へのお礼

たしかに、テレビ番組の制作などでは即断力が大切になってきますよね。
挙げていただいたWebページ、参考になりました。
どうもありがとうございました。

お礼日時:2004/12/23 19:40

プロデューサーは予算、人員など全てを含めたプロジェクト全体の管理責任者と捉えると


ディレクターは制作現場における進行管理責任者、監督と捉える事ができますでしょうか

ディレクターとしてはダメでプロデューサーとしては優秀と言うのは
現場での総監督とは、その場その場で起きる事に対して大枠で決められている物の中で
細かな指示をだし、配置していく、もちろんそこには人と人との関わり合い(中には確執が会ったりも。)も含まれます。それらを的確に行えるが
プロデューサーとしてはそれらとは別次元でそのプロジェクト、作品の大枠を決めるわけですが
自分のアイディアを形にするのが上手くない。大枠を決め、予算などを配分するなどの能力に欠ける
といった事ではないでしょうか?
つまり、現場では臨機応変に対応でき指示をだせるが、物事、プロジェクトを1つ大枠を決めたり計算するのは
イマイチ上手くないという感じではないかと
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この回答へのお礼

「プロジェクト全体の責任者」と「制作現場の責任者」は違う、ということなんですね。
そういう風に考えれば、なんとなくわかってきます。
参考になりました。どうもありがとうございました。

お礼日時:2004/12/23 20:03

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